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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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勇敢な桜たちの挑戦が終わりました。

ふたたびの奇跡を信じた南アフリカ戦。
しかし、奇跡は起きませんでした。

予選プールでニュージーランド戦をのぞけば1トライしか許さなかった堅固な南アフリカのディフェンスは、この試合も日本のトライへの道筋を徹底的に防いできました。
それでも相手を1トライに抑え、PGで2点差まで追い上げた前半。終了間際に奪われたかに見えたトライは反則により無効となり、「まだツキはある、いけるかも」と脳裏をかすめた淡い期待は、後半早々打ち砕かれることとなりました。
チームの要である田村選手が負傷交代。彼だけでなく、南アフリカの攻撃に耐え抜いていたかに見えた前半で、日本の体力は確実に削ぎ落とされていました。
強豪国を押し返してきたスクラムでは相手の圧力に負け、ラインアウトも奪われるようになり、モールでは何十メートルも押し戻されました。開いていく点差、残り少なくなっていく時間。焦りは規律の乱れを呼び、自分たちのラグビーをまったくできないまま、南アフリカの独壇場を許してしまいました。
この日のプレーヤーオブザマッチは南アフリカのSHデクラークが選ばれました。日本はこの小柄で長髪の選手ひとりにかき乱されたようなものです。いつどんな場面でもボールのあるところには必ず現れ、日本のフォワードを果敢なタックルで止め、ついにはみずからトライも決めてしまう、SHというポジションのにわか仕込みの認識を覆してしまうような選手でした。
ベスト8より上に行くチームには、こんな別格の選手がいるという現実。
そして、強豪国が予選プールでは格下相手に駒を落として戦っていたのに対し、全試合ほぼ同じスタメンを組んできた日本の選手たちの疲労は色濃く、一戦一戦全力で必死に戦ってきたチームの限界を見た気がしました。

結果は、完敗。
それでも、名だたる決勝トーナメント進出国の中に名を連ねた日本の功績が色あせるものではありません。
8年前、はじめて見たワールドカップの中継で、フランスやニュージーランドに完敗していた日本チームのことを思うと、夢のようです。

この一ヶ月と少しは、しあわせな夢を見ているようでした。
満員の観客で埋めつくされた各地のスタジアム。
日本だけでなく出場国すべてに送られた国歌斉唱と大歓声。
台風によりはじめての試合中止という事態にあっても、各国から届いた賛辞の数々。
大会前は盛り上がりの少なさに不安の声が多くありましたが、日本開催は大成功だったように思います。

日本の試合は終わりましたが、大会はもちろんあともう少し続きます。
日本を破った南アフリカ、その強い南アフリカを圧倒した絶対王者のニュージーランド。
エディー・ジョーンズ率いる雪辱を期すイングランド。
予選プール無敗、準々決勝ではフランス相手に1点差で勝利をおさめたウェールズ。
残り3試合となり、超強豪同士のぶつかり合いはますます白熱してきました。
夜はめっきり涼しくなりましたが、スタジアムは熱く燃え盛りそうです。













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