『おんな城主 直虎』
題材からして期待値は低く、良作となるか否かは『ごちそうさん』や『天皇の料理番』の脚本を手がけた森下佳子の手腕にかかっていると想像していましたが、二話まで見た限り、やはり今後の評価は脚本次第であると感じました。 放送前に「実は男性だった」ことを示す資料が発見されたと報道された井伊直虎。謎の多い人物だけに、いわゆる史実と創作をミックスできる自由度は高いですが、一歩間違えると歴史の冒涜と評されても仕方ない駄作になってしまいます(どの作品とは言いませんが)。まだ勢力弱く、戦国の傍観者でいるだけの井伊家ですが、今後歴史の中心に近づくにあたって、どのようなアレンジを加えてくるのか、期待と不安半々で待ち受けたいと思います。 子役時代が一か月続くようですが、とわ・鶴・亀の幼なじみトリオはまるで少女漫画に出てくるような関係性です。『ごちそうさん』の序盤も少女漫画チックでしたが。この子役たち、実に子役らしくて魅力的。とくに鶴・亀は高橋一生と三浦春馬にそっくりで、よく見つけてきたなと思うほど。とわは柴咲コウよりも、オファーされていた(と父親が暴露したらしい)杏に似ているような…。 初回、成長後の主役をチラリと見せてから、幼少期に変わるのは大河ドラマのお約束ですが、冒頭に登場した直虎は少し軽さがありました。さすがに『信長協奏曲』の帰蝶のような演技にはならないと思いたいのですが…。『軍師官兵衛』の岡田くんも、初回の冒頭と実際のシーンではまったく雰囲気が違っていましたし…。『篤姫』の宮崎あおいもぐんぐん貫禄が出てきたので、柴咲コウもそんな成長曲線を見せてほしいですね。 『お母さん、娘をやめていいですか?』 親子というより友達のような仲良し母娘。過干渉と依存でつながるふたりの関係性に、ひとりの男性が現れたことで変化が生じる…というお話。 セーラー服のスケバンだった斉藤由貴も、すっかり母親役が板につきました。それでも、ふんわりワンピースや避暑地のセレブと思わせるお帽子が似合うかわいらしさ。しかしこのドラマでは、そのかわいらしさが逆に怖さを醸し出しています。 母・顕子は無邪気に娘・美月を愛する。娘に似合うと思う服を与え、教師である娘に頼られればアドバイスを送り、果ては新居を世話した住宅メーカーの男性と交際するよう勧める。自分の行いはすべて娘のため。そしてそれを正しいと信じ疑わない。 あなたのため。そんな言葉に縛られてきた美月。松島に指摘されてようやくそのいびつさに気づいた美月は、はじめて母へ反発する。娘が自分から離れようとしていることに、顕子はみずから我が婿に最適と認めた松島の存在がその原因と知るや、愛しているはずの娘を貶めて手を引かせようとする。 顕子が愛しているのは、美月なのか。それとも、美月を愛している自分なのか。 美月を思いどおりの娘に仕立て上げることは、愛ゆえなのか。それとも顕子が趣味にしている人形作りと同じ行為なのか。 美月は人形から人間に戻ることができるのか。パンドラの箱を開けた松島は、ふたりにとってどのような存在になっていくのか。リストラ対象であることを家族に隠している父親は、崩れはじめた家族の構造を立て直すことができるのか。 ゾゾーっとする斉藤由貴の怪演と、今後の展開が気になるドラマです。 PR |
* カレンダー *
* 最新記事 *
* ブログ内検索 *
|