『なれの果ての僕ら』→録画機器の故障により脱落
『シッコウ!!~犬と私と執行官~』→2話で脱落 『どうする家康』→本能寺の変よりかなり前に脱落 『警部補ダイマジン』 …え? 終わり? と、びっくりしてしまった最終回でした。 序盤から重要人物が登場してはすぐに退場していくややわかりにくい展開で、謎の風呂敷も重層的に敷かれていたので、8話が最終回と知った時から「これ全部畳みきれるのか?」と気がかりではあったのですが、まさかの「俺たちの戦いはこれからだ!」的ラストという…。 占部と百鬼の顛末は最終回だからとむりやり畳んだ感満載でした。それまでの「44」の描き方がそら恐ろしく、刺客たちもいかにも秘密結社の工作員といった陰鬱な雰囲気を醸し出していただけに、そのトップのキャラ設定があまりにも単純で平凡で薄っぺらく、「44」の不気味さが最後の最後で失われてしまい、もったいない! のひとことです。不幸にも「44」の設定が「別班」と若干かぶってしまったところも、インパクトにおいて大敗でした。 台場が正義のためなら殺人も厭わぬダークヒーローらしからぬ軽いキャラだったのは違和感がなくもないですが、何を考えているのかわからない平安とのコンビ関係は良かったです。冷たさと熱さを合わせ持つ平安を演じた向井理はハマりキャラだったと思います。一体感のない特命班の面々も良いキャスティングだっただけに、牡丹が亡くなってしまったのは悲しいです。 こういう続編を示唆したドラマで本当に続編が放送されたことがないのですが、大丈夫でしょうか。原作を読めということでしょうか。 『CODE-願いの代償-』 「怪しい」と感じていた人たちが次々命を落とし、主に動いている人物がメインビジュアルの五人だけになってからはみるみる失速してしまいました。こういうサスペンスは「ツッコんだら負け」とは思っているのですが、「いつも正面突破でまったく頭を使わない二宮」「警護されているのに攫われすぎの芯」などなど、やっぱりツッコみながら観てしまう…。 AIの暴走というオチは、AIという言葉が出現する前からSFもので描かれていたモチーフですからさして目新しいものではありませんでした。悪事を暴かれてラスボスが突如小物化するのも最終回あるある。というか、なんで玉鉄あんなに太ってしまったん…? とはいえ、二宮が打たれるというラストは意外に感じました(悪い意味で)。おそらく警察が何とかして破壊したであろうCODEが復活したことに驚愕する主人公——で幕を閉じるのがありがちなラストカットですが、ここまでベタに描いてきたのだからそこでわざわざ視聴者への裏切りを入れなくてもよかったのでは…。 PR
『ハヤブサ消防団』
池井戸潤原作ですが、『半沢直樹』のようなビジネスものではなく、とある村の消防団を舞台にしたミステリー。東京在住のミステリー作家・三馬が田舎の持つ自然の美しさや長閑な雰囲気に魅了され移住するも、田舎特有の風習や近所づきあいに振り回され、おまけに連続放火や不審死事件にも巻き込まれてしまうという、導入から一気に惹きこまれる物語でした。 ハヤブサ地区という舞台は架空ながらも、田舎独特の空気感が絶妙です。よそ者を歓迎しながらも探りを入れてくる田舎の人びとの距離感の詰め方、すぐに出回る噂話。人間関係の希薄な東京とはまるで異なる世界です。田舎の良さといやらしさ、すべてを受け入れようとしながらもとまどいを隠し切れない三馬の揺れ動く気持ちを中村倫也が繊細に演じています。 主人公を取り巻く脇役たちもクセ者ばかりで、謎をますます深めています。生瀬勝久・橋本じゅん・梶原善・岡部たかし、よくこれだけ集めたなあという感想。この中の誰が犯人でもおかしくありません。さらに編集者として山本耕史がキャスティングされていますが、東京にいる彼とテレビ電話するだけで終わるとも思えません。 ただ今のところ怪しい雰囲気を出しているのは、三馬と同じ東京からの移住組である立木と、彼女と何らかの関係があるらしき太陽光発電の営業マン・真鍋。まだまだこれからどんどん謎は深まっていくでしょう。メインビジュアルで背を向けているふたりも判然としません。 次週が待ち遠しい、そんな気にさせるドラマです。 『VIVANT』 初回から圧倒されました。連続ドラマでこれほどのスケールはなかなかお目にかかれません。 キャストの豪華さもさりながら、激しいアクションに海外ロケとフルコースでおなかいっぱい。 主要三人(堺雅人・阿部寛・二階堂ふみ)のキャラ設定はどれも平凡ですが、ベタだからこその安心感がありますし、安定感もあるので、豪華キャストにありがちな過剰演技の渋滞を起こすこともありません。キャストの有名無名問わず、それぞれの役割分担がしっかりしているのだろうなと思います。有能すぎるドラムの活躍は毎週楽しみですし、今のところヒール側であるチンギスもまだまだ見せ場がありそうで楽しみです。 まだちらりとしか登場していない役所広司や二宮和也(シークレットだったのか…?)、未登場の松坂桃李はこれからどう絡んでくるのでしょう。公式サイトにはその他たくさんのキャストが紹介されています。いったいこの世界規模に広げた大風呂敷をどうたたむつもりなのか…。 『警部補ダイマジン』 深夜ドラマらしからぬなかなか硬派なサスペンスです。あとから原作リチャード・ウーと知って納得しました。浦沢直樹の漫画の雰囲気が好きな自分には好みのようです。 生田斗真がダークヒーローとなり向井理とバディを組んで悪を成敗する必殺仕事人系の話かと思いきや、ひとつの殺人事件をきっかけに秘密結社「44」の謎に特命班が踏み込んでいくという展開になっています。「44」とは何なのか、仕切っているのは誰なのか。向井理演じる平安の真の目的は果たして達成されるのか。また、誘拐事件の犯人として台場を疑っている七夕刑事は今後台場たちの味方となりうるのか。さまざまな謎や思惑が絡み合う多重構造となっていて興味深いです。 ドS向井理とやりこめられる生田斗真のコンビは眼福ですが、身重で刑事役を演じている土屋太鳳の身のこなしが気になっちゃうのが少し残念です。
『なれの果ての僕ら』
同窓会で集まった元同級生たちが3日間監禁され、13人死亡するという事件を関係者たちが振り返るという形式で描かれるサスペンスドラマ。原作は漫画のようですが、最近こういうおどろおどろしい作品をよく目にします。 出演者たちが高校生に見えないというツッコミはさておき、こんな残虐な設定にいったいどう始末をつけるのかは気になります。 『シッコウ!!~犬と私と執行官~』 執行官という耳慣れない仕事を題材にした着眼点は面白いですし、出演者も豪華で、しかも脚本は大森美香。期待していたのですが、どうも思っていたのと違う…。 演出がベタベタで伊藤沙莉と織田裕二のコメディ演技が活きていないのと、差押されるまで賠償金を踏み倒していた人たちが「良く」描かれているところにひっかかってしまいました。執行されない側から見ると執行は「成敗」だと思うのですが、その現場に爽快感はなく落着感もありません。もちろん執行官は正義の味方ではなく、粛々とみずからの責務を果たしているだけなのですが、ドラマ的にはなんらかの感情の揺さぶりが欲しいですし、2話とも同じ流れ(執行される側が救われるような結末)だったということは、今後も自分が期待するような展開にはならないのだろうなと思います。 『らんまん』で幸吉を演じていた笠松将に綾さまのごとく心を惹かれ、彼目当てでもあったのですが、どうも出番が少なそうなので残念です。 『CODE-願いの代償-』 「坂口健太郎がマル暴の刑事に見えない」という致命的な欠陥はあるにせよ、謎のアプリ「CODE」の秘密や、それに関わっていると思われる松下奈緒、いまだ登場していない玉山鉄二の役柄も気になります。リメイク元は韓国ドラマかと思えば台湾ドラマでした。曇天のような薄暗い雰囲気は韓ドラサスペンスのようです。 警察ドラマといえば内部犯ですが、鈴木浩平や三浦貴大など怪しさ満載。CODEを追う染谷将太&堀田真由は『教場』でも共演していましたが、まるで異なるキャラでも違和感がないのはさすが演技派です。 恋人が殺される場面は迫力がありました。あの後エレベーターに乗るのが少し怖くなってしまうほどでした。
『風間公親 教場0』
世間ではえらく酷評でしたが、確かにスペシャル版ほどカタルシスがなかったのは事実です。風間の指導方法や強引なトリックは原作で知っていましたから、そこはスルーできたのですが、風間と遠野が襲われたあとなお新人刑事の指導が続く構成と、白石麻衣の浮いた演技が目につき、そこから物語に集中できなくなってしまいました。その次に登場した染谷将太がさすがの存在感だっただけに、果たして順番はこれで良かったのか? という強い残念感があります。結局最後は再登板のガッキーが持っていくのもよくわかりませんでしたし。 風間が隻眼になった経緯は原作とは異なっていますが、なぜあれほど厳格な教官になったのかという動機づけはうまく落とし込めていたと思います。殺人犯である十崎が野放しにされてしまったこと、「妹」という意味ありげなワードを残したことで、続編は決定事項なのでしょうが、風間はもう現場を離れていますし、原作では今後全盲になってしまうはずですから、いったいどう決着をつけるつもりなのでしょうか。ガッキーや幸葉が活躍するのですかね。 うーん…あまり期待できない。 『だが、情熱はある』 正直、山ちゃんや若林の半生にあまり興味はなかったです。しかし最初から最後まで見入ってしまいました。 うまくいかない時代のそれぞれの挫折、嫉妬心、焦燥感がとてもリアルでした。のちのち成功することは知っているのに彼らのやるせなさに共感せざるをえず、その部分は優れた青春ドラマになっていました。淡々と彼らの日常を追うシンプルな脚本と演出は素晴らしかったです。 まだ実在していて誰もが知っている、しかもキャラ強めの人間を演じるのはとても大変だと思いますが、演者はそれぞれモノマネでなく、誇張もせず、芯から彼らになりきっていました。地がイケメンであることを忘れるほど、若林は「みんな死んじゃえ」という顔をしていたし、山里は嫉妬に狂って嫌がらせに走る醜悪さが滲み出ていたし、春日は春日でした。しずちゃんもサイズ感こそ違えど口調から所作から違和感なく、ピンで売れ始めてからはきっと山里の前でどう振る舞っていいのかわからず、こんなふうに身を縮めていたのかなと思わされました。 成功譚はどうしても結果を出した後はトーンダウンしてしまうものです。朝ドラでいえば『ゲゲゲの女房』も『まんぷく』も、後半は前半ほどのめりこめなくなりましたが、この物語においても同様でした。ようやくブレイクするも注目されるのは互いの相方であることにモヤモヤを抱えていた者同士が出会い、通じ合い、新しい漫才を完成させて充足感を憶えるも、その過程の描かれ方は思いのほかサラッとしていて、自分が『たりないふたり』を観ていないどころか存在すら知らなかったせいかもしれませんがあまり感情移入はできませんでした。しかも時系列が頻繁にいったりきたりしていたので、彼らにとって『たりないふたり』がどういう存在であったのか、あまり理解できないまま終わってしまいました。 ただ、トータルで良いドラマであったのは確かです。 M-1での漫才のクオリティの高さには驚かされました。セリフのトーンから間から、当時大笑いしたのと同じくらい笑ってしまいました。オードリーの敗者復活戦は、おそらく当時テレビ放送されておらず初見だったのですが、たぶんこんな感じだったのだろうなと思わされるほど若林は若林で、春日は春日でした。若林はやっぱりイケメンすぎましたけれどもね。祖母の病室に貼られた孫の写真の中に堂本光一が混じっていた…というくだりは、若林のエッセイを読んだ時に笑ってしまったところだったのですが、高橋くんだと本当に間違えてもおかしくないくらいの差しかないので不自然ではありませんでした。
『波よ聞いてくれ』
沙村広明原作の漫画は無料になっている分だけ読んだことがありますが、『無限の住人』とはまるで違う世界観に驚かされました。『無限』で時々差し挟まれていた笑いどころや繊細な心理描写は現代劇にも通じるものではありましたが。 ただ主人公ミナレは繊細とは程遠い、短絡的でガサツな破天荒娘。小芝風花のイメージとは合っていないような…と思っていたら、さすが演技派。金髪も真っ赤なルージュも違和感なく、下品にはならない適度なやさぐれ感が絶妙でした。ラジオ中のみならず日常のおしゃべりがすでにマシンガントークのミナレですが、セリフが聞き取りやすいので疲れることもありませんでした。 周囲を固める配役も良かったです。北村一輝や小市慢太郎の、いかにもラジオにこだわりを持ってそうな業界人の雰囲気は抜群。片寄涼太は原作の中原とは見た目がまるで違いますが、スープカレー店内のバランス的にはこれで良かったような気がします。バイきんぐ西村が案外ハマっていました。 それにしても北村一輝ってどうしてあんなに色気たっぷりなのか…カッコいい役ではないはずなのに…。 最終回もうまくまとまっていて、なんとなく観始めた深夜ドラマでしたが非常に満足できました。 シセル光明の秘密が明かされていないので、続編を期待しています。 |
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