『スカーレット』
人形の踊るオープニング、赤い衣装、関西弁、しっかり者の長女、酒飲みのダメ親父…すべてが『カーネーション』を思わせます。つまり大いに期待、です。 喜美子のキャラも今のところブレがなく、荒木荘の個性的な住人たちも魅力的。いったん退場した信楽の家族や友人は今後出番が増えるのでしょうが、あの自己主張の強い次女がこれからどう舞台をひっかきまわしていくのか、なんとも小憎らしい子役ちゃんの名演技もあって再登場が待ち遠しく思われます。 しかし戸田恵梨香の15歳は確かに無理があるかなあ…。あの時代、しかも川原家のあの窮状では中卒から働かせるしかなかったのでしょうが、18歳でもギリギリです。戸田恵梨香の演技力と大人びた喜美子のキャラで、さして気にはなりませんが。 下宿×イケメンは結ばれる運命(『てっぱん』『ひよっこ』)ですが、溝端淳平が今回のお相手なのでしょうか? 今のところ妹扱いのようですが…。 荒木荘にはまだ空きがあるようですが、新たな下宿人(変わり者)の登場にも期待です。 『俺の話は長い』 30分×2本立てとはめずらしい構成です。生田斗真が口のへらないニートを愛嬌たっぷりに演じています。ヒステリックな長女の小池栄子も、妻に頭の上がらない安田顕も、反抗期の清原果耶もこのコンパクトな構成にかっちりとおさまり、観た後とても気分の良くなるドラマです。 働かないのに屁理屈だけは一人前という、一見イライラして好感の持てないはずの主人公ですが、誰にでもある捨てきれない過去への思いを抱えていて、外の世界へ踏み出せないでいます。自分が社会の落ちこぼれであることを自覚しているからこそ、コアなファンもついていたバンドマンから冴えないサラリーマンに転職したやるせなさを解消しきれない義兄や、登校拒否の理由に口を閉ざす姪の頑なな心にもすんなり入ってきてしまう。 生田斗真独特の陰陽あわせもつ雰囲気も、感情移入させられる理由のひとつです。 軽妙なタッチの中にもオチではじんとさせられる、まるで昭和のホームドラマのような脚本も絶妙。なかなか見がいのあるドラマです。 ただ、原田美枝子が商店街の昔ながらの喫茶店のママにしては、化粧が濃くて美しすぎるような…。ニート息子を放任し、それを娘に責められると従って突き放そうとする、この母親の一貫性のない行動にこそむしろ違和感を抱いてしまうのですが、母親とはこういうものなのかな。 PR |
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