フィギュア団体メダルに気を良くした夜はスピードスケート。
なんと今回5種目にエントリーしている高木美帆選手。初戦の5000mは6位入賞でしたが、最も得意な種目が1500m。最終15組で貫禄を見せてくれるか、楽しみにしていました。 しかし12組に滑ったブスト選手がオリンピックレコードをたたき出すという展開に。出番を待つ高木選手にどれだけプレッシャーがかかったか、想像に難くありません。最終滑走にふさわしいタイムでゴールするも、前回の金メダリストには0.44秒及ばず、今回も銀メダルとなりました。 いや、銀メダルだって素晴らしいのです。世界2位です。なのに本人には悔しさしか残っていないようでした。その目には頂点しか見えていなかったのでしょう。オリンピックに完全に調子を合わせて、最高のパフォーマンスを発揮したブスト選手を讃えるしかないようです。銅メダルに0.1秒及ばなかった佐藤選手も惜しかったです。高木菜那選手も接触ありながら8位入賞、日本人選手はしっかり成績を残しました。 連続メダルに良くなっていた気分が、一気に突き落とされたのがその後のジャンプ混合団体でした。 女子ノーマルヒルで表彰台に届かず、「もう自分の出る幕ではないかもしれない」と悲しいコメントを残していた高梨沙羅選手。女子ジャンプが正式競技になってから8年。ヨーロッパ勢が実力を伸ばしてきて、しかも上位選手が次々入れ替わる厳しい世界で、高梨選手はずっと第一線で戦ってきました。そんな選手は彼女だけに思います。オリンピックのメダルには届かなくても、高梨選手の功績が色褪せることは決してないし、そこは誇りに思ってほしいといちファンは思うのです。 だからせめて、混合団体では笑顔で終わってほしいと願っていました。 こんな結末が待っているなんて、思いもしませんでした。 一本目、大ジャンプを見せてカメラの前でニッコリ笑った高梨選手。良かったと胸をなでおろしたのも束の間でした。いきなり「失格」という言葉が出てきて、実況席は混乱。こちらの頭も混乱してしまいました。その後も有力国から失格者が次々出て混乱はさらに加速、もう辛くてテレビの前から離れてしまいました。 どうしてこうなっちゃうんだろう。どうしてオリンピックの女神は、沙羅ちゃんにその手を差し伸べてくれないのだろう。 心の整理がつかないまま見守った2本目。ゴーグル越しにも泣きはらしたことがわかる顔で跳躍し、着地後うずくまって立ち上がれない高梨選手を、いったい誰が責められるというのでしょう。画面越しにもう泣かないでとその背に手を添えたくなりました。 佐藤選手、伊藤選手は彼女の無念を晴らすかのようにしっかりと跳躍し、最後の小林選手がメダルの可能性すら残すほどの大ジャンプで、日本チームは4位で競技を終えました。実質7人で8人のチームに挑んでの4位です。想像を絶する精神状態で2本目を飛んだ高梨選手含め、全員がチームとして戦った証です。戦い抜いた4人に拍手を送りたいです。 内外からいろんな意見が出て、それらを目にして思うところはたくさんあります。今まで知らなかったルールも多くありましたし、ルールがあってこその競技だとも思います。ただ、ルールは競技をフェアに実施するために存在するのであり、そのルールがフェアに適用されていなかったのであれば、もはやそれはルールじゃない。それだけは強く思います。そしてそれに巻き込まれたのがよりにもよって沙羅ちゃんだったこともまた、悔しいし悲しいです。 強く自分を責めている様子ですが、謝る必要なんかない、そのとおりです。でも本人が謝って楽になるのなら謝ればいい、そんな励ましも目にしました。それもそうだと感じ入ります。ただ、沙羅ちゃんが悪いなんて誰も思ってないんだよ。それだけ伝わればいいなと思います。 PR |
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