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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『未来への10カウント』
人生に投げやりな元プロボクサーが弱小ボクシング部のコーチになり、ひたむきな生徒たちに影響を受け、また生徒たちもボクシングを通して強さを身に着け、互いに感化されていく…というような、いわゆる王道なスポーツ青春ものなのでしょうか。
キムタクがらしくない世捨て人を演じるということで注目を集めたようですが、それ以外にとくに目新しいところはありません。福田靖が脚本という理由で観始めたのに、今のところ良さを感じるところもなく…。何を期待して観ていけばいいのか、悩みます。
「王道」のお話を「王道でない」キムタクが演じる、というところが見どころなのでしょうか。キムタクをキムタクらしいらしくないで評価するのはやめにした方がいいと思うのですがね。世捨て人キャラなら『無限の住人』の万次は好演でしたし、『教場』の教官もイメージとは違いましたが案外良かったですし。なんだかいつまでもキムタクブランドに縛られるキムタクがかわいそうですね。

『インビジブル』
今期いちばん期待していたのがこのドラマでした。イントロダクションで興味を惹きましたし、柴咲コウ&高橋一生は『直虎』で共演したことはすっかり忘れていましたが芸達者ですからコケることはないだろうと信じていたのです。
…が。
回を追うごとに、「コレジャナイ」感満載に…。
1話は非常に面白かったのですが、2話・3話とひとりずつ出てきては捕らえられるクリミナルズに違和感を拭えません。久本雅美は出てきた瞬間真犯人だろうと察しがついたものの同時に演技の軽さが、要潤は警察官を次々投げ飛ばす怪力ぶりが、それぞれ気になって話に集中できなかったです。主役のふたりは期待を裏切らないのですがね…。
これからもこんな感じで、志村とキリコが協力して1話ずつクリミナルズを逮捕していくのでしょうか。ラスボスは安野を殺した犯人なのでしょうが、こちらはあっと驚くキャスティングなのか、それともありがちな警察内部の人間なのか、いずれにしても肩透かしなエンディングだけは避けてほしいです。おおかた猿渡は違うのでしょうけれど。











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『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』
タイトルが少し意味不明でもったいないなとは思いますが、辞書作りをしている父親の新語研究にひっかけているのかもしれません。
登場人物のキャラクターは皆シンプルで展開も淡々としていますが、それがいい。それをきちんと「見せられる」俳優陣がいい。ヨガインストラクター役の上野樹里は体の線をあらわにするウェアでも色気を感じさせず、といって禁欲的にもすぎず、恋に落ちた後は自然ににじみでるかわいらしさを繊細に表現しています。そして優柔不断な男を演じさせたら右に出る者はいない、田中圭。シングルファーザーであるがゆえに杏花へ惹かれつつ一歩踏み出せない、言いたいことを吞み込んでしまう時の表情が心に沁みます。年下男の颯は当て馬なのかもしれませんが、暗い過去を背負いながらも無邪気にふるまう磯村勇斗もハマり役に思います。
一方父親の方は、婚活パーティで出会った整形外科医と何かしら起きる予感。年齢を重ねているだけにふたりが関係を深めるにはまだ少し時間がかかりそうですが、こちらもゆっくり見守りたいと思います。
劇的な事件が起きるわけでもなく、それぞれ人生の岐路に立った人びとが自分や家族や未来や恋心に向き合っていく、丁寧な作りの印象です。落ち着いて観られるこんなドラマも季節に一本はあって良い。

『ナンバMG5』
ヤンキーものといえば『今日から俺は!!』の印象がまだまだ強いので、似たような感じなのかと思いきや、あちらは高校でヤンキーデビュー、こちらは高校で一般学生デビューという逆のアプローチでした。
28歳の間宮祥太郎ですが、特攻服から「シャバイ」学生姿まで違和感なく高校生になりきっています。コメディもお手の物。ヤンキー一家を演じる宇梶剛士・鈴木紗理奈・満島真之介という濃ゆ~い家族のキャスティングも絶妙です。
『今日俺』の理子ちゃんも正統派ヒロインではない腹黒キャラでしたが、藤田さんもなかなかクセモノ。ただの気が強くて空気の読めない女の子かと思いきや、その本棚にはゴルゴ13やミナミの帝王といった女子高生らしからぬラインアップが並んでいたり、絵がド下手だったり、「ブス」と言われるとヒステリックに反論したり、ヒロインというよりコメディエンヌな役回りです。
唯一正統派キャラと言えるのがイケメン一匹狼の伍代。神尾楓珠がハマっています。いったいどう絡んでいくのだろうと思っていたら、窮地に陥った剛を救いに特攻服姿で登場した際にはゾクゾクしました。(ここまでは)唯一二重生活の秘密を知る仲間ですが、互いの家を訪問し友情を深めていく過程はほのぼのして良かったです。
『今日俺』と異なり、剛は二重生活という大きな秘密を抱えています。好きな人や家族にも嘘をついているという負い目はずっとついて回りますし、いつかはそれを明かすことになるのでしょうが、そこがクライマックスなのでしょうかね。
現実では迷惑な存在でしかないヤンキーですが、漫画なら気楽に楽しめます。



『マイファミリー』
スピード感ある展開で緊張感を持たせつつ、騙し合いと騙され合いの丁々発止という「日9」らしさは健在ですが、サスペンスらしい謎めいた雰囲気は物語全体に漂っていて後半戦にも期待が持てます。
主役の二宮和也・多部未華子が小学生の子どもを持つ親には見えないという致命的な欠点はありますが、濱田岳・賀来賢人・高橋メアリージュン・松本幸四郎というカメレオン俳優たちが作品を引き締めています。誘拐事件は解決したものの、犯人は明かされずお金も奪われたまま。今は味方の彼らですが、誰もが敵に回りそうな匂いがプンプンします。
また、誘拐事件では「敵」になった警察ですが、温人に対し「あなたは必ず後悔する」と負け惜しみのようで意味ありげな言葉を放った玉木宏もまた、最終的にどのような立ち位置になるのか読めません。
4話からは新たな困難が待ち受けているようですが、いったい犯人の目的は何なのか、過去の誘拐事件と関連はあるのか、家族の再生は成功するのか、最後まで目の離せないような展開を期待します。

『元彼の遺言状』
『このミス』大賞受賞作が原作とあって、導入部は非常に興味をそそられました。麗子のキャラは若干ライトノベル的ですが、綾瀬はるかが演じると嫌味がなく食べっぷりも気持ちがいいので、まあ許容範囲です。篠田は大泉洋だからああいう間の抜けた雰囲気にしているのか、原作に合わせてキャスティングしたのかはわかりませんが、実は裏があると思いたいです。
で、問題の「遺言状」をめぐる一幕ですが、まー、肩透かしもいいところです。最近の『このミス』は未読なのですが、あのまんまではないはずと信じたいです。1話がスローテンポだった割に2話がやたらスイスイ進んだのでイヤな予感はしたのですが、まさか2話で都合よくアッサリ解決とは思わなかったので、エピソードが削られたか脚色されたかでしょう。さすがに観るのをやめようかと思ったのですが、3話はそれまでを忘れれば普通のミステリーとしては面白かったですし、4話の予告でまた元彼が登場していたので、これからもなにかしら絡みがあるようです。それならそれで2話に匂わせを残しておいてほしかったですがね…。そのシーンも本当に遺言状の続きなのかはまだ信じられませんが…。






『ちむどんどん』
沖縄が舞台の朝ドラというと『ちゅらさん』が思い出されますが(『純と愛』もだけれど、まああれは…)、『ちむどんどん』もそれに近い雰囲気なのかなと勝手に想像していました。沖縄の美しい空と海と、家族の愛に包まれて伸びやかに朗らかに成長するヒロイン…のような。黒島結菜も笑顔が魅力的な女優です。
ただ、アメリカ統治下の時代とあって、少し様相は違っていました。借金、貧困、そして戦争の傷痕もほのめかされています。子どもたちを見守る両親の表情は穏やかですが、戦時中の話をした夜は子らが寝ついたあとに涙する母の姿もありました。
初回から暢子へ人生訓を語る父親に、まるで遺言のようだと感じていましたが、こんな早く退場するとは思いもしませんでした。大森南朋の存在感が光っていただけに悲しみは深く、そして幼い子どもたちを抱え借金返済に追われる母親の姿も痛切です。そんな中救いは、天真爛漫な子どもたち。最近の朝ドラの子役は皆芸達者です。今回の4人も、時代と土地のせいか現代の同年齢より幼い役柄を自然に演じています。沖縄弁も心地いいです。暢子役の稲垣来泉ちゃんは『TWO WEEKS』でも三浦春馬の娘役を好演していましたが、賢秀が『エール』のケンとはにわかに気づきませんでした。幼いながら陰のある戦災孤児は印象的だったものの、ちょっとアホっぽいにぃにぃとは結びつかなかったのです。和彦も『BG~身辺警護人~』でキムタクの息子だった子ですし、ああいうちょっと斜に構えた役が似合っています。
3週目からは時間が経過し子どもたちもそれぞれ成長するようですが、いったいどんな人生を送るのか、魅力的な子役から引き継いで大人の俳優たちがどんな演技を見せるのか、期待して観ていきたいと思います。

『鎌倉殿の13人』(承前)
義経、義仲と次々に重要人物が登場し、いよいよ源平合戦も盛り上がってきました。
そんな中、これまでコメディシーンを担う役回りが多かった頼朝が、上総広常を誅殺する冷徹さを見せました。源氏三代を語るにあたり身内そして御家人間でいくつもの命のやりとりがあったことは避けて通れません。そして『真田丸』で話題になった「ナレ死」ではなく、しっかりと暗殺場面が描かれているのは、この血腥い時代に対する三谷幸喜の姿勢の現れと感じます。
数々の現場には、善児という得体のしれぬ暗殺者の姿があります。ここまでセリフはほとんどなく、表情ひとつ変えず淡々と仕事をこなしますが、その出自は不明です。この大河のテーマのひとつである「パワーゲーム」の実態は、つまるところ「殺し合い」。その鍵を握っているのは、善児なのかもしれません。
今頼朝を支えている鎌倉側の人びとは、最終回の時点でおそらくほとんどいなくなってしまいます。頼朝が死した後も鎌倉殿には流血が絶えませんでした。その方向へ向かわせたのは誰でもない、頼朝自身です。冷酷で残酷な鎌倉初代将軍、大泉洋がどんな頼朝を演じるのか興味深く見守っていましたが、一見とぼけた雰囲気ながら冷ややかな空気をその奥に漂わせているような、彼の持つ二面性が活かされていて非常に新しい頼朝像を見せてくれています。
菅田将暉の義経も実に魅力的です。義経といえば悲劇の美青年というイメージが強いですが、今回の義経にはタッキーのようなはかなさは微塵もありません。破天荒で感情豊かで、いわゆる「天才」ってこんな感じだな、という説得力があります。無骨ながら生真面目で筋の通った義仲もいいですね。退場させるには惜しいキャラクターたちばかりです。
ということで、義時はまだまだ振り回されてばかりの脇役のひとりです。しかしそれで良いのかもしれません。歴史は誰かひとりによって作られてきたものではありませんし、主人公を中心に回っていくドラマはたいてい面白くありませんから。
大勢の登場人物それぞれに魅力を持たせる描き方はやっぱり三谷幸喜だな、と感心します。
歴史年表を知っていても、毎週ワクワクが止まりません。







『カムカムエヴリバディ』
最終週は月曜日から涙、涙でした。
安子が誕生した日から始まった「100年の物語」。安子が100歳を迎えたところで、お話は幕を閉じました。
やはり、アニーの正体は安子でした。あの日、雉間家の扉に遮断された安子とるい。長い長い時を経てめぐり逢ったふたりは、あの時演じていた女優と子役ではもちろんありません。しかし、隔たりの時の間にそれぞれめぐらせたさまざまな思いは、一瞬にして溶け合い混ざり合い、母娘の絆としてふたたたび強く固く結ばれたのです。現在のふたりと同じように抱き合ったあの日の安子とるいのシーンは、観ている者にはたった数ヶ月のことでしたが、実際には50年の月日が流れていることを感じさせました。そしてこの数ヶ月、どれだけこの瞬間を待ち望んだことか。
年を重ね、愛を知り、母となり、「誰でも間違うのだ」と理解できるようになり、傷痕を隠さず生きられるようになったるい。
稔の遺志を追い求め続けた安子。
そしてそんな祖母と母の血を受け継ぎ、これからもサニーサイドを歩き続けるひなた。
三人の女性のそれぞれの生きざまが、しっかりと伝わった半年間でした。
そして三世代をつなぐ役割であるるいの存在がもっとも重要であっただけに、オーディションでなく配役された深津絵里は素晴らしかったと思います。暗い過去のせいで控えめだった少女時代から、錠一郎と出逢い前向きになり、母として子を育て家計を支え、人をゆるす侃さを身につけた中年に至るまでのるいの顔つき、所作の変化は印象的で、ひなた編から脇役に移ってもなおるいの存在感はずっと健在でした。とくに最終盤の、ラジオで安子の存在を知った時の演出は安達もじりらしいワンカットでしたが、深津絵里の表情に惹きこまれてまったく気になりませんでした。
最終回は、すみれがモモケンと再婚したり、桃太郎がきぬの孫と結ばれ監督として甲子園に出場したり、ディッパーマウスブルースをるいと錠一郎が継いでいたり、ひなたが初恋の人ビリーと再会したり、とさまざまな後日談が語られての大団円。
すべてがまるく収まったわけですが、そこに至るまでの道程は決して安泰ではありませんでした。戦争で家族を失った安子はもちろん、心と身体に傷を負ったるいもそうですし、錠一郎は人生を賭けていたトランペットを奪われました。平和な時代を生きるひなたさえ恋しい人とは結ばれず、桃太郎は失恋で人道を踏み外しかけました。しかしそれを乗り越えた先こそが、人生。たとえ明日が見えなくても、「日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ」。そして「身に着けたものは一生の宝となるもの」。その先に、ひなたの道がある。後半になって出てきた虚無蔵のセリフこそがこの作品の根幹を示し、そして誰しもに用意されたひなたの道へのしるべだったように思います。
そしてラストシーンは2025年。マスクがなくても暮らせる生活になっていればいいな、と思いました(『おかえりモネ』最終回でもコロナ終結が示唆されていましたし)。そして現金しか扱えない店があってもいいよね、なんて。





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