10/25 B-S☆☆
言葉がない。 ショックすぎて、試合を振り返る気力が出ない…。 宮城は良かったです。昨年の日本シリーズの好投を思い起こすような、落ち着いたかつ勇気を持ったピッチングでした。 問題は打線。 今年何度も何度も書いてきましたが、最後まで問題はやっぱり打線、ただひとつ。 それでもペナントで勝ち試合を作ることができたのは、繋いでもぎとった得点(そしてそれを守りきれる投手陣)があったから。 その繋ぎが、ヤクルトによって完全に分断されています。 全部相手の思うツボです。杉本は昨年で攻略済。今年の標的は福田と中川。吉田正は四球で良し、それで相手が打ちたい病にかかって力んでくれれば尚良し。紅林や宗にホームランはないし、頓宮は確実性がない。こう書いていくと全然怖くないな…。 終盤戦のキーマンとなっていたのは西野ですが、神宮では守備の兼ね合いもあって出場できませんでした。京セラの相手先発が左ばかりというのも巡り合わせが悪いですが、左相手でもセカンド西野でもういいような気がします。 この試合の安達の守備は残念でした。山田の内野安打は止められた当たりだと思います。中継でも一本出たことで山田は気分が晴れるだろうと解説していましたが、結果そのとおりになってしまいました。チャンスで得点できる気配もないあの攻撃を見せられたら宮城も気落ちするでしょうし、いくら不調といっても山田ですから甘い球は見逃さないでしょう。 このシリーズ、「山田と杉本どちらが打ち始めるかがカギ」などと言われていましたが、山田と杉本を同格に並べてはいけません。「今年不調」の意味合いがまったく違うこと以上に、杉本の攻略法は確立されているのですから、打ち始めることなどないでしょう。 「チームとしてヒットは出ている」とはいうものの、我が家の解説者曰く「ヒットを打てるのではなく、打たされている」。 つまりランナー無しでわざと単打を打たせて次もスタメンにさせ、チャンス時では攻め方をがらりと変えてきて抑える(そして心は折られていく)というパターンを、ヤクルトは徹底しているのです。そしてオリックス打線がそれを一朝一夕で乗り越えることは絶対にできないだろうと感じます。そのくらい、捕手中村の壁は堅牢堅固です。 一方、2戦連続で3ランをくらった伏見のメンタルが心配です。次の打席ではボール球を2球振ってストライクを見逃し三振していました。伏見だけでなく、全員(ベンチ含めて)地に足つかないまま試合だけが進み、完敗ペースに意気消沈しているのが伝わってきました。 頑張っていたのは比嘉と近藤だけですね…。 最後に本田が打たれましたが、これは3連投になったせいだと思います。神宮ではあんなに良かったのに、もったいなさすぎです。太田(福田)のエラーも酷かったですが。なぜ小木田やビドル(もはや能見でもいい)を入れていなかったのか…。 最終回に1点返したものの、できるはずのタッチアップもせず、集中のなさが伝わってきました。 まだ2敗のはずなのに、お手上げ状態です。ここからどうやってひとつ勝つのか…。ビジョンがまったく見えません。それでも最後まであがく姿を見せてほしいです。あきらめの悪いオリックスを、今年のオリックスはこうであったと思い出させてくれる試合を見せてほしいです。 PR
10/23 B-S☆
ヤクルト飲み干し勝利祈願! さて、2戦目の先発は山﨑福。宮城ではなくヤマサチを持ってきたのは、神宮を経験していて打撃も良いヤマサチで勝てれば儲けもの、負けてもイーブンで京セラに戻り、ドームに相性の良い宮城・田嶋・山岡で勝ちを取るという計算だったのでしょう。しかし目論見破れ、山本で初戦を落としてしまったオリックス。2連敗も覚悟しつつ、京セラ以外だと好投する&打席あると張り切るヤマサチに希望を託し、試合開始を迎えました。 相手先発はサイスニード。交流戦の京セラでは打ち崩しましたが、神宮ではもちろん初対戦。スタメン変更で1番に入った安達は球数を投げさせるものの出塁はできず。今日も三者凡退と先が思いやられる初回となりました。 さて、その裏のヤマサチ。昨日はいきなり打たれた塩見を三振。怖い村上も抑えて無失点と、上々の立ち上がりです。 2回はランナーに杉本を置いてTがゲッツー。昨日タイムリーを打ったのでスタメンに入れてくる気はしていましたが…まあこうなるやろなという予測を裏切ってくれませんね、Tは。杉本の打順も下げると思ったのですがね…。 3回、このシリーズ好調の紅林が先頭で二塁打。伏見のゴロで進塁後、球場が大きく沸きました。9番山﨑福也! 野手よりなんだか頼もしく見えたとおり、初球を叩き前進守備の内野を割ってタイムリー! 笑顔でガッツポーズするヤマサチ! 盛り上がるベンチと応援席! 投手に打たれたのは相手にショックを与えるはず。続く安達、宗もヒットを放ちます。そしてサンタナがファンブルしている間に、ヤマサチが一気にホームイン! 投手とは思えない俊足とスライディング、さすがです。しかし後が続かず、追加点は取れず…。 ジエンゴに成功したヤマサチはますます勢いづきます。毎回ランナーを背負いつつ、得点は許しません。次の打席は得点圏にランナーを置いた状況。野手のような攻め方をされるもファウルで粘ります。ヒットはなりませんでしたが、ワクワクさせてくれました。 5回には代わった大西からタイムリー内野安打で待望の追加点。これでヤマサチもさらに楽になるはず…と思いきや、山﨑颯に交代。これは山本が投げられなくなった6戦目に中5日で行かせるためなのか、突発性炎上病に罹患する前に交代させておこうということなのか、真意はわかりませんでしたが、もったいなく感じました。そして次の回打順の回る9番にそのまま颯一郎を入れたのもどうなのだろう…。そのまま打席に立ちバント失敗という結果でしたが、チャンスであれば代打を出していたでしょうから、もともと状況に応じて颯一郎か宇田川どちらかを2回行かせるという計画だったのでしょうか。結局颯一郎2回→宇田川1回という継投でした。 そして8回裏、ワゲスパックが登板。山田・村上をアウトに取るもオスナにヒットを打たれ(ほんと昨年からどんだけ打たれんねん…)、中村にもヒット、さらにはサンタナに四球という絶体絶命のピンチに…。 しかしここで、ヤクルトベンチが川端・青木という(押し出しを取られそうな)ベテランの代打を使い切っていたことが幸いでした。長岡も怖い打者ですが、ワゲスパックの開き直ったストレートを3球空振り、難を逃れました! 逃れたと思ったさ…この時は…。 阿部は前日不安定だったのでせめて5点欲しいと思っていましたが、結局追加点を取れないまま、3点差で9回へ。村上まで回さなければ大丈夫! …のはず! 信じて見守った先頭の宮本。粘りに粘られたあげく、ツーベース…。イヤな予感が掠めます。 続く塩見は変化球をすべて見きわめ、四球に。ますます血圧が上がります。 続くは代打・内山。追い込んだものの、落ちる球を振ってくれません。やむなく最後に選んだのはストレート。相手はそれを待っていました! ・・・ _( :⁍ 」 )_ ・・・ と、テレビに背を向けていたのは阿部のうなだれる姿を見たくなかったからです。 阿部は何も悪くない! 追加点を取れない打線が悪いんだ! もっといえば神宮のマウンドが悪いんだうわああん!(やつあたり) ひとしきり騒ぎがおさまって目線だけ戻すと、そこにはまだマウンドで戦う阿部がいました。迎えるはクリーンアップ。正直、勝ち越しサヨナラホームランも覚悟していました。しかし山田はセンターフライ、村上一ゴロ、オスナ三振。阿部は最後まで戦いました。 そうだ。試合はまだ終わっていない。 10回表。抑えのマクガフ相手に、小田・西野という途中出場組が連打で出塁。小田は三盗も決めました。しかし伏見倒れて得点はならず。 勝ちパターンを使い切ったオリックス、10回裏は本田が登板。二死一・三塁でバッターは塩見。サヨナラを覚悟すべき場面ですが、なんとなく塩見の気負いに強心臓の本田の余裕が優っているような気がしました。予感どおりフライに抑えて3アウト。 11回、セットアッパーの清水から先頭の福田が粘って四球で出塁するも得点はならず。今日は中川が目立てません。 その裏は中軸を迎えるとあって、近藤と比嘉のセットかなと予想していたら、比嘉が登板。「ええ!? 先頭左の代打で村上にも回るのに!?」とびっくりしていたら案の定、いきなりヒットを打たれます。それでもやはりここぞで頼れるベテラン比嘉。山田を抑え、左の村上も右のオスナも関係なく連続三振。神宮の特殊マウンドは変則投手に有利らしいですが、ここで比嘉を起用したのは慧眼だったようです。 12回表は暴投の間に代走佐野皓が一気にホームインするも、ボールがベンチに入っておりテイクワンベースで三塁に戻されるというぬか喜びがありました。どうもツキがありません。 もうここまで来たら引き分けで終わらせるしかない。最終回を任されたのは近藤。ひさしぶりの登板でしたが、12球全球ストレートで三者凡退、5時間3分の熱闘に終止符を打ちました! 6時に始まって11時だよ…(グッタリ)。 勝てた試合でした。 しかし、サヨナラされてもおかしくなかった試合を引き分けにできたとポジティブに捉えるしかありません。シーズンと違って、4勝しないと終わらない日本シリーズの引き分けは、ただの引き分けですから。 勝てなかったのは、もちろん阿部の被弾のせいではありません。となれば他に要因があるわけです。 どうも日本シリーズになると中嶋監督の勘ピュータが鈍っているような気がします。もっとシーズン中やCSできらめかせていた冴えを見せてほしいです。もちろん相手のあることですから、簡単にはいかないと思いますが…。 山本で勝てず、しかも6戦目の登板も不透明とあって、チーム内に不穏な空気が漂っているかと思いきや、ベンチは明るく楽しんでいたように見えました。10回以降の攻撃も、決して心折れてはおらず、戦う姿勢は失っていなかったと思います。ホームに戻り、巻き返しを期待します!
10/22 B-S☆
今年も相変わらずオリックス有利が目立つシリーズ予想…。 ナンデ??? と疑問符しか出てきません。ヤクルトめっちゃ強いですやん…村上だけでなくオリックスの苦手な外国人も絶好調だし、二桁勝利した先発がいなくても相変わらず中継ぎの運用が巧みですし、若手からベテランまで全員自分の仕事をこなせるチーム力で昨年以上に他球団(交流戦含め)を圧倒しセ・リーグを制したというのに、なぜに下馬評が低いのか不思議でなりません。 オリックスには確かに山本という絶対的エースがいますが、投げても2戦。しかも不慣れな神宮です。ただでさえ投手不利なマウンドで、交流戦ではさまざまな投手が打ちまくられた記憶のある球場です。いくら山本とはいえ、容易に勝ちを計算できはしないと思っていました。 しかし、実際にここまで悪い結果に転ぶと、さすがにショックです…。 初回、1番塩見にいきなりヒットを打たれ、2アウトとなって迎えるは村上。ボールになる変化球にもまったく振る気配はなく、ストレートの四球。山本らしからぬ結果に、少しイヤな予感がしました。CSの柳田も怖かったけれど、対策はできていました。しかし村上にはこちらの対策を超えてくるような威圧感があったのです。そして5番オスナ。昨年の日本シリーズでもさんざんやられましたが、今年もやはりやられました。ファールだと思ったんだけどなあ…。 その後の中村の打球は紅林がうまく処理したものの、いきなりの2失点。 思わぬ出だしとなりましたが、オリックス打線のしぶとさは健在でした。西野・若月・紅林の3連続安打で1点を返すと、山本はよくわからぬバスターからの空振りで2アウトになるものの、福田が押し出しを選んですぐさま同点に。ボールだと思ったんだけどなあ…。 勝ち越しは許してもらえず、その後は両チーム三者凡退、少し試合が落ち着いたかと思ったのも束の間でした。3回裏、先頭塩見にホームランを許してしまいます。4回にはオスナにもホームラン。山本が今季初2被弾含むまさかの4失点…山本が…。 勝ちを計算していたであろう絶対的エースを立てながら、序盤で追う展開とは誰も予想していなかったはず。観ている方もショックですが、ベンチにも動揺があったのか、あれだけ冴えていた中嶋監督の采配の妙が今日は見られません。5回表、宗がヒットで出塁するも中川にエンドランのサインを出して結果失敗。期待できる中川、しかも次が吉田正の打順なのにもったいないアウトを献上してしまいました。しかも中川は三塁打というチグハグ、最終的に満塁になるも西野が倒れて得点できず。そしてその裏、山本が脇腹の違和感で降板するという最悪の事態に…。 何もかもが悪い方向へ転がっていくようで、めまいがしました。 緊急登板だったにもかかわらず比嘉は見事にアウトを3つ取りました。本田もピンチを招きましたがサンタナから素晴らしい見逃し三振、阿部も不運なヒットでランナーを背負うものの不調の山田から三振を奪って難を逃れました。中継ぎは不慣れなマウンドで奮闘したと思います。 2点差のまま8回へ。先頭西野がヒットで出ると、若月はバント。2点差の終盤でバントはどうなんだろう…とは思いつつ、2アウトとなって投手の打順に代打T-岡田。まったく期待していませんでした、ハイ。しかし初球の変化球をセンターへ打ち上げ、(なぜか)後ろ目に守っていた外野の前へぽとりと落ちるタイムリー! なんかわからんが1点差に! こうなれば期待してしまう、昨年のようなマクガフからの逆転劇。ジョーンズはいないけれど中軸に回るはず。…の前に、8回裏、村上からの打順で平野が登板しました。 中嶋監督は、いったいこの試合をどう終わらせるつもりだったのかな…と、少し疑問です。逆転を期待するなら厳しい打順のここは勝ちパターンを使うべきですし、阿部と平野に任せたいなら登板順は逆なのではと思います。平野の経験値に賭けたのかもしれませんが、村上相手に今の平野ではさすがに荷が重いです。まあ、そうなるわな…とガックリしました。その後も、中村のバント失敗がなければ失点していたであろう内容。悲しいけれど今の平野にヤクルト打線は抑えられる気がしません。 そして9回。期待どおり、中川がヒットで出塁。吉田正は案の定四球で一・二塁。ヤクルト側には、同点のランナーを出してもOKの自信があったに違いありません。杉本に対してはここまでの4打席で布石をばら撒いていました。その策にすっぽりハマって前打席の見逃し三振に続きここも空振り三振…。 次の西野はそのまま、つながれば若月に代打頓宮と思いきや、先に頓宮を出してきたのもベンチの焦りを感じました。一発逆転を夢見ましたが、ここも見逃し三振で試合終了…。 幾度もチャンスを作りながらあと一本が出ない、重たい試合になってしまいました。 ヤクルトの強さは不気味です。我が家の解説者は小川が球数を擁したことについて、「コントロールのいい小川が四隅をついて打者のデータを集めている。2戦目から対策してくる」と推理していましたが、早くもベテランバッテリーにしてやられた感があります。これでは中村に弄ばれた昨年と同じではないか…。 長打力の差はどうしようもないとはいえ、4番の後を打つ選手が大事とは試合前から言われていたものの5番の差が勝敗を分けました。2戦目からどう打順を組んでくるか、中嶋監督の冴えある采配を期待します。
10/15 パ☆☆☆☆B-H☆
これまでの3戦、空席残る京セラドームに対し、心ないネットメディアは「CSなのにガラガラ」だの「球団は集客できる阪神と日本シリーズをやりたがっている」だの、さんざん書いてくれました。 土曜日、この大一番で球場は大入り満員じゃないか! 午後6時、大歓声に送られマウンドに上がったのは、山岡泰輔。 ルーキー山下やビドルという選択肢もあった中、中嶋監督が選んだのは、後半戦不調から脱しきれなかった山岡でした。監督が起用したのだからきっと勝算があるに違いないだろうけれど、また初回から打たれてしまうのではないかという不安は拭い切れませんでした。 しかしそれも、初回の投球を観て霧散しました。 もっと言えば、初球のストライクで、今までの山岡とは違うことを感じました。縦スラを決めたその背中に、ミットの音に、これまでにない気迫がこもっていたのです。3人で終えガッツポーズでマウンドを降りる山岡に、いつもの笑顔はありませんでした。いろんなものを抱え、背水の陣で臨んでいることが伝わってきて、こちらの背筋も伸びる思いがしました。 戦う顔をしていたのは相手先発の和田も同じ。さすが、何度も修羅場をくぐってきたベテランです。今年は打ち勝ってきたはずの投手ですが、天敵の時に戻ったかのように隙を見せてくれません。吉田正すらまさかの空振り三振で、今日の和田は今までとは違うと確信しました。 投手戦の様相を呈してきた中盤。1アウトから周東の打球が山岡の足を直撃します。紅林の正面に転がり2アウトとなったものの、山岡はいったんベンチに下がり治療へ。ここまで飛ばしてきましたし、交代でも仕方ないと思いましたが、山岡は再びマウンドへ戻ってきました。しかし牧原・柳田に連続ヒットを打たれピンチを招いてしまいます。痛みがあったであろう中、それでもデスパイネを抑え、4回を投げ切りました。 山岡の頑張りに応えるべく、打線はその裏、3番中川がしっかりヒットで出塁すると、続くは吉田正尚! 「前の打席は三振だったから、この打席は打つ!」というファンの予言(願望)を裏切らない吉田正尚! 打った瞬間確信の5階席! 大観衆の拍手と歓声を一身に浴び、めずらしくベンチに向かってポーズを決める吉田正尚! 今日は誰もがひと味違う!! 5回からは継投へ。昨日投げずに済んだ宇田川が登板。追加点が入らなくても、インターバルをはさんでも、2イニングをしっかり抑えてくれました。頼もしいことこのうえなし! これで山﨑颯→ワゲス→阿部と目途が立ちました。 そして6回裏。泉から二死二・三塁とチャンスを作って打席は頓宮。センターへ上がった飛球を、前進守備していた牧原が一直線に追いかけます。抜ける、と思われた打球はダイビングした牧原のグラブの中へ! 2点タイムリーのはずが一転チェンジ…。ただ牧原を讃えるしかない、超ファインプレーでした。 これで潮目が変わるかもしれない、という予感はありました。しかし山﨑颯がその牧原を三振に取り、柳田は四球になったものの、続くはデスパイネ。山﨑颯の直球なら打たれないだろうから大丈夫。そう信じていました。 バッテリーにも同じ油断があったのでしょうか。 さすがは強打者デスパイネ。当たらないと思い込んでいた157キロストレートを弾き返され、打球は悲鳴とともにレフトスタンドへ…。 あとは勝ちパターンに任せるだけと思っていた試合は、一瞬にして振り出しに。 とはいえ延長引き分けならオリックスの勝ち抜けです。耐え抜くしかありません。が、しかし、12回まで同点で済むのか? もし負ければ宇田川は明日使えない、先発も想像できない、かなりヤバいのではないか? …と、ひとりパニックになっていたオリファン。 しかし、中嶋監督は腹をくくっていました。引き分けでもいい、今日で終わらせる、という意志を持っていたのでしょう。8回表に選んだのは、山﨑颯の続投という選択肢でした。下位打線とはいえ、打たれた投手を続投させるのはなかなか勇気のいることだったと思います。颯一郎はそれほど信頼される投手になれたということなのでしょう。デスパイネに打たれた後も内野手全員に声をかけられ、その後のふたりを抑えていましたが、先発の時と較べ気持ちの強さもまるで別人になりました。しっかりと起用に応え、3人で終わらせます。 そして8回裏、マウンドは3連投の藤井。チャンスがあるならここだと思っていました。2アウトになるものの吉田正・杉本が連続四球で二死一・二塁、打席は安達。前の打席もチャンスで投ゴロだっただけに「代打西野は!?」といきり立つオリファンに対し、我が家の解説者は「中嶋が出さへんのやから何かあるはずや、右打ちできるとか」。その言葉どおり本当に出ました、安達得意の右打ち! 満塁となったところでコールされたのは代打・西野! 実は6回裏のチャンス時も、安達や頓宮のところで「西野を出さないのか」とこぼしていたオリファン。そして「西野はとっておきや。まだここぞではない」と言っていた我が家の解説者。そう、「ここぞ」はここだったのだ! が、あえなくレフトフライに…。西野でダメなら仕方なし…。 9回表は周東・牧原とうるさいのが続くためか、ワゲスではなく阿部が登板。牧原にはヒットを打たれますが、柳田はこの打席少しかかっていたのか、センターフライに抑えます。それでもフェンスギリギリ、息が止まりかけましたが…。 さらにはホームランで気分が良いであろうデスパイネ。前回はスプリット連投で三振に取りましたが、今日の落ちは今ひとつ。ボール先行になった時は血圧が上昇しましたが、なんとか外野フライで終わります。 こんな綱渡りでは12回まで心臓がもたんのですが、9回裏の相手はもちろんモイネロ。1アウトから若月がヒットで出塁すると、3連戦のアレが脳裏をよぎりました。さらに福田が四球を選ぶと、球場がますます沸き上がります。こちらの興奮も急上昇。そして打席はサヨナラ男の宗。こういう時はやってくれるはず…が、一ゴロで二塁封殺。 宗が走って二・三塁となるも、中川はこの場面で前回三振しています。ネクストには吉田正が控えるものの、今回はアウトになればチェンジの場面、空振りで追い込まれてしまいます。 前回同様変化球で来るのか…と予想した5球目。相手バッテリーが選んだのはやはりスライダーでした。 そして中川はそれにくらいつきました! 執念の打球は三遊間を破り、若月還ってサヨナラ勝ちーーー!! 伏見に抱き上げられびしょ濡れで両手を突き上げる中川を取り囲む笑顔のオリックス選手たち(そしてなぜか杉本にお茶をかける福田)、中嶋監督と熱い抱擁を交わす中川の写真は永久保存版! 昨年の日本シリーズ決定シーンも劇的でしたが、今年は今年でまったく別の感動がありました。昨年は活躍できなかった山岡はじめ、様変わりしたブルペン陣、そして中川。本調子でなかった吉田正ももちろん、今年にかける思いは並々ならぬものがあったはずです。そんな彼らの奮闘が、ここに結集し、勝利をもたらしたのだと思います。 今年のオリックスは最後まで泣かせてくれます。 いやまだ最後じゃなかった。本当の戦いはこれからだ! 今度こそヤクルトにリベンジだ!! 最後の最後まで嬉し泣きさせてくれるオリックスであることを期待します!! そしてサヨナラに沸く中、最後のボールを宗に返球し健闘を称えるように挨拶した今宮の対応には胸が熱くなりました(あとで動画で観た)。宮城の死球の時も紳士的でしたし、ちょっとファンになっちゃいました。
10/14 パ☆☆☆B-H☆ セ☆☆☆☆S-T
今日も夕食を作り終わらぬ間に先制されてしまったオリックス…。またも先頭三森に二塁打を許すと、次のバントの打球処理を田嶋がエラー。みずからのミスで先制されてしまいます。柳田はゴロに打ち取るものの、デスパイネの当たりは前進守備が仇となり三塁ランナーが生還。いきなりの2点ビハインド。最後までこれが重い枷となってしまいました。 なにせ相手は千賀です。これぞエースと唸らされる投球でした。ランナーが出ても繋がる気配はまるでなし。バックの好守備もありましたが、負ければ終わりの崖っぷちで得点を許さないのはさすがエース。 こんな投球をされては焦りが出てしまうものなのか、6回には二死から宗がヒットを打つものの、一塁ランナー福田が三塁でアウトにされる場面がありました。次の中川が千賀と相性良さそうな雰囲気があっただけに、もったいない走塁死でした。 初回の2失点以降は立ち直り、踏ん張っていた田嶋でしたが、7回表に伏兵・野村勇にホームランを打たれてしまいます。とはいえ初回のミスさえなければと思わせる投球でしたし、7回途中まで投げてくれたおかげで勝ちパターンを消費せずに済みました。 田嶋の後を投げたのは本田・黒木。終盤で3点差ですから、勝ちパターンを投げさせるわけにはいきません。相手の勝ちパターンの松本・藤井・モイネロから4点取るのは困難ですから、それで良いと思います。むしろあと3連勝しなくてはならない相手のブルペン陣を消費させた意味のほうが大きいと思うことにしましょう。そして本田・黒木が無失点で終えたことも良かったと思います。 最後はモイネロからチャンスを作りましたが、杉本のゲッツーで試合終了。この2戦ラッキーボーイとなっていた杉本でしたが、今日は当たりが出ませんでした。 ところでまたも紅林に代打Tが出てきましたが、悲しいかなまったく戦力になる気がしません。昨日もスタメンでしたが存在感ゼロでしたし…。同じく打っていないとはいえ、頓宮と天秤にかけるまでもないようですね…。 CS2戦目では、ショートスタメン安達という驚きの起用がありました。怪我から復帰後ショートの守備練習に取り組んでいたとはいえ、ぶっつけ本番では安達も感覚を取り戻せなかったように見えました。今日は紅林に戻しましたが、正念場で無茶ぶりに応える安達の姿勢は素晴らしいと思いますし、同じベテランとして、Tにももっとあがいてほしいなと思います。 さて、セ・リーグはヤクルトがストレートで勝ち抜けを決めました。 途中まで同じく3-0で負けていたので、「これは昨年のように同じルートをたどる運命だな」と、ヤクルトの敗戦をちょっと期待していたのですが…。 いやはや、その粘りには脱帽です。阪神のミスはもったいなかったですし、青柳の好投が報われなかったことは残念ですが、相手のミスでも何でもとにかくことを起こして逆転できてしまうのは、それまで粘ったことの証です。決して強打者の一発頼みではないヤクルトの強さを象徴するような試合だったと思います。 さあ、待ってろヤクルト! 行くぞ神宮! 必ず決めるぞ日本シリーズ!! |
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