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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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私とツレは同じ大阪の出身ですが、そんな狭いカテゴリーにおいても「どちらの地域がよりガラが悪いか」で揉めごとになります。かたや犯罪発生率、かたやだんじりを持ち出しては「ウチのほうがお上品」と譲りません。それも大阪府外の住人から見れば目ク○鼻○ソの争いに過ぎず、「オオサカ」というだけで、日常会話に「おんどれ」を使うような住人しかいない町、と思われているのでしょう。
「東京」からは歯牙にもかけられないであろうお下品きわまるそんな大阪府民から見ても、なんとなく「東京」が関東圏のカースト制度の上部に君臨していて、「サイタマ」がその下層部にいることはわかります。
そんな埼玉の悲哀を逆手に取った自虐ネタ満載のこの映画。最初から最後まで魔夜峰央テイストのギャグが詰まっています。
『パタリロ』が流行した当時は幼かったこともあってあまりハマらなかったのですが、なぜかクックロビン音頭はみんなで踊っていました。30年以上前の話です。まさか21世紀になって実写化されるとは、しかもパタリロ・ド・マリネール8世を演じられる俳優が現れるとは思ってもいませんでした。加藤諒がいなければ、おそらく実現することはなかったでしょう。
そしてこの『翔んで埼玉』も、もしGACKTという存在がなければ実写化はありえなかったかもしれません。それほど、GACKTは麻実(というか、魔夜峰央独特の耽美な世界観)を体現していました。「高校生には見えんやろ」というツッコミはもはや野暮すぎて、その現実離れしたオーラの前にかき消えてしまいます。
少年役に徹した二階堂ふみは、シリアスもコメディもお手のもの。ムチャクチャな世界観を支える柱をしっかり構築しています。百美役に女優を配したおかげで、麻実とのキスシーンもヤオイ(今はBLというのだろうがあえてこう称したい)の雰囲気を感じさせず、映画に集中することができました(結局GACKT×伊勢谷友介のカップリングが出てくるのだが)。
物語は、百美と麻実が埼玉を救うために活躍する非現実的な世界と、その「都市伝説」をラジオで聴いている現実世界が交差しながら展開していきます。最後の最後で融合するまではあくまで想像の中の世界だったはずなので、埼玉千葉連合軍が都庁前に押しかける場面は、そこも白鵬堂学院よろしくCGにしてほしかったなあというのが率直な感想です。現代の都庁前のロケだと、都市伝説が都市伝説でなくなってしまいます。現実に引き戻された気がして、少し残念でした。
しかしそれ以外は、最初から最後まで一貫して埼玉イジリに徹しており、数多の有名俳優がこのバカバカしい話を大真面目に演じているのも可笑しくて、ラストまで雰囲気を保ったまま、未完の原作を引き継いだと言ってもいい着地点に達しています。娯楽作品としては大満足の一作でした。






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