氷点下の芦ノ湖から、舞台は新春の東京へ。
青学大絶対有利の状況から、どんでん返しは起きるのか。 1秒違いから始まる10位争い、今年のシードを手にするのはどの10校か。 今年も最後まで目が離せません。 《6区》 復路にも強力な布陣を敷いて総合優勝への道筋を描いた青学大。スタートから逃げ切りをはかりますが、高橋選手は濡れた路面のせいか慎重に入ったように見えました。それでも着実なタイムで岸本選手に託します。 2位争いの帝京大・駒澤大は、競り合いながら山を下っていきます。さらには順大も追いついて3校の並走となり、下り終わったところで順大・駒澤大が抜け出しました。監督も合流した残り3キロは4年生同士の意地と意地、そして両監督の檄のぶつかり合い。最後は駒澤大・佃選手に軍配が上がりましたが、区間賞は順大・牧瀬選手の手に渡りました。順位を5位から3位に押し上げる好走でした。 一方、見える敵同士のシード争いは山の中から目まぐるしく順位変動が起こります。13位の法政大・武田選手は1年生ながら積極的に飛ばし、区間2位のタイムでシードまで8秒差に詰めました。9位東洋大とも約20秒差。こちらはまだまだわかりません。 一斉スタートの駿河台大・中央学院大も区間3・5位と健闘しました。襷をつなげるために引き離されるわけにはいかないというチームの執念を感じました。 《7区》 青学大は後ろとの差は保つどころかどんどん離しているものの、盤石すぎて中継が減っていくという…。岸本選手は故障明けとは思えない快走でしたが、青学大は意外やこれが今大会初の区間賞。ここまでの全員が、いかに安定していたかの証明ですね。 駒澤大・白鳥選手は必死に前を追いますが、むしろその敵は2位争いの順大。抜きつ抜かれつ、ほぼ同時に平塚へ。 シード争いも一時は10位に落ちた東洋大に法政大が追いつく展開に。しかしそこは実力校の意地、東洋大が突き放して9位を保って襷リレー。東海大が8位に上がると同時に、國学院大が10位に順位を落とし一転シード争いへ回ることになりました。 《8区》 先頭を一人旅の青学大・佐藤選手は8区の最後に待ち構える遊行寺坂のあたりできつそうな表情を見せるも、しっかり役割を果たし後につなぎました。 駒澤大は怪我明けで出走が危ぶまれていたエース級の鈴木選手がエントリー。しかし、中盤までは競り合っていた順大・津田選手のペースについていくことができません。最後には突き放され、戸塚の映像ではなんと6位まで落ちてしまっていました。津田選手が区間賞を取る一方、鈴木選手は区間18位という大失速。やはりコンディションが万全ではなかったのでしょうか…。 3位に上がってきたのは中央大でした。創価大・東国大もほぼ変わらないタイムで襷リレー。新興校と伝統校が上位を争う様相には、箱根駅伝が新しい時代に入っていることを感じます。 シード争いは早大が11位に上がり、40秒差に迫ってきました。エンジのプライドを守れるか。法政大もほぼ差がありません。 《9区》 青学大もここまで来ればもう万全。中村選手は昨日から連呼されていた「ピクニックラン」という言葉が言いえて妙だと感じる余裕の走り。どんどん差を広げていくどころか、なんと14年前の区間記録を塗り替える圧巻のタイムをたたき出しました。まさにパワフル! 3位を争う3校に続いてスタートした駒澤大・山野選手。中盤で追いつくと、団子から抜け出した中央大を追い上げます。しかし中央大・湯浅選手はその追随を許しません。3位を死守してアンカーへ。 4位駒澤大に続いたのは、なんと5つも順位を上げた國学院大。1年生・平林選手が初の箱根で区間2位と素晴らしい走りを披露しました。 シード争いは創価大・帝京大がそれぞれ9位・10位に落ちる一方、早大を抜いた11位法政大が最終区での逆転を狙います。 鶴見では2校が繰り上げスタートに。初出場の駿河台大はアンカーまで襷をつなぎきりました。走り終わって安堵したようなランナーの笑顔が印象的でした。 《10区》 青学大が見据えるのは、総合優勝だけではありません。目指すはみずからが持つ総合記録の更新。 10区中倉選手も最後まで攻めの姿勢を失いませんでした。9区に続く区間新記録で覇権奪回に花を添えるばかりか、目標どおり総合新記録を樹立させました。今年は復活した胴上げで宙を舞った原監督。昨年はかなり悔しそうだったので、今年は倍にして返してくるだろうと確信していましたが、倍どころか百倍返しでしたね…。マスコミの前での言動はいつもおどけていますが、本当に負けず嫌いな勝負師なのでしょう。毎年メンバーは変わるのに強さを維持させ続けるのは、そんじょそこらの名将ではできません。その笑顔の裏にどんな深謀遠慮を秘めているのか。おそろしいチームになったものです。 2位を守り抜いたのは順大。15年ぶりに強い順大が帰ってきました。復路の上級生が頑張った印象です。 前回王者の意地を見せ、駒澤大が3位に浮上。その駒澤大と最後競り合うまでに順位を上げたのは東洋大。強豪校の存在感を示しました。スーパールーキーの欠場で完全なオーダーは組めなかったかもしれませんが、東洋大が優勝争いにからまない年はなんだか淋しいです。 5位はヴィンセント選手に頼らずとも地力の底上げを感じた東国大。6位中央大は吉居選手が良いスタートを切ったこともあって、10年ぶりのシードを手にしました。続いて創価大・國学院大、9位に上がった帝京大がシードを守りました。 そして今年も残り1キロでドラマが待っていました。10位に滑りこんで最後のシード権を手にしたのは、11位スタートした法政大。抜かれたのは最後に区間19位と失速してしまった東海大でした。 今大会のシード組では早大も13位で予選会に回ることになります。近年守り続けてきたシードを失ってしまった2校の奮起を期待します。 それにしても、青学大のあきれるほどの強さばかりが目立った今年の箱根でした。適切な区間配置と、全員が目論見どおりに役割を果たすという、王者の貫禄すら感じるレース展開でした。 2強と目されていた駒澤大は、2桁順位の区間もあり青学大に追いつくことはできませんでした。しかし最後まで大八木節は健在でした。これがなきゃやっぱり新年を迎えた気がしない! 来年は田澤選手のラストレース。有終の美を飾ってほしいです。 総合19位ながら、ドラマチックな印象を残したのが駿河台大。「楽しかった〜」と爽やかにゴールしたアンカーは、箱根に出始めた頃の青学大を思い出しました。ここから駿河台大の新たな歴史が始まります。また来年、伴走車から徳本監督の檄が聞けることを期待します。 今年も210人が無事にレースを終えられて満足です。 さて、来年はどんな箱根の景色を見られるでしょうか…。 PR |
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