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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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今年は5時起きで出発…。
その甲斐あって、行列1列目を獲得。

今年は有名どころ(「螺鈿紫檀五絃琵琶」「平螺鈿背八角鏡」など)が東京に出張中ですが、「鳥毛立女屏風」6枚が一堂に会しました。20年ぶりですから自分ははじめてです。
単眼鏡を忘れなかったこともあり、「紅牙撥鏤尺」「緑牙撥鏤尺」の繊細な柄をじっくり眺められたのはよかったです。すっかり魅せられて、帰りには赤い手ぬぐいを買ってしまいました。
「金銀平文琴」「粉地彩絵八角几」も見惚れてしまう美しさ。いっぽう「衲御礼履」や「紺玉帯残欠」はやっぱりカワイイ。
修学旅行生がなだれこんだ時にはぎくっとしましたが、サッサと進んでいったので、最後までゆっくり鑑賞することができました。興味ないのに連れてこられるんだよね、気持ちわかるわ…。

博物館を出て近鉄奈良駅方向に少し歩くと、登大路園地でシェフェスタというフードイベントが行われていましたが、まだ時間が早いので素通りし、ひさしぶりにならまち付近を散歩することにしました。
懐かしい東向き商店街のお店もずいぶん様変わりしています。
最近奈良はカフェの街にもなりました。

ウロウロ歩きながらランチするお店を探してならまち方面へ。
開店少し前、行列のできているお店を見つけたので並んでみました。
《Cafe TANNNE》
限定の言葉につられてステーキランチを注文。



ここも私が住んでいた頃にはなかったカフェですね。
スイーツもおいしそうですが、お腹いっぱいで断念。

駅に向かって歩く間も、見慣れないお店がたくさん。
パン屋さんを多く見かけました。
甘いモノ我慢したので、買って帰ればよかったな。

いつまでたっても涼しくならなかったけれど、
正倉院展の頃には、奈良はきちんと秋になります。




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新しいレンジ。

「新しいレンジがほしいな~こわれてくれんかいな~」と思っていた我が家の平成元年(89年)製の電子レンジ。

令和元年、ついに壊れました。

いつもどおりチンしていたら突然、

ボン!!!

という音ともに焦げ臭い異臭が…。
「これはヤバイ!」と即コードを引っこ抜き、その週末、電気店に走りました。

電子レンジのない数日間、文明の利器のありがたさをどれだけ感じたことか…。
夫が飲み会の金曜の夜、「ご飯作るのめんどくさいな~」とコンビニに寄り、手に取ったのはパスタ。レジの人にはもちろん「あたためますか?」と訊かれましたが、いつものように「いりません」と答え、店を出て歩くこと数秒後。
(;´༎ຶД༎ຶ`)…レンジなかった…。
ええ、湯煎しましたとも。

そして手に入れたのは、念願のオーブンレンジ!
揚げ物も蒸し物も焼き物も全部できるヤツ!!
増税前で宅配に何日もかかるため、その場でお持ち帰りしました。
設置してみると思いのほか大きくて狭いキッチンがさらに手狭になったうえ、白色が売り切れで赤しかなかったのが残念ですが…。

オーブンを手に入れたら、絶対に作ってみたいものがありました。

それは、「焼きりんご」。

幼い頃に読んだ外国の童話によく登場していました。りんごを丸ごと焼く? なにそれ美味しそう! シナモンという響きも何やら優雅な感じ! どんな味がするんだろう?
読んでいるだけで口につばが湧いてきます。母親に「作って作って!」とせがんだものの、我が家のオーブンはその時壊れていて使えませんでした。なくても困らないため買い替えることもありませんでした。
それから、焼きりんごはずーっと私のあこがれでした。

説明書に付いていたレシピに「焼きりんご」の文字を見た瞬間、当時のことがよみがえり、さっそく焼いてみました。

あいにくシナモンは家にありませんでしたが、レシピどおりにスイッチを押すと、焼き時間「60分」とな。そんなに焼いて黒焦げになったりしないのだろうか?
心配でちょくちょく見に行くも、庫内が広いせいか黒焦げになる様子もありません。

1時間後、ようやくできあがりました。



これ! このシワシワな感じ!

味は…間違ってりんごの切り身を電子レンジにかけたものと大差ないかも…。
でもレンジにかけたりんごが意外においしかったように、これもジュワッと甘ずっぱさが広がります。バターと砂糖をレシピより控えめにしたのであまりスイーツ感はなかったのですが、バニラアイスと合わせたらもっとおいしいかも。

というわけで、30ウン年越しの夢がかないました。

あとは、「オーブンレンジさえあればもっとマシなご飯作れるから!」という言い訳がもうきかなくなったので、レシピ片手にお料理を(週末だけ)頑張っています。





宴のあとは、いつもロス。

ワールドカップロス。

決勝前は、ニュージーランドを破ったイングランドが、ニュージーランドに敗れた南アフリカよりも有利と見る予想が多くありました。
しかし南アフリカは、その予想を見事にはね返しました。
イングランドは主力選手が開始早々交代する誤算もあったかもしれません。それでも南アフリカのディフェンスは強かった。日本が圧倒された緑の厚い壁は、この日もゴール前に立ちはだかりました。強豪同士、このままノートライもあるかと思いきや、マピンピ・コルビ両選手のトライを決めた時の快足ぶりはまさにいだてんでした。
そして、急遽来日した大統領や、『インビクタス』の主人公のモデルであるフランソワ・ピナール氏らが見守る中、ノーサイドの瞬間がやってきました。
黒人選手ではじめて主将となったコリシキャプテンがエリスカップを掲げ、打ち上げられた花火を背に歓喜する南アフリカチーム。美しい瞬間でした。

この40日間、さまざまな美がありました。
雄々しく猛々しいプレースタイルの世界に、これほど美しい景色が広がっているとは思いませんでした。
いろんなスポーツの国際大会で他国同士の試合を観ることは今までなかったのですが、今回は出場国にかかわらず見いってしまい、すっかり魅せられてしまいました。
選手たちが激しくぶつかり合う瞬間、彼らがこの一瞬のためにどれほどのものを犠牲にしてきたか、テレビ画面からも伝わってくるのです。まるで命を削るように、懸命に、ひたむきに前へ突き進む姿には、胸が震えました。もちろん、日本チームだけではありません。どの国も、どの選手も彼らの背負うもの、これまで積み重ねてきたものがはっきりとした手触りを持って直接感性へ訴えかけてきたのです。

思い返してみれば、ラグビーは戦前から日本に根づいてきた競技でした。かつて学生ラグビーは箱根駅伝や六大学野球よりも人気コンテンツであり、『スクールウォーズ』ブームも神戸製鋼の7連覇も憶えています。
自己犠牲、規律の遵守、真っ向からのぶつかり合い、日本人の感性にこれほどマッチするスポーツもそうそうありません。それがいつの間にか野球やサッカーに押されてマイナースポーツになってしまっていたのは、よく言われているように、ルールが難解なことや日本が弱かったこと、プレー人口が増えないことなどが挙げられています。
しかしひとつめは今回のことで解消されたように思います。中継中、審判がホイッスルを吹くたび実況と解説が理由を説明してくれましたし、わからないまま観ていた私も少しずつ何が原因かわかるようになりました。ふたつめについては今後日本チームがさらにレベルアップできるかによるでしょう。それにはサッカーがJリーグの発足で人気定着したように、プロリーグ化の実現も必要のように思います。みっつめは、前回大会の快進撃で変わるかと思ったのですが、そう変化はなかったようです。私の出身中学は、大阪だからかラグビー部があったのですが(サッカー部はなかった)、全国的にはきっとめずらしい例なのだと思います。しかし今回、にわかファンの急増とともに、ラグビー経験者と手を挙げる人(芸能人など)の多さにも驚きました。人気凋落とはいっても、その根は大地の下でしっかりと張り出していたのだと思います。前回の芽吹きが、今回の結果でさらに幹を太くし、枝を増やしていくことを期待します。

と、真面目なことを思う一方、やましい興味があったことも事実です。
デクラークのボールくるくる回しに萌え、ポラードとファレルのイケメンPG対決に萌え、ペナルティ後選手に説明している審判の英語に「ふっふ~」「なるほど~」とひとりで納得している廣瀬さんに萌え…。
もちろん福岡選手の賢そうな喋り方や笑わないキャラのネタフリを寛容に受け入れている稲垣選手にも萌え…。
そういう楽しみ方もありかなと…。

4年後のパリ大会。日本はどんな陣容になっているのか、その時ラグビー界はどうなっているのか、リアルタイムで観られるのか、さまざま気になることはあるにせよ。
今はしばらく余韻に浸っていようと思います。





勇敢な桜たちの挑戦が終わりました。

ふたたびの奇跡を信じた南アフリカ戦。
しかし、奇跡は起きませんでした。

予選プールでニュージーランド戦をのぞけば1トライしか許さなかった堅固な南アフリカのディフェンスは、この試合も日本のトライへの道筋を徹底的に防いできました。
それでも相手を1トライに抑え、PGで2点差まで追い上げた前半。終了間際に奪われたかに見えたトライは反則により無効となり、「まだツキはある、いけるかも」と脳裏をかすめた淡い期待は、後半早々打ち砕かれることとなりました。
チームの要である田村選手が負傷交代。彼だけでなく、南アフリカの攻撃に耐え抜いていたかに見えた前半で、日本の体力は確実に削ぎ落とされていました。
強豪国を押し返してきたスクラムでは相手の圧力に負け、ラインアウトも奪われるようになり、モールでは何十メートルも押し戻されました。開いていく点差、残り少なくなっていく時間。焦りは規律の乱れを呼び、自分たちのラグビーをまったくできないまま、南アフリカの独壇場を許してしまいました。
この日のプレーヤーオブザマッチは南アフリカのSHデクラークが選ばれました。日本はこの小柄で長髪の選手ひとりにかき乱されたようなものです。いつどんな場面でもボールのあるところには必ず現れ、日本のフォワードを果敢なタックルで止め、ついにはみずからトライも決めてしまう、SHというポジションのにわか仕込みの認識を覆してしまうような選手でした。
ベスト8より上に行くチームには、こんな別格の選手がいるという現実。
そして、強豪国が予選プールでは格下相手に駒を落として戦っていたのに対し、全試合ほぼ同じスタメンを組んできた日本の選手たちの疲労は色濃く、一戦一戦全力で必死に戦ってきたチームの限界を見た気がしました。

結果は、完敗。
それでも、名だたる決勝トーナメント進出国の中に名を連ねた日本の功績が色あせるものではありません。
8年前、はじめて見たワールドカップの中継で、フランスやニュージーランドに完敗していた日本チームのことを思うと、夢のようです。

この一ヶ月と少しは、しあわせな夢を見ているようでした。
満員の観客で埋めつくされた各地のスタジアム。
日本だけでなく出場国すべてに送られた国歌斉唱と大歓声。
台風によりはじめての試合中止という事態にあっても、各国から届いた賛辞の数々。
大会前は盛り上がりの少なさに不安の声が多くありましたが、日本開催は大成功だったように思います。

日本の試合は終わりましたが、大会はもちろんあともう少し続きます。
日本を破った南アフリカ、その強い南アフリカを圧倒した絶対王者のニュージーランド。
エディー・ジョーンズ率いる雪辱を期すイングランド。
予選プール無敗、準々決勝ではフランス相手に1点差で勝利をおさめたウェールズ。
残り3試合となり、超強豪同士のぶつかり合いはますます白熱してきました。
夜はめっきり涼しくなりましたが、スタジアムは熱く燃え盛りそうです。













アイルランド戦の勝利で、信じることの大切さを理解していながら、それでも心弱くなっていました。

「引き分けでもいい」「負けても7点差以内ならいい」、そんな自分の後ろ向きな考えは、試合が進むにつれていつの間にか一掃されていました。

ただ、勝つのみ。勇敢な桜たちは最後まで勝ちを目指し、駆けました。

日本有利と見られていたサモア戦。しかし始まってみると、絶対に勝たなければいけないサモアのパワーに押し込まれ思うような攻撃ができず、逆に反則を取られる場面が増えました。それでも鍛え上げられた運動量は最後まで衰えることなく、ボーナスポイントをもぎとるまで最後の最後まで戦い抜きました。バックスもモールに入って全員で押し切ろうとした場面はボルテージも最高潮に達し、試合終了の銅鑼が鳴ったことすら聞こえないくらい、スタジアムもテレビの前も大熱狂でした。

3勝0敗。それでも決勝トーナメントが決まらない、複雑なルールのラグビーW杯。プールA最後の試合、相手は奇しくも前回、唯一の敗戦を喫し予選敗退となった相手のスコットランド。どちらも勝つことが大前提。力と力のぶつかり合いが続いた80分の文字どおりの死闘は、台風の災禍と悲しみに見舞われた日本へ大きな勇気と希望をもたらしました。

先制されるも取り返し、日本リードで終えた前半。松島&福岡の両いだてん(フェラーリ)が快足を飛ばせば、ドラマで見たようなオフロードパスでスコットランドの堅固な守備の合間を抜いてフォワードが決める。日本の強さの源である「ONE TEAM」を感じる内容に、「イケる!」と確信した前半でした。
しかし、そこはティア1の意地。スコットランドは後半、選手を入れ替え流れをつかみにきました。戦略は的中し、すぐさま7点差に。そこからは忍耐の時間でした。トライされないことはもちろん反則も犯せない場面で、日本は耐えて耐えて耐え抜きました。最後の最後でボールを奪い取り、そして始まったカウントダウン。一緒になって「5、4、3…」。

そしてその時がやってきました。
歓喜する赤と白、地面に倒れ込む紺のジャージ。
祝福の叫びと万歳と、響き渡る『Rising Sun』そして『馬と鹿』。この選曲は泣く。もう泣くしかない。

歴史が変わった瞬間に、立ち会っているのです。
そう、これは四年に一度じゃない、一生に一度の感動なんだ。

それでも日本チームにとっては通過点のひとつでしかありません。
すでに彼らの目は決勝トーナメント最初の相手、南アフリカに向いています。「ブライトンの奇跡」はすでに過去のこと。もちろん今大会も優勝候補の南アフリカですが、日本を格下ではなく、倒すべき強豪と認めたうえで向かってくるでしょう。
すでに選手たちは満身創痍、負傷交代した選手の状況も気になります。
それでも信じたい。もう後ろを向いてはいられない。信じるしかない。
次の夜もまた、拳を握りしめ歯を食いしばって、テレビの前から信じる力を届けます。





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