11/12 パ☆☆☆△B-M セ☆☆☆△S-G
あとがなくなり大幅に打線を組み替えてきたロッテ。山﨑颯はまあまあな立ち上がりでしたが、3回の和田の長打で我を失った感じでした。一打席目の凡退した時の様子から、若月ともども油断していたのかもしれません(観ているこちらもまさか打たれるとは思わなかったし…)。和田を抜擢した井口監督の采配にしてやられました。それでも失点は犠飛のみにとどめ、継投した富山やバルガスが回またぎで踏ん張り、あとは援護を待つだけ…のはずが、今日も打てない。岩下を打てない。確かに岩下は苦手投手ですが、こんなにも歯が立たなかっただろうか…。どんな対策をしてきたのだろうか…。 前半唯一のチャンスだった4回も、吉田正がきわどいところを見逃し三振に取られたことで潰えました(この日の球審のストライクゾーンはまちまちで、大前さんも星野さんも不満だだ漏れ)。 潮目が変わったのは6回。福田のヒット後、岩下が爪か何かのアクシデントでいったんベンチ裏に下がり、間が空きました。戻ってきた直後、その初球。今まで手こずってきた岩下のフォークが甘く浮いたのを宗は見逃しませんでした! 捉えた打球はライトスタンド一直線! 響き渡る大前さんの絶叫! 宗のホームランはいつも劇的! 沸き上がる京セラドームに、今日の勝利を確信しました。 …しかし、そううまくはいかないもので。 7回、マーティンからの打順で登板したのは吉田凌でなく海田でした。吉田凌は以前マーティンにホームランを打たれているので、左の海田をワンポイントに起用したのでしょう。しかしこれが結果的に裏目となります。海田はマーティンにヒットを打たれ、交代した吉田凌がエチェバリアをきっちりレフトフライに抑えますが、マーティンがタッチアップで二塁へ進塁。ツーアウト後、代打佐藤に地面すれすれのスライダーをしぶとく拾われランナー生還。マーティンの二進が響きました。足が痛いはずなのに、ラベロの捕球体勢や野手陣の油断を見逃さなかったマーティンの走塁判断を誉めるしかありません。 それでもまだ同点。このまましのげば勝ち抜けです。 …しかしやっぱり、そううまくはいかないもので。 その裏のチャンスでも得点できず、同点の8回。連投のヒギンスが中村に痛い一発をくらってしまいました。これも甘い初球を見逃さず捉えた中村を誉めるしかありません。 このまま負ければ、明日から佐々木朗・小島と難敵が続きます。ロッテに打ち込まれている宮城・山﨑福では分が悪く、中嶋監督なら最終戦で山本を登板させないでしょう。そしてこの土俵際でのロッテ打線のしぶとさ。つまり、今日で終わらせないと一転、CS敗退濃厚になってしまうのです。 8回裏も、チャンスを作るも無得点。9回表、聞き憶えのある登場曲に「あれ、平野ってこの曲だっけ…」と茫然自失のままテレビに目を向けて一気に目が覚めました。ままま増井!? 確かに明日以降を考えると平野を連投させたくはないが、ここで増井!? ところがこちらの不安をよそに、淡々とアウトを重ねます。さすが場数を踏んだベテラン。荻野を避けて和田で勝負したのも、ベテランならではの読み…なのか…? そして、いよいよ9回裏。打順はTからの下位打線、ジョーンズも使い切っておりチャンスはTの一発以外にないと半ばあきらめておりました。 そのTがシンカーキラーの面目躍如、一発ならずともヒットで出塁します。続く安達はもちろんバント…が、初球失敗。天を仰ぐ中嶋監督(とファン)。ところが2球目、そのまま振り抜いた打球は三遊間! 一死二塁の予定が無死一・二塁とまさかの好機に! ネクストには最後の野手、頓宮が控えていました。安達がバントを決めれば小田に代打頓宮。正直確実性はありません。しかし次の紅林はCS無安打ですし、塁を詰めるか勝負するのか、次の状況をロッテはいろいろ考えていたはずです(ファンも)。しかし安達が出たことで小田がそのまま打席に入りました。にわかにマウンド周りが慌ただしくなりました。 二・三塁になるとして、今年の采配なら紅林はそのまま行かせるだろうけれど打てるかな? ロッテも歩かせはしないだろう。もしダメなら伏見で決められるか? そもそも打席の少ない小田がこんな大事なところでバントを決められるのか!? …と、まったく疑いもしませんでした。小田がバントをすることを! 実況解説もそうですし、観ている者、ロッテベンチを含めて誰も疑っていなかったはずです。 ところが! 出た、これぞ中嶋イリュージョン!! 三塁を殺すつもりで益田が投げた緩いストレートを、バントの構えから引いた小田のバットが弾き返しました! 打球は猛チャージしていた三木の脇をすり抜け、ギリギリ一塁線を転がっていきました! 前進していた岡も追いつけず、二塁の山足があっという間にホームイン、同点サヨナラコールドゲーム!! 大前さんも興奮しすぎて「日本シリーズー! ヒッティングー!」って脈絡なくて、こちらももう何がなんだかついていけない! それでもただただ泣けました! しかもTが出て、安達がつなぎ、小田が決めたというのが感慨深い。誰かに頼りきるのでなく、やっぱり「全員で勝つ!」、これが今のオリックスなのだなあ…と…。 優勝の時にはできなかった、ファンの前での中嶋監督の胴上げ、ペナントを持っての場内一周。 これは夢か幻か…。 興奮して寝つけませんでした。 そしてセ・リーグもまた、ヤクルトが引き分けコールドでCS突破を決めていました。こちらは同点の9回表を抑えてのコールドですが。互いに昨年最下位からのリーグ優勝、CSは先発が完封→継投での完封→引き分けと、勝ち上がり方はまったく同じ状況なのが面白いです。表彰式でのズッコケにも表れている雰囲気のあかるさにも共通項を感じます。 長くなった今シーズンも、残すところ最多で7試合となりました。 ヤクルトは打線はもちろん、投手陣も強力です。交流戦では勝ち越したものの、お互いあの頃とはチーム状況が変わっています。中嶋監督がどんな一手をくりだすのか、今から楽しみです。 かつて日本シリーズでは、ヤクルト相手に阪急・オリックス・近鉄いずれも後塵を拝してきました。今度こそヤクルトを倒せばいずれの無念も晴らせますし、次の優勝はここから数えられますから、ようやく「オリックス・バファローズ」というひとつのチームとして新たなスタートを切れるはずです。 まだほんの10年くらいとはいえ、オリックスを応援し続けてきた身からすればまるで奇跡の連続だったような2021年。これ以上望むことなんてないはずなのですが、やっぱり最後はみんなの笑顔が見たいです。勝っても負けても、悔いのない7日間になってほしいです。 PR |
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