11/25 ☆☆☆☆H-G
今年の日本シリーズも、ソフトバンクの4勝0敗。予想どおりでした。 とはいえ、ようやく組み替えた巨人打線はいきなり機能したのです。若林・坂本の連続二塁打で初の先制。千賀・石川・ムーアの直球150キロからの和田は、巨人打線からすれば比較的与しやすかったのかもしれません。過去幾度となく対戦経験のある中島が14球粘った場面も、日本シリーズらしく盛り上がりました。ここで打てば、もっと盛り上がったと思いますが。 先制した時は心躍ったものの、せめて3点は取るべきでした。畠がサンチェスなみに好投すればまだしも…。 と、考えている間もなく柳田の2ランで逆転したので、すぐ冷めました。 2回も巨人はチャンスを作りましたが無得点。一方その裏、甲斐の2ランが出てソフトバンクに追加点。すわ、工藤監督は球数50球近くの和田を交代させました。こうなると中島の粘りがむしろ仇となったのかもしれない。そして代わった松本を打てない。敗戦処理のはずが打てない。既視感ある凡退の山でイニングが淡々と消費され、あげく二死一塁から丸の打席で嘉弥真に交代する念の入れよう。 畠以降の投手は無失点で頑張ったのですが…。高橋礼・岩嵜・モイネロの盤石リレーの前には、無抵抗でした。 最終回、コントロールの定まらない森がふたりランナーを出します。田中俊が続けば少し面白い展開となるはずでしたが、狙い打ちするのか四球狙いでいくのか中途半端な打席となった時点で勝負ありでした。代打亀井も内野フライという中途半端な打球に終わり、試合終了。 ソフトバンクの強さを見せつけただけの、日本シリーズでした。 あれだけ下位に差をつけて優勝した巨人がソフトバンクに対して2年連続4勝0敗というこの結果に、セ・リーグとパ・リーグの間には歴然とした実力差が生まれていると騒がれています。 直近の交流戦の結果を見てもパ・リーグの方が勝ち越していますから、実力差自体はあるのかもしれません。 しかし巨人は昨年の交流戦で優勝争いをしていましたし、決して見劣りするチームではありません。この日本シリーズがソフトバンク以外なら、接戦になっていたはずなのです(オリックスファンのB-G予想→2勝4敗・西武ファンのL-G予想→4勝3敗…うん、接戦)。つまりソフトバンクが強すぎるだけで、この日本シリーズがそのままリーグ間の格差を表してはいないと思います。 直近のソフトバンクを倒したのは、大谷というジョーカーを持っていた日ハムと山賊打線だけですが、西武の後塵を拝したことに関しては主力の負傷離脱も原因のひとつでした。今年のソフトバンクは育成して伸びてきた若手の活躍でその原因を取り除くことに成功しています。加えて工藤采配も、今年はシーズン中から短期決戦仕様にシフトするなど年々キレを増しています。つまりどこにも穴がなかったのです。経験豊富なベテランと競争意識高い若手のチームバランスをもっとも理想的な状態に置くことに成功したこのチームに、今後新しい穴が開く望みは薄いように思います。 ソフトバンクという牙城を崩して日本シリーズに出場するということが、どれだけ困難なことか。甲子園より勝ち抜くのが難しいと言われる大阪大会みたいなものです。そして大阪桐蔭に追いつけ追い越せといろんな高校が実力を伸ばしてきたように、パ・リーグの各球団もソフトバンクと対戦することで、投手も打者も経験値を積んでいる部分はあるかもしれません。 本音を言えば、もう勘弁してほしいです。リーグ戦ですから、5回に1回は当たらざるをえません。オリックスが交流戦でノビノビしているのもソフトバンクから解放される喜びゆえです。しかしそんなことを言っていては、いつまでも弱小チームのままです。ソフトバンクに追いつけ追い越せでないといけないのです。セ・リーグも同じです。このままソフトバンク一強が続けば、ファンの気持ちは離れていきます。プロ野球自体の衰退にもつながります。強い者が勝つのは道理。しかし時に起きる番狂わせ、食い下がる相手を振り放つ強者の巧みな技、そういった見せ場がスポーツを盛り上げるのです。 セパの実力差で語るのではなく、ソフトバンクの強さの理由を考察し、いかにプロ野球の面白さを保っていくのか、課題は11球団にあります。来年はよりドラマチックなペナントレースを、そしてポストシーズンを期待します。 PR |
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