『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』
タイトルが少し意味不明でもったいないなとは思いますが、辞書作りをしている父親の新語研究にひっかけているのかもしれません。 登場人物のキャラクターは皆シンプルで展開も淡々としていますが、それがいい。それをきちんと「見せられる」俳優陣がいい。ヨガインストラクター役の上野樹里は体の線をあらわにするウェアでも色気を感じさせず、といって禁欲的にもすぎず、恋に落ちた後は自然ににじみでるかわいらしさを繊細に表現しています。そして優柔不断な男を演じさせたら右に出る者はいない、田中圭。シングルファーザーであるがゆえに杏花へ惹かれつつ一歩踏み出せない、言いたいことを吞み込んでしまう時の表情が心に沁みます。年下男の颯は当て馬なのかもしれませんが、暗い過去を背負いながらも無邪気にふるまう磯村勇斗もハマり役に思います。 一方父親の方は、婚活パーティで出会った整形外科医と何かしら起きる予感。年齢を重ねているだけにふたりが関係を深めるにはまだ少し時間がかかりそうですが、こちらもゆっくり見守りたいと思います。 劇的な事件が起きるわけでもなく、それぞれ人生の岐路に立った人びとが自分や家族や未来や恋心に向き合っていく、丁寧な作りの印象です。落ち着いて観られるこんなドラマも季節に一本はあって良い。 『ナンバMG5』 ヤンキーものといえば『今日から俺は!!』の印象がまだまだ強いので、似たような感じなのかと思いきや、あちらは高校でヤンキーデビュー、こちらは高校で一般学生デビューという逆のアプローチでした。 28歳の間宮祥太郎ですが、特攻服から「シャバイ」学生姿まで違和感なく高校生になりきっています。コメディもお手の物。ヤンキー一家を演じる宇梶剛士・鈴木紗理奈・満島真之介という濃ゆ~い家族のキャスティングも絶妙です。 『今日俺』の理子ちゃんも正統派ヒロインではない腹黒キャラでしたが、藤田さんもなかなかクセモノ。ただの気が強くて空気の読めない女の子かと思いきや、その本棚にはゴルゴ13やミナミの帝王といった女子高生らしからぬラインアップが並んでいたり、絵がド下手だったり、「ブス」と言われるとヒステリックに反論したり、ヒロインというよりコメディエンヌな役回りです。 唯一正統派キャラと言えるのがイケメン一匹狼の伍代。神尾楓珠がハマっています。いったいどう絡んでいくのだろうと思っていたら、窮地に陥った剛を救いに特攻服姿で登場した際にはゾクゾクしました。(ここまでは)唯一二重生活の秘密を知る仲間ですが、互いの家を訪問し友情を深めていく過程はほのぼのして良かったです。 『今日俺』と異なり、剛は二重生活という大きな秘密を抱えています。好きな人や家族にも嘘をついているという負い目はずっとついて回りますし、いつかはそれを明かすことになるのでしょうが、そこがクライマックスなのでしょうかね。 現実では迷惑な存在でしかないヤンキーですが、漫画なら気楽に楽しめます。 PR |
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