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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『天国と地獄』
意味ありげなセリフや行動、ベテラン俳優が写真で登場などで、さまざまな考察が毎週のようにネットニュースを賑わせていましたが、終わってみれば真相はシンプルなものでした。それで良いと思います。こちらが勝手にあれは伏線だ、写真だけのはずがないと思いこんでいただけですし。
セク原が日高を落とした言葉がこの事件の真相そのものでしたが、もし入れ替わりの秘密に意外などんでん返しがあったり、真犯人が実は…であれば、東朔也が体現した悲しい人生のインパクトは薄れたはずです。
高橋一生と迫田孝也は、実年齢に差もあり、二卵性とはいえ双子の兄弟には見えませんでした(それこそ高橋一生と玉木宏のほうがよほど似ていた)。しかしそれこそ東が苦労して生きてきたことの証になっていましたし、迫田孝也がいい具合にやさぐれ衰えた雰囲気を出していました。
俳優の持つ個性からいかにも怪しさ満点の陸でしたが、最後まで彩子ちゃんの味方だったうえ、潔い引き際と言い残した言葉に惚れてしまいそうでした。イケメンではないのにイケメンに見える、柄本佑はつくづく不思議な魅力を持った俳優です。
八巻も最後まであのままで良かった。凄惨な殺人現場やドキドキハラハラが続く展開において、八巻のドジっ子ぶりは一服の清涼剤でした。朝ドラでも「残念なイケメン」を演じていた溝端淳平ですが、なぜか正統派よりこういう役柄の方が似合っていて、貴重な存在だと思います。
ラスト2回は人格が元に戻っていたので、入れ替わっていた間との演技差を忘れかけていましたが、主役ふたりがラストシーンで見事な演じ分けを見せてくれました。細かいところで疑問点はいくつか残るにせよ、これはこれでオチがついていますからここでジ・エンドかと。


『俺の家の話』
クドカンドラマ独特のラストから遡って構築されていく世界観は、最後に明快で爽快な視聴後感を味わわせてくれます。まるでバラバラのパズルのピースが少しずつ組み合わさって、ラストには壮大な一枚の絵になるような。
ある時は北三陸の海。
ある時は東京の晴れた空に描かれた五輪の雲。
今回は、観山家の笑顔の家族写真でした。
最終回、冒頭のどこか不自然な食卓に違和感を抱いていたら、衝撃的な事実が明かされました。
「え、嘘でしょ? 冗談でしょ?」
茫然自失となる私たちは、寿一の死を受け入れらない寿三郎そのものでした。
「どうして寿一が? これは親を看取る子どもの話だったんじゃないの?」
しかし、本当はそうではなかった。
これは「隅田川」の話だった。
いわゆる伏線は最初から貼られていたのですが、あまりそういうことを考えない視聴者なので、ただただ寿一にハッピーエンドが訪れなかったことを悲しみながら観ていたのですが…。
寿一にとってのハッピーエンドは何だったのだろう。
寿三郎の後継者になることだろうか。
一流のプロレスラーになることだろうか。
秀生の親権を取ることだろうか。
さくらと結婚することだろうか。
どれも、しっくりきません。
「自分がない」と言われていた寿一。いつも誰かのことを思い、誰かのために動いていました。ある時は寿三郎のため、ある時はさくらのため。家族のため、仲間のため、観客のため。寿一はみんなを笑顔にしてくれました。
寿一のいない世界。それでも残された者は、寿一の思いとともに能を、そしてプロレスを続けていきます。いつもそばに寿一を感じながら。
ラスト、リングにぽとりと落ちた寿一のマスク。まるでマイクを残して舞台を去るアイドルのようでした。
長瀬智也もこのドラマを最後に表舞台を去っていく人です。これは、若い頃から第一線で活躍し、多くの人を魅了し続けた長瀬智也への餞のようにも感じました。
長瀬くんの魅力を最大限に味わえたドラマでした。全方位イケメンなのにちょっと抜け感ある、寿一は長瀬くんのイメージそのものでした。
この作品は笑えて泣けて、自分の人生にもしみじみ重ねて、ひとりひとりに愛着があって。
余韻を残しながらも満足感しかありません。
クドカン×長瀬智也を今までにもっと堪能しておけばよかったと後悔しきりです。






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