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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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11/4 ☆☆☆☆H-DB☆☆
手に汗握る延長戦の結末は、サヨナラ勝ちによる日本一でした。
千賀の負傷により、ソフトバンクの先発は東浜。いっぽうDeNAは今永で、2戦目と同じ顔合わせになりました。そして先制したのもやはりソフトバンク。松田のホームランによるものでした。のせてはいけないお祭り男を起こしてしまいました。ホームグラウンドは俄然盛り上がります。
しかし今永は今日も快投。次々三振を奪い、中盤までその1安打に封じます。
5回、DHに抜擢された白崎が価千金の同点ホームラン。今日も輝くラミレスマジック。東浜が連打を許すと、工藤監督はすわ嘉弥真に交代させます。しかしここまで活躍してきた石川がついに打たれ、差は2点に。まさか、本当に最終戦までもつれてしまうのか。
8回、パットンに交代かと思われた今永でしたが、マウンドに上がりました。100球を越えての続投は「生か死か」と表現したラミレス監督らしくなく感じました。後ろに不安があるなら、むしろここは濱口でもいいのではないかと。先に明日のことを考えたのは、ラミレス監督のほうだったのかもしれません。先のことを考えた方が後手に回りがちな短期決戦。そして打たれて交代。砂田は柳田のワンポイントとして仕事を果たしたにもかかわらず、もったいない判断ミスから1点差。きな臭くなってまいりました。
9回表、ビハインドのサファテ。もう四の五の言っていられません。ピシャリという形容がこれほどあてはまる投球もないくらい、ピシャリと抑えて最後の攻撃。内川を迎えてきな臭さは最高潮。やると思いました。やる男です。
10回表、ランナーを出して敬遠までするサファテははじめて見たかもしれません。四の五の言っていられないサファテのアドレナリンの噴出具合は目に見えるようでした。マウンドに立ちはだかるクローザーは『進撃の巨人』の冒頭かと錯覚するくらいの絶望感。どうやって3イニングもモチベーションを保つことができたのか、11回を投げ終えてサファテはベンチに戻りがてら両手を上げて観客に盛り上がりをうながしました。
DeNAがハマスタを青一色に染め上げたのと同じように、まさにそれはソフトバンクを後押しする大声援。延長は15回まであるはずですが、もうその瞬間が待ち切れないヤフオクドームでした。
続投のエスコバーが空気に呑まれたかのように連続四球を与えると、代わった三上はサードゴロ。ゲッツーでチェンジのはずでした。わずかに送球がそれ、一塁セーフに。しかしもう代打のいないソフトバンク、川島がそのまま打席に立ちます。右打ちを狙った打球は前進守備のライト前へ。中村は暴走のはずでした。完全にアウトのタイミングだった梶谷の送球は、アンツーカーで大きくバウンド。嶺井の頭上を越えて、試合終了。サファテの魂のこもった3イニングが呼び込んだ、サヨナラ勝ちでした。

大方の予想どおり、ソフトバンクが日本一となりました。
しかし4タテかと思われた1戦目から、DeNAはよく立て直しました。崖っぷちからの連勝は、CSを勝ち抜いた勢いを感じました。6戦目もあわや逆王手の延長戦。ソフトバンクに較べるとまるで貧相な選手層で、よくここまで熱戦を展開してくれたと、感動すら憶えました。この数年でいちばん楽しめた日本シリーズだったかもしれません。
ただ、あくまで接戦であり勝利ではないのです。僅差で逃げ切れるのがソフトバンクの底知れぬ強さ。MVPに選ばれたサファテがセーブ記録を作ったように、ハナ差で勝ち切る強力な控え投手陣、ここぞでミスしない守備力、得点機を見逃さない打撃陣の集中力、それは一朝一夕に越えられるものではないとつくづく感じました。日本一も相手の判断ミス、失投につけこんだからこそ生まれたもの。これこそが、絶対王者の資質なのです。
この牙城を崩すのは並大抵のことではありません。
早くもコーチの引き抜きが報じられ、2018のソフトバンク包囲網は始まっています。
うちんとこの軍も、その一角に食い込めますように…。
いや、食い込まないとつまらない!



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