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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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10/20  セ★☆☆G-DB☆☆☆

巨人の先発山﨑伊に対し、DeNAは濵口という、ブルペンデーを強いられる厳しい状況。しかしこの重要な一戦を任された濵口の気迫は、画面越しにもしかと伝わりました。ランナーを出してもゼロで抑えて大きなガッツポーズとともにマウンドを降りる姿は、チームを鼓舞したはずです。しかし自慢の強力打線になかなか火のつかないDeNA、序盤は互いにゼロ行進が続きます。
5回表。一死から8番戸柱がヒットで出ると、続く濵口の打席に代打が送られます。「濵口が良いのに交代は早すぎる」と評した我が家の解説者。しかし濵口は初回から飛ばしていたはずですし、もともと長い回は想定していなかったでしょうし、一発打たれたら終わりなわけだし…。
…しかし一発を打たれたのは、その直後登板したヤマヤスでした。
「三浦は弱気になっている! 短期決戦は守りに行くと負けるのに、王手をかけてから地に足が着いていない!」とお怒りの我が家の解説者。
1-0のまま試合は7回へ。一死から桑原が三塁打を放ち同点のチャンスを作ります。続く森はショートゴロ、門脇が素早くかつ正確に本塁へ送球、タッチアウトに。直後に森が盗塁を仕掛けてゆうゆうアウトで終わったあたりは、浮足立ったDeNAベンチのさらなる焦りを感じました。
試合の舵は、完全に巨人の手にありました。
8回表、先頭の戸柱がヒットで出塁。投手の打順で代打蛯名はもちろんバント。投手前に転がった…はずが、画面の外からとんでもないスピードで誰かが飛び出してきて二塁へ送球、一塁もアウトでダブルプレー! 突如現れたのはサードの守備固めに入っていた増田でした。巨人の内野守備は堅いと聞いてはいましたが、ここまで上手いとは知りませんでした。
興奮の連続の接戦もいよいよ9回。三連投の大勢が登板します。しかしすんなりとは終わりません。一死を取って、昨日膝に死球を受けていた佐野に今日も当ててしまいます。さらにオースティンが四球を選ぶと、いっそう声援の高まるレフトスタンド。しかし調子の上がらない宮崎は三振に斃れ、代打筒香もセンターフライで試合終了! まるで優勝したかのように抱き合って喜ぶ巨人ナイン。それもそのはず、あとのない三連敗から星を五分に戻したのです。
さあ、泣いても笑ってもあと一試合。
まさにクライマックスの一戦です!


10/21  セ★☆☆G-DB☆☆☆☆

CSFinal最終戦は互いに中4日の戸郷&ケイが先発。いっそう表情の引き締まった戸郷が初回を三者凡退で終えると、その裏、巨人は先頭四球から二死二塁のチャンスで岡本。ここでDeNAベンチが申告敬遠! 短期決戦ならではの選択! 結果は吉と出てヘルナンデスはショートゴロ…のはずが、ショート森が一塁へ悪送球! 労せずして巨人に先制点が入ります。しかしこれはヘルナンデスの全力疾走を誉めるべき。
4回には坂本の二塁打から戸郷のスクイズで1点追加。やはり連勝中の巨人に流れはある、と思いました。
しかし5回、無死一塁で森が初回のエラーを取り返すタイムリー三塁打を放ちます。さらに代打フォードが前進守備の間を割る同点打! 中4日で飛ばしていた戸郷を降ろすタイミングが少し遅かったかなという印象です。交代したのは二死となってからでした。そして高梨から佐野が放った打球はセンター後方へ。一瞬、フェン直かと思う大飛球でした。しかしヘルナンデスがフェンスへ突進、ジャンピングキャッチ! 勝ち越しは許しません!
巨人有利だったはずの試合は一転振り出しへ。
DeNAは坂本から中川颯が回またぎで無失点。7回表はバルドナードが作った二死満塁のピンチを船迫が抑えるという、中継ぎ勝負の展開に。連戦の中延長まで投手をどうやりくりするか、DHのないセ・リーグだけに、運用はよけい大変だったに違いありません。
7回裏は伊勢が登板。疲労が顕著に見えました。ここも岡本敬遠でピンチ脱出。最初申告敬遠に気づかなかった岡本は、相当集中していたのでしょう。
するとその次の回、ピッチャー菅野の名前が告げられると客席から大きな拍手が送られます。キャッチャーも小林に交代。もしかしたらもう二度と見られないかもしれないスガコバコンビがきっちり三者凡退に抑えると、東京ドームが揺れるほどの大歓声が起きました。流れを取り戻すための菅野投入ですから、良いタイミングでした。
目論見どおり、その直後、回またぎの伊勢から先頭坂本がヒットで出ると、一死からオコエも続いて一・二塁のチャンスを作ります。しかし伊勢も死力を尽くしました。小林・立岡をアウトに仕留めて流れを渡しません。
9回も菅野は続投するも、先頭森にヒットを許してしまいます。代打柴田がきっちり初球でバントを決めると、続く桑原はサードゴロ。坂本は森を一瞬牽制して一塁へ送球するも、投じた瞬間に森がサードへ走ります。ここで我が家の解説者は、「もっと目で殺してから投げれば良かったのに」とぽつりと言いました。結果、この走塁が勝敗を分けることになりました。
牧の打球はレフト前ヒット。ランナー二塁であれば、入っていなかった勝ち越し点でした。
その裏、DeNAは守備を固めて試合を〆にかかります。抑えは森原。楽天時代と同じ選手とは思えませんでした。この大一番、絶対に得点は許されないこの場面で、巨人の上位打線を三人で切って取るなんて。

かくして、セ・リーグのCSFinalはDeNAの勝利で幕を閉じました。MVPは戸柱でしたが、異論などあろうはずがありません。山本に次いで伊藤まで不在となった今、戸柱がいなければここまで投手戦を展開することはできなかったでしょう。
しかしブルペン陣も、もちろん巨人側も含め、選手たちの奮闘がなければここまで白熱したCSにはならなかったはずです。勝敗を左右するベンチの采配も見どころばかりでした。
野球を純粋に楽しめたのはいつぶりでしょう。ほんの一瞬の判断、たった一手で勝敗が入れ替わる、野球の神髄の詰まった興奮と感動の6試合でした。これぞクライマックス! これぞプロ野球!
「良い最終回だった」と言いたいところですが、もちろん日程はまだ残っています。
この面白さを超える日本シリーズであってほしいものです…。







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