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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『おちょやん』(承前)
鶴亀新喜劇が発足する戦後編が始まりました。
その間、戦時中は福助や百久利が戦死したり、福富の両親が空襲で亡くなったり、寛治が満州に行ってしまったり…と辛いお話が続きました。
劇団という設定上毎回登場人物が多く、これまでヒロインである千代の印象がどうも薄かったのですが、この戦争編では千代がひとり思い悩む場面が多かったため、皮肉にも杉咲花の演技力をじっくり味わうことができるという展開でした。さまざまな経験を経て年齢を重ね、息子のような存在もできて、千代も大人になったのかもしれませんが、静かなセリフ回しやなにげない目線にあふれる感情表現が素晴らしかったです。
千代はにぎやかで饒舌ですが、鶴亀社長やシズという絶対的な存在がいるせいか、千代をきっかけにことが始まることはほとんどありません。そのせいで千代のキャラが今ひとつ感じにくくなっていますが、朝ドラではありがちなヒロインの都合の良いように周囲が動いていく展開でないことは純粋に物語を楽しめている理由になっています。
一平と夫婦になったものの、そのきっかけ以外はあまりふたりの絆を感じられる場面がなく、いまいち座長とその妻かつ劇団員という立場を超えていないように感じていたふたり。次週、「ついにクズ平誕生…?」という話になりそうです。一平の憂いあるたたずまいが好きだっただけに、ちょっとがっかり。
朝ドラですからガチのドロドロ不倫にはならないと思いますが、ふたりが別れてしまう展開は悲しいですね…。結局みつえの言う「女の幸せ」を味わう夫婦生活ではなかったのかと思うと…。しかし、千代の女優人生はむしろここからが本番のはず。悲しい別れを乗り越えて、もっと明るく楽しく、このコロナ禍で沈む日本の朝を照らしてくれるような晴れの物語になることを期待します。
それにしても、寛治から満州で出会ったヨシヲが死んでしまったと語られましたが…。あくまで伝聞ですから、きっとヨシヲは生きているのではないかと思いたい…。千代の晩年に寄り添っているのはヨシヲだと思いたい…。



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