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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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本当に始まるの? というくらい、事前報道が少なかったのもむべなるかな。それどころではないという状況も事実ですし、実際にコロナのせいで辞退を余儀なくされた海外選手もいます。それでもチャン・イーモウ監修の美しい開会式を目にしたら、いつもと同じオリンピックの昂揚感がよみがえってきました。
すべてを忘れてテレビの前で熱くなっています。

日本のメダル第1号は今回も男子モーグルでした。平昌では金メダルを期待されながら表彰台に上れなかった堀島選手が、今回は攻めた滑りで銅メダルを獲得。滑り終わった後得点を確認し、うれしいというよりホッとしたような表情を見せたのが印象に残りました。己が成し遂げた喜びより周囲への感謝を口にする謙虚なインタビューに、どれほどのプレッシャーを背負ってこの4年を過ごしてきたのだろうと胸の塞がれるような思いがしました。

そして金メダル1号はスキージャンプ。平昌以降、彗星のように現れ圧倒的な成績を残してきた小林陵侑選手でしたが、その実力は4年を経てもなお健在。予選では4位と余力を残して進出した決勝で、1回目でトップに立つと、2回目も安定した飛距離と着地で金メダルを確信しました。真っ先に飛びついてきたのがお兄さんの潤志郎選手というのもドラマチックな一場面でした。長らくヨーロッパ勢に席巻されてきたジャンプ競技、金メダルはなんと長野以来なのだとか!(というか、あれもう24年前…?)新たな歴史がここに刻まれました。

ペアが実力を上げたことで上位進出が見えていたフィギュア団体。女子SPに登場したのは樋口選手。初のオリンピックに緊張を隠せないコメントを出していましたが、スタートについた時とても良い表情をしていたので少し安心しました。3Aは回避したものの、持ち味の表現力を充分に見せてワリエワ選手に次ぐ2位という好成績。個人戦にも弾みをつけました。
そして驚かされたのが鍵山選手。これまた初めての大舞台とは思えない好演技で、208点台をたたき出しました。男子は個人戦まで日程がないこともあり、若い鍵山選手がFSに抜擢されたのだと思いますが、そのプレッシャーをものともしない強心臓ぶりを見せつけてくれました。
さらに特筆すべきは、りくりゅうペア。唯一3回連続出場となった木原選手ですが、三浦選手も同じくらい落ち着いて見えました。あまり演技を観たことがなかったのですが、投げ技もジャンプも息がぴったりで、ふたりの年齢差を感じさせない相性の良さは本物で、ようやく日本にも世界と戦えるペアが出てきたのだと、ワクワクしてきました。
アイスダンスの小松原カップルのSAYURIの世界も美しかったです。これからもかなだい組との争いによるアイスダンス界の底上げは続いていくでしょう。海外勢と互角に戦えるようになれば、もっともっとフィギュアは盛り上がっていきます。その時が楽しみです。
そしてトリを飾ったのは坂本選手。メダルは確定していたとはいえ、プレッシャーは隠しきれませんでした。それでも、しっかりと滑り切ってワリエワ選手に次ぐ2位を確保(もう《絶望》は仕方ない…)。個人戦ではいつものスピードと迫力を見せてくれると思います。
ROC・アメリカの牙城を崩すのは困難だろうとわかっていましたが、銅メダルも見事な結果です! 全員が「つなぐ」という言葉を口にしていたのが印象に残りました。笑顔あふれるキス&クライも、他国の演技に拍手を送るところも、団体戦ならではのいい風景がたくさん見られて楽しかったです。


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