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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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24年前。『いちご白書』というドラマではじめて見た安室奈美恵は、かわいいけれどお金持ちのお嬢様役には見えない垢抜けなさで、さしたる印象はありませんでした。
しかしその直後、CMで見かけた彼女に一瞬で惹きつけられました。『愛してマスカット』の一節を歌うパワフルな声、ダンスは、「安室奈美恵」の名前とともに心に強く刻まれました。
『TRY ME』がスマッシュヒットしたのはその2年後のことでした。

とにかく、かっこよかった。
レンタルして録音した『DANCE TRACKS VOL.1』はカセットテープがすり切れるまでリピートしました。テスト勉強しながら踊りました。
VOL.2が出ることはなく、小室ファミリーになってしまった時は「小室め、安室ちゃんに目をつけるなんて! 安室ちゃんの良さが消えちゃう!」と友人たちと憤ったものです。
しかし良さが消えるどころか、出す曲出す曲ミリオン連発、さらにがらりと趣を変えた『SWEET 19 BLUES』は普通の19歳が抱えるもろさや弱さをちらりと見せるもので、あこがれは共感へと変わりました。
そして人気絶頂の中での妊娠、結婚。精神的に未熟な自分には受け入れがたいものもありましたが、復帰ステージとなった紅白での涙でそんな思いも消え去りました。テレビ出演をしなくなってからは頻繁に曲を聴くこともなくなったとはいえ、それでも安室奈美恵はいつ見てもやっぱりかっこよくて、テレビの中も私の思いもあの頃のままでした。

髪にメッシュを入れる勇気はなかった。
バーバリーを買うお金もなかった。
ミニスカートもおそるおそるだった。
アムラーになんて、とうていなれなかった。

それでもステージ上で輝く安室にあこがれ続けた青春でした。

それから二十余年を経ての、引退という潔い決断。
その生きざまは、最後までやっぱりかっこいいままでした。

アムラーになれなかった野暮ったい女子高生は、野暮ったいまま四十路を迎え、ぼんやりとテレビの中のかっこいい安室を見送っている。
青春を彩ったスターがまたひとり思い出の中に閉じ込められる感傷にただ浸り、かっこよくも潔くもないまま日々を消費していくのみ。

やっぱり、アムラーにはなれそうもありません。






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