『愛しい嘘 優しい闇』
原作漫画の無料立ち読み分だけ読んで興味をそそられたのと、キャスティングが魅力的で脚本家も実力者なので間違いはなかろうと思い録画してみました。 中学の同窓会から事件は始まり、どうやら謎の転校生と当時仲間たちが犯した「罪」が絡んでいる様子。ひとりひとりのキャラクター含め、次々に命を落としていくという展開もありがちなのですが、ひっぱり方がうまいのか真相が気になって見入ってしまいます。 転校生の名前は「中野幸」で、字面だけなら女子生徒というミスリードができそうなのに、回想では男子姿で「中野くん」と呼んでいるところからみるに、普通に男子で正解なのでしょうか。 中野くんの正体と、望緒が忘れている(のか、無関係だったのか)罪がいったい何だったのか、今後の展開に期待です。 『妻、小学生になる。』 1話のラストに涙し、原作漫画を少し立ち読みしてみると、スタートから登場した万理華が貴恵の過去のエピソードをまくしたて、数コマにして生まれ変わりという奇跡を圭介と麻衣があっさり受けいれていたので拍子抜けしました。ドラマでは1時間もかけていたのに…。もっとも実際の人間が動いて話して葛藤する展開に感情移入するのがドラマの醍醐味ですから、漫画でそれをされても面白くはないでしょう。さまざまなエピソードを重ねた1時間があったからこそ、ラストの奇跡に感動し、次回も観ようと固く誓えたのです。 陰も陽も演じられる堤真一の、妻と再会する前後の変貌ぶりは当然として、悲しみと喜びの繊細な振り幅を表現する蒔田彩珠にも泣かされました。そして何より、『おちょやん』の好演ぶりも記憶に新しい毎田暖乃の芸達者ぶりときたら。 冒頭の貴恵がステレオタイプな陽キャで、石田ゆり子にしてはずいぶん大袈裟な演技だなと思っていたのですが、あとから暖乃ちゃんが演じるためにわざとそうしていたのだなと納得しました。しかし、それでも実際に10年しか生きていない女の子が、中身=40歳であるように見せるには相当な演技力が必要とされます。脚本や演出、相手俳優の力を借りていたとしても、本当に圭介の妻であり麻衣の母であり友利の姉であるように見えるのですから、驚きしかありません。 「18歳になったら結婚しよう!」と圭介は言いますが、果たしてそんな最終回を迎えることができるのでしょうか…。 そして万理華の母親の存在と、家庭環境も気になるところです。万理華には貴恵でなかった10年間があったわけで、貴恵は麻衣の母であると同時に、千嘉の娘でもあるのです。母娘の関係性をこれからどう解消し、新たに築き上げていくのか。そしていわば貴恵に奪われた万理華の自我。もしかしたら、貴恵は圭介と麻衣のあかるい未来を見届けた後、その身体を千嘉と万理華に返すことになるのでは…と思わないでもありません。 『カムカムエヴィリバディ』(承前) たった1週間(というか5分)にして判明したひなたの父親…。 舞台が京都に移ってからは怒濤の展開。ずっとそばで見ていたとはいえ6歳時の記憶だけで《たちばな》のあんこを再現できるものなのか? という野暮な疑問はあるにせよ、《回転焼き屋大月》を無事開店させ、想像どおりトランペット以外はすべてポンコツのジョーに苦笑いし、昭和レトロから和装にファッションチェンジしたベリー改め一子にも助けられ、幼少期の愛らしさはどこへやら父親そっくりになった吉右衛門ちゃんや「キレの良い」酒屋さんなどご近所さんにもめぐまれ、るいの新しい生活はひなたの道を歩むことになりそうです。 竹村夫妻やトミーが退場して淋しくなるかと思いきや、次々物語が展開するので、淋しがっている暇がありませんでした。 「風間俊介の出演があれで終わりなわけあるまい」と予想していたのに、見事に裏切られました。佐々木希も思えば贅沢な使い方でした。恋愛のいざこざで物語をゴタゴタさせる余裕はないのでしょう。勇やベリーはいわば当て馬ですが、身の引き方も落とし前のつけ方もそれぞれご都合主義にせずきっちり描いていたので、見事な脚本だと思います。 それにしても回転焼きが食べたくて仕方ありません。近所に回転焼き屋も御座候もないので悲しいです。そういえばウチは「回転焼き」でした。夫家は「今川焼き」だったそうです。 PR |
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