芸歴15年を超えてM-1に出られなくなった芸人のための新たな賞レースが創設された、とは聞いていましたが、さほど注目していませんでした(個人的に応援していた磁石が落ちた時点で興味を失った)。
しかも審査員が観客、4時間の長尺、本当にうまくいくのだろうか? と懐疑的な姿勢で視聴開始したものの…。 終わる頃にはすっかりハマってしまいました。 メイン出演者が東野と松本だけだったので審査員やゲストとの無駄な絡みがありませんでしたし、煽りVTRも思ったより短かったし、何よりも漫才中に客席や司会席を映さず舞台に集中していたカメラワークが良かったです。そしてさすがベテラン芸人、6分間もあっという間に感じる演目ばかりでした。 《金属バットvsマシンガンズ》 金属バットはクジ運がないですね…。先攻後攻が入れ替わっていたら、勝ち上がれたかもしれません。金属バット節もウケていましたし。マシンガンズはオンエアバトルやエンタ時代にとても楽しませてもらったので、変わっていない芸風になんだか懐かしくなりました。勢いのおかげか後攻のマシンガンズに軍配が上がりましたが、1試合目から僅差で、大会の盛り上がりを予感させました。 《スピードワゴンvs三四郎》 三四郎の漫才はひさびさに観ました。以前はあまり好きではなかったのですが、ウエストランドを意識したネタを仕込んでいてとても面白くて、見る目が変わりました。スピードワゴンのネタは既視感があったので、辛口評価を受けてしまったのでしょうか。それでも賞レースの審査員までする立場の小沢さんが終了後に流した涙は、漫才に対する情熱を感じました。 《ギャロップvsテンダラー》 まさに関西の実力者同士の関西ダービー! 関西人ならどちらかが消えてしまうのはもったいないと感じざるを得ない組み合わせ! ギャロップは5年前のM-1で失敗してしまいましたが、その後もしっかり地力をつけてきましたし、テンダラーは言うまでもない滑り知らず。ハゲネタはこのご時世敬遠されがちですけれども、以前のように自虐に終わらず、カツラを落とす場面は想像して大笑いしてしまいました。わずかな差はテンダラーのネタが少し下品だったせいですかね。 《超新塾vs囲碁将棋》 超新塾もオンバト時代に大好きだった芸人です。そしてまったく変わっていない…。あの頃は爆笑を取っていたのに、なんだか場になじめないまま6分が終わってしまったように感じました。本格派が続いた後の飛び道具だったからですかね…。少し空気が停滞してしまいましたが、囲碁将棋はさすがの落ち着きでした。最近、囲碁将棋のラジオをよく聴くのですが、あの世界観そのままの捻りのきいたネタでした。 《準決勝:マシンガンズvs三四郎》 マシンガンズのアドリブ力がものを言ったのかなと感じます。ネタなのかアドリブなのか判断つかない喋りで笑いを取りましたが、それもまたベテランならではの技術なのでしょう。三四郎も面白かったですが1本目と同じ質感でしたし、今回は先攻で客席の心をつかんだマシンガンズが有利でした。 《準決勝:囲碁将棋vsギャロップ》 終わってみれば事実上の決勝戦となりました。囲碁将棋らしい捻りのきいた言葉選びのやりとりと、電車あるあると相方いじりで1本目とは違う技術を見せたギャロップ、どちらが勝つのかまったく予想つかないと感じたとおり、得点は同じ284点。しかし規定により、3点をつけた人数が多いギャロップが勝ち上がりとなりました。囲碁将棋に1点をつけた観客はゼロだったのですがね…。ルールですから仕方ないとはいえ、残念でした。4組の中で3本目も見たいと思ったのは囲碁将棋だけでしたから。 《決勝:マシンガンズvsギャロップ》 マシンガンズの「3本用意していない」は本当だったのか…と、そこに笑ってしまいました。苦しそうなのに互いのアドリブで間をつなぎ笑わせることができるのはさすがでしたが、賞レースの決勝では大笑いしても得点はつけられなかったのでしょうね。 一方、ギャロップの3本目は長い振りを振りに振って最後の最後で落とすという、ひとつも噛まずに喋り続ける技術と、「パン!」の間を間違えない自信がなければできないネタでした。3本とも違うテイストを見せたギャロップの貫禄勝ちでした。 劇場にバンバン出まくっていると思っていたので、出番が減っているという発言には驚きましたが、これからどんどん仕事が増えるでしょうし、ギャロップの実力が全国に知れ渡ったこともうれしいです。 全部出しきって楽しそうなマシンガンズの笑顔も印象的でした。あのアドリブ力が評価されたらいいなと思います。BSフジの『お笑い成人式』で優勝しても地上波には出てこられませんでしたからね…。 次回は磁石、タイムマシーン3号、プラス・マイナスあたりが勝ち上がってくれたらうれしいです。 PR |
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