●君の名は。:★★★★★
新海誠の作品はデビュー作から観ているので、何よりもこの映画が大ヒットしたことが嬉しいですね。この人の映画は絵、特に背景がいいんですよ。ストーリー運びはイマイチなんですけど。ただ、いつもと同じく男女が離れ離れなんですが、時間軸がずれていて女の子が実は死んでいるという今回の設定が一番良かったと思います。ラストはかなり強引なハッピーエンドでしたが。
●ヴィジット:★★★★☆
シャマランは当たり外れが大きく世間からバカにされていますが、半分は面白いですし、「エアベンダー」を途中で観るのを放棄した僕もこの映画は面白かったです。ジジイとババアの正体については、まあそんなもんかなと思いましたが、床下のババアに追いかけられるシーンや、夜中にババアが裸で暴れるシーンは普通に怖かったし、この人しかできない見せ方です。
●ヤッターマン:★☆☆☆☆
僕はヤッターマンはリアルタイムで観ていました。この映画は割と忠実に再現していると思いますが、アニメは30分ぐらいだから面白いのであって、2時間は辛いですね。一応ドロンジョが1号に恋をするとかアニメにはない設定も入れてきていますが、マイナスにしかなってないですね。ドロンジョの深田恭子が魅力的だということしか言うことはありません。
●カメラを止めるな!:★★★★★
大ヒットしたのも納得の素晴らしい映画なんですが、ストーリーは映画作りのドタバタ劇だけです。構成に工夫があって、序盤にいくつもの違和感を抱かせ、終盤に伏線回収を見せて笑わせるんですが、それだけではこんなに良い作品にはならないです。やっぱり、映画作りのチームワークや、ラストのピラミッドなど、人の温もりをきちんと描いているところがいいんでしょうね。
●アヒルと鴨のコインロッカー:★★★★★
琴美の性格だけムカつきましたが、後は文句なしのいい映画です。最初の本屋を襲うというツカミが謎めいていていいですね。それ以外の、広辞林、おにぎり、パスケースに入っていて一部しか見えない写真など、細かい伏線とその回収も上手いです。椎名達2人の今後を描いていないですが、ほぼ想像ができるところも切ない余韻を残すいいラストだと思います。
●ウインド・リバー:★★☆☆☆
ネイティブアメリカンの暮らしを描くことによって、アメリカの暗部を表現した映画ですね。そのテーマを真正面から描くと面白みのない作品になるので、サスペンスの要素を入れたのでしょうが、ある意味だまし討ちですね。日本人の僕はネイティブアメリカンの立ち位置なんか興味がないですし、サスペンス映画として観たらストーリーはイマイチですし。
●おおかみこどもの雨と雪:★★☆☆☆
この映画の母は、逆ナンした男と獣姦中出しセックスをして年子の姉妹を産み、児童相談所に目をつけられたので田舎に逃げ、若い女だからうるさ方の爺に気に入られ、閉鎖的なムラ社会でも上手に生きていきます。弟が山に行くと、姉の迎えを忘れて学校に連絡もせず弟を探しに行きます。決して出来は悪くない映画ですが、母の見通しが立たない行動にいちいちイラつきますね。
●ザ・マスター:★★☆☆☆
おっさん2人の会話が延々と続くだけの映画です。監督のポール・トーマス・アンダーソンも評価されすぎて変な感じになっちゃいましたね。こんな高尚な純文学のような映画は僕みたいな大衆にはまったく面白くありません。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」あたりが一番良かったですね。まあ、評論家や映画通ぶりたい奴にとってはアピールにうってつけの作品でしょうが。
●アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル:★★★★☆
この映画は母親の描き方が上手いです。愛情があるようにも見えますし、ないようにも見える。カフェで働いている時にテレビに映った娘を見る描写がいいですね。母親役の女優の演技も上手いと思いました。あと、育ちの悪い人間は、いくらスターになっても、結局はしょうもない男を選び、破天荒な生き方をするという、遺伝子には逆らえないことがしみじみと分かりました。
●ソラリス:★☆☆☆☆
僕は原作もソ連の映画も知らないので、単品で評価しますが、こんなチンケなラブストーリーに惑星ソラリスの存在は必要ですかね?シーンに応じて色とか変えて頑張ってますが、神秘性も超越性も何も感じなかったです。主人公が精神科医である必要もないでしょう。偽物のレイアに感情移入できたら少しは感動するんでしょうが、感情描写が浅すぎてそれもできませんでしたし。
・ホビット 思いがけない冒険:★★★★☆
ロード・オブ・ザ・リング3部作が面白くなかったので、どうせこの映画もダメだろと思ってたのですが、予想外に面白かったです。「ロード~」の1作目は仲間の紹介で終わったような映画でしたが、こちらはそれなりに冒険してますね。旅の仲間が、ビルボとガンダルフとトーリン以外のドワーフ達は覚える必要がないからですね。
・ズートピア:★★★★★
主人公のウサギは明るくエネルギッシュで一見善人ですが、実は見た目やイメージでしか物事を判断できないだめな奴です。相棒のキツネは口が悪くネガティブな性格で一見悪人ですが、実は繊細なだけで物事の本質を見抜く力のある奴です。見た目、職業、動物のイメージとは異なる真の性格があるのですが、それが映画のテーマに直結しているのが素晴らしいですね。
・ホビット 竜に奪われた王国:★★☆☆☆
どうして2作目にして変なラブロマンス(三角関係)を入れたんですかね。根幹のストーリーに関係ないし、監督の薄っぺらいサービス精神が見え透いてイラっとします。そして2作目にして気づいたのですが、メインストーリーの進行が遅く、このシリーズはこんな1本1本がくそ長い3部作にする必要がないですね。しかしもうここまできたら3作目を観ないと仕方ないですね。
・ゲット・アウト:★★★☆☆
アカデミー賞をこの手の作品が受賞するのは珍しいので、期待して観たのですが、少し期待外れでした。人種差別を扱ったのが賞レースに有利に働いたんでしょうかね。まず、いくら身体能力が高いとはいえ、白人が黒人になりたがるもんなんでしょうか。催眠術もよくある反則技です。ただ、細かい伏線が色々あるので、観た後に色々な考察サイトを見て楽しむには良い映画です。
・ボーイズドントクライ:★★★★★
僕は心も体も男で性的嗜好もノーマルなので犯人目線で語ると、実はひ弱だから見下していますがいい奴ぶって表面上は対等に付き合っている男友達に、自分の大事な女を譲ったのに、新聞により公明正大な形で差別対象つまり自分より格下となったから、レイプして辱め、警察にバレたら良心の呵責なく殺すんですね。男が潜在的に持つ嫌な部分をすさまじい描写で描いています。
・ヴィレッジ:★★★☆☆
またシャマランですね。この映画はいかにもシャマランらしい世界観ですし、僕の予想のはるか上をいくラストで完全に騙されたのですが、なぜかそんなに面白くなかったですね。女優のせいでしょうがヒロインにあまり魅力を感じなかったのと、真相を知ってしんみりした気分になってしまうからですかね。化け物の正体やラストも、これまたしんみりするものですしね。