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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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10/30 ☆☆☆☆B-S☆☆

世間からは36年ぶりの第8戦開催を期待する声が上がっていましたが、この一週間で3キロくらい痩せたような気がするこちらとしてはもう身が持たないので、勘弁してほしい…。
しかも、もしそうなれば明日は天敵高橋がやってくる…。

お願い、今日で決めてくれ!

相手先発はサイスニード。前回も打ち崩したとは言い難いですが、高橋や小川よりは与しやすいはず。なんとか先制を…と祈りながら迎えたプレイボール!
「なんとか」の「な」の時点で飛び出した、先頭太田の初球ホームラン!

まさかやー!

と、リアルに叫んでしまいました。
日本シリーズはじめて前日と同じオーダーで挑み、開始10秒で相手にくらわせた先制パンチ。1番太田、大当たりです!
さらに立ち上がりのサイスニードを攻めて二死満塁まで持っていくも、紅林が空振り三振で追加点は取れず。それでも幸先良い先制点は、チームに勇気を与えたはずです。
こちらの先発は宮城。おそらく最初から準備はしていたでしょうが、はじめての中4日、はじめての神宮のマウンド。正直、蓋を開けてみなければわからないと思っていました。
しかし、それらのプレッシャーをまったく感じさせない宮城らしい緩急とテンポの良さで、初回を三者凡退。その後も、ランナーを出しても動じずアウトを重ねます。むしろ神宮のマウンドが合っているのではと思えるほどに良い時の投球でした。

…いけるかもしれない。
いやいや。
神宮において1点などあってないようなもの!

宮城の好投に応えてほしい打線は、5回、先頭の伏見がヒットで出塁。宮城はもちろんバントの構え。三塁方向に強く転がった打球は村上とサイスニードの間をすり抜け、バントヒットに!
無死一・二塁、続く太田ももちろんバント。こちらもうまく三塁方向へ転がし、サイスニードが投げられずなんとなんと無死満塁に! 村上が打球を取っていれば少なくとも一塁はアウトでした。ダッシュするか三塁ベースに戻るかの一瞬の迷いが、プレーの大きな分かれ目となりました。その迷いを生んだのも、王手をかけられたヤクルトの主砲として背負う重圧ゆえだったのかもしれません。
こちらとしては大チャンス。…でしたが、このシリーズに限らず満塁からの無得点を何度見てきたことか。頼む、今度こそ!
と、祈ったものの、宗の打球はオスナの正面。一塁を踏んでホームもアウト、無死満塁が二死二・三塁に…。
打席の中川はカウント3−1から5球目のきわどいコースを見送りますが、歩きかけたところでストライクコール。こりゃ次で空振り三振かと思いきや、高めストレートにバットを出しかけるもなんとかこらえ、貴重な四球をもぎ取りました!
またも満塁となって吉田正尚。この日はゴロばかり打たされていましたが、そろそろやってくれそうな気がしていました。相手もそうはさせじと内角を突いてきましたが、これが肘に当たり、デッドボールで押し出し! やっぱりやってくれました!(当然ながら本人は満足していないようでしたが)
一時はダメかと思われたところでの追加点は相手にダメージを与えるはずです。しかし投手交代はなく、杉本が打席に入りました。外角ストレートを振り抜いた打球は左中間、追いついた塩見が捕球…したかと思われた瞬間、打球は後方へ! ランナー3人が一挙生還! 宮城も杉本もテレビ前のファンも大きくガッツポーズ!!
タイムリー三塁打と思いきや、結果は後に訂正され塩見のエラーに。これは両者に辛い判定となりました。そもそも塩見や辰己レベルでないと追いつけない打球ですから。
ともかくも、まさか続きで5-0。その裏も宮城は続投。サンタナの四球からピンチを招くも、代打・川端を三振に、塩見も遊ゴロに抑え、試合開始前は難しいと思っていた5回を投げ切りました!

これは…本当にいけるかもしれない…。

終盤を迎え、徐々に気の緩みが生じてくるオリックスファン。「MVPは誰かな~正尚は結局あの2本だけだし、杉本も打点は上げたけど凡退も多いし、やっぱ宇田川かな~個人的には比嘉を推したいな~」などと調子をこいていました。

負ければ終わりのヤクルトは田口で流れを引き寄せに来ます。もちろんこちらも宇田川に継投。山田に四球を出すも村上を素晴らしいストレートで見逃し三振。オスナには高めの釣り球を外野に飛ばされますがフェンスまでは届かず。7回も続投した宇田川はサンタナに二塁打を打たれますが、長岡・青木を打ち取って今日も無失点、その名前を全国に知らしめます!

石山に代わった8回も追加点は取れず、いよいよ試合も大詰めに。
さすがに緩んでいた口元もだんだん締まってきました。
同じくリードした展開だった第2戦では、「5点欲しい」と願いながら取れないまま結果引き分けになってしまったため、今日は「8点欲しい」とずっと口にしていました。何が起きるかわからないのが野球、そして何かを起こすのがヤクルト打線…。

8回裏、マウンドはもちろん山﨑颯一郎。ここまでヤクルト打線を完全に封じ込めてきた山﨑颯ですが、この大一番でさすがに緊張も蓄積疲労もあったでしょう。先頭塩見にヒットを許すと、続く丸山にもつながれて無死一・二塁で中軸に…。
山田は三振で抑え、ほっとしたのも束の間。村上に目の覚めるようなタイムリーヒットを打たれてしまいます。さすが村上、さすがヤクルト。簡単には終わりません。
まだ4点あるとはいえ、一発が出ればあっという間の1点差、つながれれば同点や逆転も見えてきます。打席はオスナ。しかし比嘉の準備が間に合わなかったのか、山﨑颯が続投。
「頑張れ! 颯一郎なら大丈夫! 絶対大丈夫!!」と必死で念を送るも…。


・・・

_( :⁍ 」 )_


・・・

「待て待て! これまだ追いついてないんや! オスナが繋いでサンタナまで回してからの一発がいちばん良かっ…いや、あかんかったんや!」
と、あとから冷静に考えればどっち目線やねんと胸倉つかみたくなる我が家の解説者の声もどこか遠く…(←8戦目を観たかったらしい)。
そしてようやく比嘉に交代。「遅いよ~ヾ(゚`ェ´゚)ノ」と泣きたくなりましたが、球場の雰囲気が一気にヤクルト側に傾いたこの状況で、仕事人は今夜も冷静でした!
スライダーとスローカーブを駆使しまずは中村を三振に取ると、続くはサンタナ。絶対に一発を狙ってくる、そして絶対に打たれてはいけないこの局面、比嘉の投球はアウトロー一択。しかしサンタナもファウルで粘ります。一球ごとにどよめくスタンド。一歩も譲らぬ戦いは9球目。最後までコースに投げ切った比嘉の勝ちでした!
そして、比嘉が投げれば試合の流れはやってくる。9回表、清水から伏見が二塁打で出塁(しかし足を痛めて交代)。福田がしっかりバントを決め、一死三塁。これは追加点を取る流れ! …のはずが、太田の一ゴロで一瞬止まりかけた三塁ランナーの小田は、オスナがこぼすのを見て再スタート。しかしホームインは間に合わず、送球されてタッチアウト。一瞬にしてチャンスは潰えました。

これで流れは…どっちへ行った?

いよいよ、9回裏です。
5-0の頃はもっとワクワクしながら迎えるだろうと思っておりました…。

1点リードでマウンドに上がったのはワゲスパック。顔つきからも緊張が伝わってきました。
先頭長岡。しかし、ストレート2球でワンアウト。あっという間に感じました。実際、若月はワゲスにそわそわする暇を与えないよう、そして相手の間合いにさせないよう、いつもより早いテンポで投げさせたのでしょう。ナイスリードです。観ているこちらも緊張する時間がないほどでした。
代打・内山も2球目を内野フライで2アウト。
そして3人目は塩見。追い込んだ4球目、ワゲスが投じたのは高めストレート!
塩見のバットが空を切った瞬間——。

・・・(゚Д゚)

・・・(*゚Д゚*)

・・・(;´༎ຶД༎ຶ`)


オリックスの応援を始めて12年。
日本一のビールかけを観られる日が来るなんて、思ってもいませんでした。
感無量です。

けれど、今はこのしあわせな時間が終わってしまった一抹の淋しさがあります。
もちろん、オリックス・バファローズはもう2023年のリーグ3連覇、日本シリーズ連覇に向けて動き出しています。
そこには、いくつかの別れもあります。
悔しさは切り替えできるけれど、しあわせはすぐに切り替えられないことをはじめて知りました。これは自分の弱さなのかもしれませんが、今はまだこの余韻に浸っていたい。すぐに始まる次からのことに、頭を持っていけません。

少し置いてけぼりの気分ですが、オリックスの向かう先が、すべて良い方向でありますように。
そして2023年、今年のしあわせが上書きされるような年でありますように。



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