『ノーサイド・ゲーム』の興奮冷めやらぬ間に始まったラグビーW杯。
開会前からNHKと日テレが情報番組で特集を組み、盛り上げようていましたが、前回のW杯後もラグビー人気がさほど上昇したわけではないこともあり、大丈夫かなとちょっと心配していました。 が、始まってしまえば杞憂にすぎませんでした。 オープニングゲームのロシア戦に勝利したことで、一気に盛り上がりました! スタジアムを埋め尽くす観客! どちらのチームの好プレーにも沸きあがる歓声! 国歌斉唱するマスコットキッズ! スタジアムに響き渡るウォークライ! 海外チームにも波及した試合後のおじぎ! 飛ぶように売れるビール! 日本以外の試合も思わず見入ってしまい(大前さんが実況!)すべてがワクワクです! ロシア戦が始まってわずか5分、ミスからトライを許してしまった時には、正直不安がよぎりました。 メンバーは全員、ガチガチに緊張しているようでした。自国開催とはいえ、その応援が逆にプレッシャーになってしまうのも無理はありません。 しかし松島選手が快足を飛ばして決めたトライから、少しずつ形勢を取り戻していきました。とくに後半、田中・トンプソン両選手のベテランが加入してからはロシアに流れを渡すことなく試合を進め、松島選手のハットトリックで会場のボルテージは最高潮。終わってみれば30-10、4トライでもらえるボーナスポイントもゲットしました。 翌日は南アフリカ-ニュージーランドという大物対決もあり、心はすっかりW杯に奪われてしまいました(野球もアレだったし)。 翌週の日本-アイルランド戦。開会時点での世界ランク1位を相手に、前回大会の南ア戦の再現にならないかな…4トライは許さないように、接戦に持ちこんで…勝つのは無理だろう…という展望を、解説の誰もが口にしていました。 外出先から後半には間に合うよう帰るつもりだったのに、電車を乗り間違えるという痛恨のミス…。 花園から帰るアルゼンチンのユニフォーム姿のファンをかきわけ、正しい電車に乗りつつ追った試合経過は、前半終了時で9-12。おお、希望どおりの接戦! 駅を出てまたのぞくと、16-12。えええーーー逆転してるううーーーー!? 小走りで家に飛び込んであわててテレビをつけると、そこにはアイルランドの突進を果敢に止める選手たちの力強いタックルがありました。 刻々と時計は進み、PGも決めて7点差。終了間際には福岡選手がボールを奪って独走しあわやトライという場面もありました。怪我がなければそのまま決めていたかもしれませんが、むしろ怪我をしている身体でよくそこまで走れたものです。 それは他のメンバーも同じです。開催前に怪我の報道がされていたリーチ主将の勇敢なタックル始め、誰もが強豪アイルランドを相手に80分戦って、疲弊度は想像を絶するものがありました。しかし日本は反則も許されない場面で、アイルランドの攻撃を防ぎ切りました。 80分を過ぎて自陣ゴール前からボールを蹴り出したアイルランド。そのままボールを持ってトライとゴールを決めれば同点です。しかしボールはタッチを割ってノーサイド。「なぜ蹴った?」とつぶやいた解説と同じく、誰もが目を丸くしたに違いありません。 しかしそこは解説の浜畑さん、じゃなかった、廣瀬さんが「アイルランドは確実に1ポイントを取りに行った」と冷静に分析してくれました。もし自陣手前でボールを奪われ日本にトライを決められれば、ボーナスポイントがなくなります。つまり一見相手の判断ミスに思えたそれは、世界ランク上位のアイルランドが、攻めても攻めても守り切る日本に白旗を上げた歴史的瞬間だったのです。 夜の再放送で改めて最初から見ましたが、日本の防御力が本当にすばらしかったです。ぶつかる音が聞こえてきそうなタックルでアイルランドの突破を阻み、8人の力ががっちり組み合ったスクラムではパワー負けませんでした。どころか、押し勝ちました。前半終了前のその場面を勝因とみる向きも多くありました。そしてその気迫とスタミナは、試合終了の瞬間まで衰えることはありませんでした。はじめて見たW杯でフランスを相手に力尽きた日本チームの姿は、もうどこにもありません。 弱者が強者に勝ったのではない。 日本はもう疑いなく、世界の強豪と互角に戦えるチームなのです。 「もう奇跡とは言わせない!」――はい、名言が誕生しました。 とはいえ、グループリーグを勝ち上がるにはまだまだ予断を許しません。南アに勝利しながらスコットランドに敗れ、決勝トーナメントに進めなかった前回大会の例があります。ベスト8ではない、優勝を目標に掲げる日本にとって、サモアに勝ち、そしてスコットランドに雪辱を果たすことは絶対条件。 先は長いですが、まだまだこの祭典を楽しみたいと思います。 PR |
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