『テッパチ!』
町田啓太見たさに観ているだけですが…。 陸上自衛隊といえば、今井雅之さんを思い出します。もしかしたら、何かの役で出演していたのかもなあ、それともこんなんじゃないって言うかなあ、といろいろ考えてしまいます。 「こんなんじゃない」というのは勝手な印象です。『教場』のように厳しい環境を想像していたのですが、煙草は吸えるしスマホも使えるし、お酒を飲める場所もあるなんて、警察と較べて自衛隊はずいぶん緩いのだなあと驚きました(まあ、上官にタメ口はありえないでしょうが)。自衛隊も警察も同じ命を張る仕事とはいっても、自衛隊の職場は戦場と想定されているわけですから、それらの欲求は満たしてもらえるということなのでしょうか。 あと、白石麻衣みたいな女性自衛官いるわけないだろそこはやす子だろ、などツッコみたくなることは多々ありますが、ま、舞台が自衛隊なだけで展開は部活ものと変わらない、若き男たちの熱血青春物語(サービスショットのおまけつき)ということなのでしょう。 『拾われた男』 松尾諭の自伝をもとにしたドラマですが、すべてに本気を感じる作品です。 なにせ出演者が脇に至るまで豪華絢爛。主演の仲野太賀の演技力は疑いようがありません。「微妙に下手な演技」の演技も巧みです。今のところあまり登場していない兄は草彅剛。どんな絡みになるのか楽しみです。 本人役で井川遥が出てきたことには驚きました。20年前から変わらない透明感を持ち続けているからこそ可能になったキャスティングでしょうね…。 TSUTAYAならぬTATSUYAの面々も、要潤や安藤玉恵はもちろんのこと、北香那のオタクっぽさや前田旺志郎の若手芸人らしい軽薄な感じも絶妙です。 3話からはヒロインの伊藤沙莉が登場。沖縄から追いかけてきたダメ男の彼氏に束縛されている自分自身に嫌気を感じている結。自分と同じように夢を追っている諭に背中を押され、諭に好意を持ちながらも彼氏を切り離せない、そんな彼女が一歩踏み出す勇気を目に宿した瞬間には思わず魅入られました。 いよいよ話が大きく動き出しそうな5話は、『SP』の話でしょうか。あのドラマ(未見)で松尾諭がブレイクしたと記憶していますが、4話の終わりに出てきた『電車男』の出演は憶えていないなあ…。その頃はリアルに「その程度の俳優」だったいうことでしょうか。 PR
『ナンバMG5』
意外に面白かったです。 ヤンキーと優等生の二重生活を演じた間宮祥太郎は、29歳とは思えないほど高校生役がハマっていました。今時ありえない特攻服で「夜露死苦!」という、漫画から飛び出してきたようなビジュアルもぴったりでした。 前半は二重生活にあたふたする剛に笑い、伍代と大丸との友情に心熱くなり、深雪との進展しない恋模様にやきもきしていましたが、終盤は一転、秘密を知った家族との確執そして和解というシリアスな展開となりました。 好きな子に正体がバレるクライマックスは、『デビルマン』を超える悲劇はないと思っていましたが、この時の剛の悲しげに目をそらしうつむく姿もなかなかドラマチックでした。そして最後まで剛を許せずにいた猛が弟に謝罪する場面も、不覚にももらい泣きしそうになりました。 『オールドルーキー』 綾野剛が演じるのは根っから単純な元アスリートの子持ち中年。イメージにはない役柄ですが、いろんな人物を演じられる俳優ですから、違和感なくハマっています。 引退したスポーツ選手のセカンドキャリアは最近クローズアップされてきた問題ですが、プロ野球界でも多くの現役選手が不安に思っているといいます。そんな人生の岐路に立たされたサッカー元日本代表の新町が選んだのは、スポーツマネジメント会社。現役への未練を残しながらも、アスリートの嗅覚を生かして現役選手にとってもっとも良い道へ導くこの仕事に少しずつやりがいも感じ始めているようです。つい最近『未来への10カウント』で現役と元現役との対比を描いた福田靖が、ここでも相対する立場のそれぞれの思いを丁寧に描いています。 ビクトリーの面々は定形的なキャラばかりですが、高柳社長の真意は今ひとつつかめません。新町はコマのひとつにすぎないと切り捨てているようですが、これから物語が進んでいくにつれその考えは変わっていくのでしょうか。 日9らしくスピーディでわかりやすいストーリーなので感情移入しやすく、耳慣れない世界の話でも楽しめる作品になっています。
『元彼の遺言状』
篠田の正体と彼の冤罪を晴らすことがドラマの本筋だったわけですが、それまでの一話完結エピソードのアレコレにあまり魅力が感じられず、惰性で観ていただけでした。最後の解き明かしもカタルシスがありませんでしたし。綾瀬はるかと大泉洋のおかげで我慢できたようなものです。ミステリーものに限りませんが、結局は脚本と演出がモノをいうのだなとつくづく感じます。 たぶん原作は面白いのだろうなとは思いますが…。 『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』 結婚願望ゼロのヒロイン、偶然出会った運命の人、当て馬の幼なじみ…と、既視感ある設定ながら心地よく鑑賞できたのは、やっぱりそれぞれのキャラを感情豊かに、かつ繊細に演じた俳優陣のおかげなのだろうなと思います。 晴太のプロポーズなんて現実にはありえない場面なのですが、それまでに積み重ねた晴太と杏花の葛藤があったからこそ自然に微笑まれますし、颯の切ない選択も、互いの人生を前向きにさせるものであるからこそ彼の潔さと爽やかさが光っていました。タイトルである「持続可能な恋」という言葉を颯の口から言わせるのも心にくい演出でした。 林太郎と明里の大人な恋もまた素敵でした。杏花が林太郎の実の娘でなかったという事実は衝撃的でしたが、それほど亡き妻を想い、そして結婚の意味をずっと探し続けてきた林太郎が、「結婚したい」と思う相手に出逢い、ようやく自分なりの「結婚とは」の答えをしるすことができたのは、まるでひとつの奇跡を見ているようでした。 ありがちなわかりやすい悪役もおらず、相手を思いやる気持ちが障壁になってしまうという、シンプルな構成がより人の心の複雑さを浮き彫りにしていました。脚本も巧みだったと思います。 それにしても、海の見えるカレー屋さんとヨガ教室…。それぞれの夢がかなったラストシーンは余韻を残していて素敵でした。
『マイファミリー』
サスペンスはどこかで緩和したり、ラストが拍子抜けだったりするものが少なくありませんが、これは最後まで緊張感が失われることなく、集中して楽しめました。 序盤は「まず富澤が犯人ってこたぁないだろ」と単純に予想し、次第に「富澤ではないだろ…」と不安がよぎり始め、最終回が始まると「おいおい、本当に富澤じゃないだろうな…そんなんせいやの二の舞やで…」と、もはや祈る気持ちで見守っていたのですが…。 結局富澤なんかーい! しかし、真実を玉木宏に語らせるというのはナイスアイディアでした。あの「(えっ)タブレット!?」の調子ですべてを吐かれたら、これまで積み上げてきたものが一気に崩壊しそうだったので…。 よって、最終回のインパクトを全部持って行ったのは濱田岳でした。主役のはずのニノも霞む熱演でした。 このドラマは絶妙なキャスティング、不気味な着信音に象徴される緊迫感あふれる演出、展開の速さで観る者を飽きさせない脚本と、すべてが最高レベルに合致したまれにみる傑作だったと思います。確かに富澤の動機はやや強引ですし、いくら誘拐事件の加害者とはいえ妻の不倫や娘を遺棄された被害者でもある東堂が悲劇的な結末を迎えたことには少ししこりが残りますが、それをふまえても満足感しか残らない良ドラマでした。 「家族の再生」というテーマについては、鳴沢家や三輪家が事件を乗り越えひとつになった一方で、犯罪を犯してまで救いたかった娘を喪った東堂家のほうが強く印象に残ったため、ぼやけてしまった感があります。東堂の罪はそこまで重くはならないのでしょうが、かつては仕事に、事件後は娘を救出することに人生を捧げてきた東堂のこれからはいったいどうなってしまうのか、そんなやるせない思いにもかられます。 そして、亜希の泥に汚れた足元や「心春に会えたのか」という東堂のセリフからの流れで「心春は死んでいた」事実が確定したことに気づかなかった我が家…。葛城が「実咲を心春のように遺棄するつもりだった」と語っていたので、やはり心春は階段から落ちて死亡し、富澤によってどこかに埋められたのかと納得した直後、三輪が東堂に「心春ちゃんは大丈夫」みたいなことを言うので混乱してしまいました。たとえ遺体であっても出てきてほしいという親心なのかもしれませんが…。 『インビジブル』 いやー、最後までつまらなかった…。 高橋一生・柴咲コウ・桐谷健太・永山絢斗という演技派俳優を起用して、どうしてここまでつまらなくすることができるのか…。 回はどんどん進んでいくのに、まったく物語が頭に入ってこない。どこか既視感があると思ったら、『クロコーチ』でした。「いろいろなことが起きている割に展開が遅く、重要事項がつねに口で語られる」ところがまったく同じ! そして脚本家も同じ! どうやらいちばんクライマックスらしい「内通者は誰なのか?」をさんざん煽っておいて、予告に泰造や酒向芳のアップを映してしまったら「あ、違うな」とわかりますし、そうすると猿渡しか残りませんし(演技力的に)。しかし猿渡が真犯人っていかにもだし…。だから最後まで違うと信じていたのですが…。 結局猿渡なんかーい! しかもなぜか最後の舞台がスタジアム。その真ん中で突如変態になる猿渡。ただただ捕まえられているだけのキリコ。ただただ取り囲んでいるだけの警察集団。なんかしらんけど射撃が上手かったらしい志村。単にイイ人なだけでなんにも美味しくなかった酒向芳。結局脱走したクリミナルズはどうなったんだ。それ以前に、突然出てきた割にこれといったキャラ付けも見せ場もなくあっけなく死んだキリヒトがいちばん哀れかもしれない。 『クロコーチ』の脚本家がいずみ吉紘だったことを見落としていました。『ROOKIES』や『南極大陸』は普通に面白かったし、『デスノート』も普通に観られたのですが…サスペンスはダメなのか? 同じ放送局の『マイファミリー』が良作だっただけにどうしても比較してしまい、マイナス面ばかり目についてしまいました。なにせキャスティングがもったいなさすぎて…。
『未来への10カウント』
世間では「考察系ドラマ」が流行っているらしいですが、なーんにも考えず純粋に物語を楽しむドラマもそれはそれでいいと思います。これもその部類。 ボクシングに青春をかける高校生と、青春をとっくに通りすぎた中年男女たち。恋愛や挫折、過去との決別と未来へのまなざし。年代は違えど、人生にまっすぐ向き合い日々を懸命に生きる姿勢は誰でも同じ。丁寧な人間ドラマだったと思います。 青春ドラマとしても、部員同士の確執や一流選手が怪我で離脱するなど展開はオーソドックスでしたが、流れがシンプルでそれぞれのエピソードに感情移入しやすかったです。 すべてがベタなドラマを作るのは案外難しいと思うのですが、大袈裟でないシンプルな演出と無理のない脚本があわされば可能なのだなと改めて感じました。キムタク主演ということばかりが注目され、キムタクなのに低視聴率、キムタクドラマ打ち切り、というマイナスな報道が目立ちましたが、キムタクだけでなく満島ひかりも好演でしたし、他の脇役たちもそれぞれのキャラクターを魅力的に演じていましたし、決して「キムタクのドラマ」ではなかったのに、そういう色眼鏡で見られるのが残念だなあとつくづく思います。まあでも、いきなりバックハグでドキドキさせられてしまうのは、やっぱりキムタクだからなのかな…。 |
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