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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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生まれつきの遺伝子疾患のため、人とは違う外見をしているオギー。10歳ではじめて通い始めた学校で、彼は人と出会い、人の心と出会い、そして自分の心とも向き合うことになります。
あらすじだけで「泣ける」お話であることは容易に想像がつくのですが、この作品の素晴らしいところは、決してありがちなお涙頂戴や綺麗ごとでに終始しているお話ではないことです。
主人公はオギーですが、物語の視点は姉のヴィア、姉の友人のミランダ、そしてオギーの友人ジャックと展開していきます。ミランダなどは一見オギーとの関係性は薄く思えるのですが、彼女がヴィアに与えた影響がオギーに及んでいることを考えれば、決して人と人との縁は両者のみで成り立つものではないということがわかります。そしてミランダもまた、ヴィアを通じて繋がったオギーによってその生き方は変わっていくのです。
オギーが外の世界ではじめてできた友人のジャックも、生まれた時から一緒にいるヴィアも同じです。彼らも互いに影響を及ぼし合って、人は生きていくのです。
「普通」と違うオギーに対するクラスメイトの反応はさまざまです。案内役に気のりのしない男の子、世話焼きぶる女の子。クラスを仕切っているいじめっ子のお坊ちゃんは、取り巻きとともにオギーに酷い言葉を浴びせます。容赦ない他人からの悪意に傷つき悲しむオギー。しかし家族に支えられ通い続けていくうち、頭が良くて機転がきいてユーモアもあるという彼の魅力に気づき始めたクラスメイトたちは、次第に彼のもとへ集まっていきます。
子どもたちの行動は大人よりも素直です。大人が振りかざす正論は彼らの世界には通用しませんし、そもそもこの作品にそのような言葉は出てきません。だからこそオギーが受け入れられていく流れは自然でしたし、いじめっ子が最後に流した涙からも、オギーと彼の周りの変化にうまく溶け込めなかった彼の複雑な感情が伝わってきました。
子どもでも、大人でも、変わることには勇気がいります。
学校へ通うことにしたオギーも、彼を送り出した家族も、ヴィアとの仲直りのきっかけを作ったミランダも、オギーに謝罪したジャックも、皆、それぞれの勇気で未来へ踏み出しました。
大切なのは、いつでもその最初の一歩なのだと思います。






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・淵に立つ:★★★★☆

カンヌで賞を獲ったみたいですが、確かにカンヌで好かれそうな映画ですね。松本人志監督の「大日本人」は同じカンヌのある視点部門に出品してイマイチで賞もとれませんでしたが、この映画とは確かに作りが真逆ですね。

家族を含め、人間というものは、起きたことをありのまま説明してくれるとは限らないし、自分の感情を他人に本音で話してくれるとも限らないから、人間なんかわからないよということを暗いトーンで延々と描いているだけの映画です。説明的な描写やセリフがほとんどなく、中盤のある事件の真相や登場人物の過去も結局謎のままです。なのでストーリーには感動もなければ衝撃もありません。

そういう映画を作りたいという監督の信念は十二分に理解できますし、細かい演出や俳優陣の演技も含めて良い映画なのは間違いないんですが、もうちょっと一般大衆を楽しませることも考えてくれたらいいんですけどね。「大日本人」は、他者にどう観られるかを意識して作っていますからね。作家性の強いのは当然前者で、そういう映画がカンヌでは評価されるのでしょう。

・ザ・ギフト:★★★☆☆

贈り物は難しいですね。大人になって、物をあげるより、物をもらう方が対応が難しいことだとわかりました。もらって本当に嬉しかったものなんてほとんどないですからね。

なのでこの映画はいい着眼点だなあと思って観ましたが、どうも思っていたような話ではなかったですね。いい人と思っていたら実は悪い奴で、やばい奴と思っていたたら実は良い奴みたいな意外性を楽しむ映画ですね。その観点からだと、よくまとまった佳作だなと思います。

傑作にならない理由は、ラストの衝撃がいまいちだからですね。真実をぼかすのは問題ないんですが、いやいやお前はもっと酷いことをされただろ、なんだこのしょうもない復讐はと思いましたね。そもそも主人公夫婦の関係は破綻していますし、離婚したら親権はどうせ母だろうから、父は子どもとはあまり会えないでしょう。そう考えるとダメージが少ないですね。

・アンフレンデッド ダークウェブ:★★☆☆☆

「アンフレンデッド」の続編なんでしょうが、登場人物もストーリーもテーマも異なるうえに、そもそもタイトルと内容が一致しないんですね。前作の「アンフレンデッド」が低予算でヒットしたので、無理矢理続編として作った映画なんでしょう。この点ですでにあまりこの映画が良くないことが想像できます。そして、想像通りの作品です。まあ、さすがにこれはヒットしなかったでしょうね。

ダークウェブにいる「カロン」とかいう殺人集団のメンバーが全知全能の神揃いで、もはや国でも支配できそうなレベルなのに、実はこれはただの殺人ショーだったというところがまず納得できないですし、わざと盗みやすいようにパソコンを置き忘れ、たまたま持って帰った主人公が殺人ゲームのターゲットになったとかいうのも強引すぎですね。このプロットでは話に奥行きがでません。

ただ、この映画は最初パソコン画面はごちゃごちゃしてるし登場人物はたくさん出るし何がなんだかわからなくて、というか映像はパソコン画面のみなのでもはや誰がしゃべっているかもよくわからなくて、ストーリーがなかなか掴めないところは、逆に集中力が高まって緊張感があってよかったです。中盤から終盤はそれなりに楽しめました。

・裏切りのサーカス:★★★☆☆

登場人物はスパイとはいえおっさんばかりですし、スパイ映画といってもミッションインポッシブルのような派手なアクションシーンもなく、ストーリーもあまり起伏もなく、「もぐら」も明らかにこいつだという奴なのでラストのどんでん返しもなく、かなり地味な映画ですね。

ベネチア映画祭金獅子賞を獲っているだけあって細かいところまでこだわった完成度の高い映画なのはわかりますが、面白いか面白くないかと言われればそんなに面白くないですね。先日観たアンフレンデッド何ちゃらは明らかにB級映画ですが、むしろこっちの方が観ていて面白かったので、結局点数が同じになっちゃいますね。たぶん道中のハラハラドキドキやラストのカタルシスではなくて、画面や音楽や細かい演出などから、東西冷戦の時代のイギリスという陰鬱な世界観やスパイのおっさん達の孤独感や悲哀を味わって楽しむべきなんでしょうね。

ただ、もうちょっと面白くできたと思うんですけどね。ベネチア映画祭金獅子賞を獲っている映画に僕が言うのもおこがましいのですが、脚本がイマイチなような気がしますね。

・ジェーンドゥの解剖:★★☆☆☆

この監督は「トロール・ハンター」の監督ですね。一風変わった映画なので覚えていますが、僕は面白くなかったです。この映画もイマイチでしたね。世間の評価はそんなに悪くはないので、相性でしょうかね。

特にラストが好きじゃないですね。この親子は謎に包まれていたジェーンドゥの正体をきちんと解明しているのに、それでも死んでしまうのは納得いかないです。2人共悪人でもないですしね。ジェーン・ドゥは実はかわいそうな過去を持つ女性で、それを理解した父と心が通じ合ったみたいなシーンもありましたけど、結局は親子皆殺しにしますから、ジェーンドゥにも感情移入できなかったです。

唯一褒めるところは、ジェーンドゥがしゃべったり襲い掛かったりしないところですね。それをしちゃうともっと安っぽいB級映画になったでしょう。実は生きているということが判明しても、じっと寝てましたからね。エンディングでちょっと動いたから、動けないわけでもなさそうですし。

・ヒトラーの忘れもの:★★★★☆

最初はドイツ憎しの感情で一杯だった鬼軍曹が、敵国のドイツの少年兵達と個の交流をしていくうちに、段々と少年兵達に赦しの感情が生まれるというベタなストーリーです。戦争が終わってもそこに残る地雷を題材にしていることから、戦争は終わった跡もいつまでも傷跡を残すよということも言いたいんでしょうね。よくあるヒットラーの映画のように、ナチス=絶対悪みたいな描き方でないところは良かったです。

ただ、この監督は、人物の性格や心情の描写はよくまとまっているんですが、本当に必要な部分しか描写していないので、あまりにもストーリーが淡々としすぎていたことと、最後まで観ても過半数の少年兵達の見分けがつかなかったことから、少年兵側に感情移入がしづらく、感動とかそういうのはなかったですね。ラストも、いやこれはどう考えてもフィクションやろとしか思わなかったですから。

まあ、地雷処理の場面は緊張感がありますし、こんな地味な映画を、戦争映画嫌いの僕が退屈せずに観ることができましたから、世間の評価が高いのは納得です。タイトルは何とかしてほしいですけどね。かわいらしすぎますね。「忘れもの」の「もの」がひらがななのはいくら何でもやりすぎでしょう。この映画はかなり硬派ですから。

・スポットライト 世紀のスクープ:★★★☆☆

前回観た「ヒトラーの忘れもの」も硬派な映画ですが、この映画はそれ以上ですね。娯楽性はゼロです。ただアカデミー脚本賞なだけあって完成度は非常に高いです。淡々としたストーリーで過激なシーンもないのに、眠たくなったり飽きたりすることはないですからね。登場人物も実話を基にしているだけあって、リアリティがあります。机周りや服装や家での様子など細かい描写で人物像がだいたいわかりますし。特にロビーはいいですね。こういう上司の下で働きたいものです。

ただ、もうこれは僕自身の問題なんですが、僕はカトリックでもないですしジャーナリストでもないので、この映画の題材についてほとんど知識や思いがないから、刺さらないんですよ。本来なら神父の虐待やそれを隠蔽する協会に憤るべきなんでしょうが、神父だって人間なのに、宗教のせいで禁欲生活を強いられるから、そりゃほとんどの奴は性的に倒錯するだろうなと変に納得してしまいますからね。

いくら家庭環境が複雑で、子どもとはいえ、神父と名乗るただのおっさんにそこまで傾倒するのも何だかなあと思いますし。僕も幼少期はスラム街みたいなところに住んでいましたが、神だの仏だのは人の心の中にある概念的なものであり、実体がないから、神父だの教祖だの実体のある人間を崇めるのはおかしいと思っていましたから。まあ、これはもう日本で育ってしまった以上どうしようもない価値観ですね。

・スポットライト 世紀のスクープ:★★☆☆☆

決して面白くないことはないんですが、評価としては低くつけざるをえない映画ですね。とにかくストーリーが雑で、説明不足なうえに、展開は呪いネタらしくご都合主義です。あのとってつけたようなラストもダメですね。

僕は陰キャなので、キラキラ女子のローラよりは、陰キャの王ともいうべき存在であるマリーナに感情移入をしたいところですが、マリーナが孤独だったのはわかりますがその孤独を極度に恐れるところが人物描写が浅すぎてよくわかりませんでしたし、ローラを孤独にするために友達を殺していくとかそこまで激しいやり方を選ぶのもよくわかりませんね。昔いじめられていた男子2人への復讐ならまだわかるんですが、ローラやローラの友人にはそこまで酷いことはされていないと思います。なのでイマイチ感情移入できませんでした。

ホラーとしては、それなりに怖いと思いますが、しょせんは「ワッ」と急に何か出てきて驚かす形ですから、こういうのをいくつも観てきている僕はまったく怖くありません。虫やスプラッター描写も平気ですし。やはり僕が怖いのは「スケルトンキー」みたいな、ラストで「あっそういうことか!」となる、考えたら怖いみたいなやつですね。


ディズニーアニメも劇団四季も観たことありませんが、「魔法で野獣にされてしまった王子が美女ベルとの間に芽生えた真実の愛の力でもとに戻るお話」であることはなぜかずっと以前から知っていました。おとぎ話にあこがれる年頃の心をくすぐる設定だからでしょう。
CG技術が長けてきた現代だからこそ制作できる実写化。野獣の不気味さも、家財道具に変えられた召使たちの愛らしい動きも実にナチュラルで、何よりアニメを観ていなくても知っているダンスシーンの黄色いドレスのベルの美しさは童話のお姫様が現実世界に飛び出してきたかのようでした。ベルは誰でも知っていて誰もの心に息づいているキャラクターです。説得力がなければ批判必至の役柄を演じ、歌い切ったエマ・ワトソンの堂々たる姿にはさすがのキャリアを感じました。
そして『美女と野獣』といえば、新井理恵の漫画『×-ペケ-』です(私だけか…)。
「君のおかげで元に戻れたんだ!」と喜ぶイケメン王子に、美女は「あたし顔のいい男って嫌いなの」「なんか信用できないのよね」「興ざめだわ」とつれなく、「おいおいちょっと待てー!」と叫ぶ王子には目もくれず去っていくのです。美女、まさかの野獣専だった——という三コマ落ち。
そう、このイメージがあったからこそ、野獣から戻った王子が『ロード・オブ・ザ・リング』の頃のオーランド・ブルームのようなTHE王子様であったならそれこそ興ざめでした。「今ホッとしたろ? (ピー)な顔でなくてホッとしたろ!?」というゲスな思いが湧き出てくるからです。
が、この作品の王子様は若干野獣感があって、そこは良かったです。もちろんこの王子様は他の童話のようなお姫様を救う役柄ではなく、もともと自分が傲慢だったがために野獣にさせられた過去を持っていますから、その孤独と悲しみを背負って生きてきた陰が刻みこまれていなければなりませんが、少し憂いのある顔立ちが野獣にピッタリでした。
アニメーションに思い入れのあるファンからすれば、いろいろ感じるところは違ってくるのだろうと思いますが、美女と野獣をはじめて鑑賞した身からすれば、この作品はしあわせな気持ちでハッピーエンドを迎えられる実にディズニーらしい作品でした。ゲイの人間が出てきたり、ベルがアクティブだったりするところは現代的ですが、そこもまた現代のディズニーらしい部分でもありました。
歌の部分は前半少し冗長に感じましたが、お話が佳境に入ってからは気持ちを盛り上がらせてくれました。召使たちが歌い踊る賑やかな食卓は楽しく、ダンスシーンはうっとりするほど美しかったです。
たまには夢の世界に思う存分ひたるのも、いいものです。









警察が絶対的善でないことは、過去の数々の報道からもあきらかですし、フィクションの世界でもあたりまえに描かれるようになっています。しかしこの作品は、実話をもとにしているだけあって、迫力が違います。もちろん、ベースは実話でもあくまでフィクションですから、多少きれいに描いているのだろうとは思います。しかし白石和彌監督らしいスピード感ある展開には惹きこまれました。
体重を10キロ落として史上最悪の警察官役に挑んだ綾野剛。『MOTHER』の虐待ゲス野郎で全視聴者の反感を買うも『カーネーション』の周防さんで一気に全視聴者を魅了するという振り幅の大きな俳優ですが、この物語では正義感の強い警察官が裏社会に馴染むうち徐々に「悪」に染まっていき、やがて破滅を迎えるという、2時間弱でさまざまな綾野剛を堪能できる一作にもなっています。
柔道一直線で、柔道部を勝たせるため道警にスカウトされた諸星。警察官になった理由を問われても紋切り型の答えしかできない彼は、いわば真っ白の画用紙でした。警察の中で、どんな色にも染まれる可能性を持っている彼に目をつけたのが同僚の村井。煮ても焼いても食えないキャラクターはピエール瀧にぴったりの役柄ともいえます。そんな村井をハメたのがヤクザの黒岩。やがて諸星の「S」となる人物です。いつか裏切るのではないかと疑いながらもいつの間にか諸星同様心を許してしまっている、底の見えない不思議な魅力を、中村獅童は登場した瞬間から放っていました。
彼ら演技派に決して見劣りしなかった俳優が本業でなかった「S」ふたり、YOUNG DAISとデニスも意外な好演でした(前者は『闇金ウシジマくんザ・ファイナル』で鰐戸二郎役で観ていたのですが気づかなかった)。デニスも途中からデニス植野であることをまったく意識しなくなりました。ふたりとも器用なのでしょうね。
警察は一般人よりは死に近い場所にいますが、他人の死とみずからのそれはまったく異なるものです。イケイケで突っ走ってきた諸星がはじめてみずからの死を意識した瞬間、それは日本一の警察官を目指していちもくさんに昇ってきた梯子をはずされた瞬間でした。目標も信頼も何もかも失って、諸星は真っ逆さまに転落していきます。地に、それより深く暗い沼の底に。
白い衣装と透明なペットボトルとは裏腹に、闇をさまよう、冒頭とはあまりにも異なる諸星の姿でした。
「悪い奴ら」――諸星とその「S」たち。確かに彼らは悪事に手を染めました。
しかし、本当に悪い奴らは誰なのか。
諸星の悪事を知っていて黙認し、あまつさえ利用しようとしたのは誰なのか。
田辺と岸谷の自殺を、「本当に自殺だったのか」と疑わざるをえない土壌を作ったのは誰なのか。
「日本で一番悪い奴ら」は、むしろ、この映画には出てこなかった「顔の見えない誰か」たちなのかもしれません。









「いやー、騙された!」
と、鑑賞後にぽんと膝を叩いて笑ってしまう、それがこの作品のいいところ。
ダー子が恋に熱吹く安っぽい女になりさがるなんて、絶対あっちゃいけないわけですから、ジェシーは「一緒に騙しているつもりで、実は騙されているのだろう」とは予想していたものの、さすが映画です! ドラマ版でも騙しのテクニックはテレビ画面におさまらないスケール感でしたが、これは圧巻でした。
とはいえ、合間のプリンセス編CMでちょいちょいラン・リウ(竹内結子)の姿が出てきたので、あまり考えないようにはしていたものの、あれ気づかれてもおかしくないですね。
この作品のキーマンは、なんといっても長澤まさみです。ダー子の行動・言動は、最初から最後まで嘘なわけです。ボクちゃんはもちろんのこと、ずっと歳上のリチャードや五十嵐もダー子の掌の上、ヤクザの赤星すらも手玉に取って何億も騙し取ってしまうおそろしい女です。それでも天真爛漫に詐欺に邁進するダー子から目が離せない。作品内の人物を好きになるきっかけは、その内面に共鳴することから始まるはずなのですが、本心がどこにあるのかすべてを煙に巻いてしまっているのに、ダー子は実に魅力的です。ダー子のことは何も知らなくていい。ただ騙すさまを見ていたい。騙されていたい。美貌も色気もすべて取り去ってダー子になりきる長澤まさみに、こちらもすっかり騙されてしまっているようです。
赤星とダー子の因縁はまだまだ続きそうですが、江口洋介は毎回痛快に騙されてくれますね。主要キャストにはない色気がたっぷりで、この作品にいいスパイスを与えてくれます。そして目の保養といえば、この映画から登場したジェシーも、恋愛詐欺師らしい立ち居振る舞い。三浦春馬は最近『TWO WEEKS』で沈痛な表情ばかり観ていたので、くしゃっとした笑顔とのギャップには一発ノックアウトでした。騙され後の周章狼狽ぶりも良かったです。

…だからこそ。
悲しくて悲しくて、仕方ありません。
はじめて目にした時から素敵な俳優だと思っていたし、年齢を重ねてもその魅力は増すばかりで、これからもきっといろんな役柄でこちらを魅了してくれるのだろうと信じていました。
見た目はもちろんあらゆる才能を持って生まれて、ただそこにいるだけで自分だけでなくこの世のすべてをキラキラ輝かせていたような人でも、誰にも何にも救われない悩み苦しみのあまりにその決断から逃れられなかったということが、ただただ悲しいのです。
どんな人でも人は孤独で悲しい生き物だということを、あらためて思い知らされたようで。
彼がこの世にいくつも残していったキラキラを見るたび、そのことに思い至らないわけにはいきません。
苦しみながら生きること、その理由を探し続けること。
彼が最後に残していったものは、すべての人に平等に与えられたその命題なのかもしれません。






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