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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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現実の階級社会を凝縮したかのような究極の縦構造空間と謎めいたルールの中で繰り広げられる極限のサバイバルを描き、世界的に評判を呼んだスペイン製SFシチュエーション・スリラー。監督は、これが長編デビューとなるガルデル・ガステル=ウルティア。中央に大きな長方形の穴が開いた部屋で目覚めたゴレン。同じフロアには老人が一人いて、ここが48階層だと告げる。穴からのぞくと、上にも下にも階層がどこまでも続いているのが見て取れた。老人はこの建物の中の3つのルールを明かす。1つは階層が1ヵ月ごとに入れ替わること。2つ目は何か一つだけ建物内に持ち込めること。そして3つ目は食事が摂れるのは食べ物を乗せた“プラットフォーム”と呼ばれる巨大な台座が自分のフロアにある間だけというものだったが…。

 自分が観た映画の感想をすべてブログに書こうとして、途中で飽きたり疲れたりしてやめるということを今まで繰り返してきたので、これからはさや氏にぜひ見てほしい、最近観た中で印象に残った映画だけ感想を書くことにします。これもいつまで続くかわかりませんが…。

 この映画はなかなか良かったですね。こういう閉鎖空間でのスリラー作品は、僕はおそらく町内で一番ぐらいのレベルは数を観ているので、そんな僕がいいというならいいんでしょう。上の作品紹介に書いてあるこの映画のシステムがとにかく秀逸です。毎日、1階から順番に、「プラットフォーム」という食べ物が乗ったテーブルが下りていくので、1階の収容者から順番にテーブルの食べ物を食べることができます。この建物に入る前に、それぞれ自分の一番好きな食べ物を聞かれ、その食べ物は毎回必ずテーブルにあるので、みんなが自分が申告した食べ物だけを食べれば、全員に食べ物が行き渡るようになっています。この、「全員生きられるようにしているんだから、もし生きられない場合はお前らが悪いじゃないか。」と言いたいであろう建物の管理者の詭弁がよく出来すぎていて、鳥肌が立ちますね。漫画のカイジが「おまえはみんなにカードを切らすことによって偽りの公正感、安心感を演出しただけだっ!」とエスポワール号で船井とかいう狡猾な奴に怒るシーンがありますが、僕もカイジと同じ気持ちです。

 そもそも人間なんてみんな自分さえ良ければいいですし、さらにこの建物は1か月ごとに自分がいる階層が入れ替わり、前月に下の方の階にいた人は、上の方の階にいた人に対して恨みつらみがありますから、「自分が申告した食べ物だけ食べて、全員に食べ物が行き渡るようにする。」なんてことをするわけがありません。テーブルの食べ物を食いちらかし、さらにはテーブルの食べ物に唾を吐いたり排便をしたりする奴もいました。まあ、自分もされてきたことですから、当然でしょう。しかし食わなけりゃ生きていけないので、汚い残飯を食べます。下の方の階はそもそも残飯すらないので、同じ階の住人を殺してその肉を食ったりするのでまさに地獄絵図です。

 まあここまででだいたい想像できるかと思いますが、この映画はとにかく汚かったりグロかったりと、観ていて不快感のあるシーンのオンパレードです。ヤフー映画の評価平均が3.0とイマイチなのは、おそらくこれが原因じゃないかなと思います。しかし、どんなに観察力や理解力がない人でも(僕も人より劣っていますが)、この映画が僕たちが今生きている社会そのものを表現しているのはわかりますし、社会なんて醜いし汚いものだと常々思っている僕は、あまり気にならなかったですね。

 そして、この社会のシステムを壊し、全員が幸せに生きるにはどうしたらいいのか、そもそもそんなことができるのかというのがこの映画の肝になってくるわけです。パンナコッタがキーアイテムになっており、中盤のあるシーンからおそらくこういうことだろうなという解釈ができるのですが、ネタバレになっちゃうとさや氏が観なくなっちゃうので書かないことにします。現実なのか夢なのかぼかしながらも、まあそんなもんだろうなと非常に納得のできるラストだったのは確かですね。
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プロ野球&連ドラ視聴の日々さまざま。
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