『舞いあがれ!』
話はずいぶん進んでしまいましたが、第一週から惹き込まれました。子役はあいかわらずみんな可愛くて芸達者ですし、心も体も弱かった舞が成長していく過程をしっかり感じられる構成になっていました。 祖母役の高畑淳子が本当に素晴らしかったです。第一印象はぶっきらぼうでとっつきにくい雰囲気でしたが、会いたくて仕方なかった孫にようやく会えた喜びがぽろぽろとこぼれだしていくさまが実に自然で、家業と子育てでいっぱいっぱいの娘をわざと突き放す愛情と包容力を備えながら、仕事でしくじってしまい舞の言葉に救われるという弱い部分も持ち合わせた人間味を十二分に表現していました。 舞が五島を去り、早くもばんばロスになるかと思いきや、息つく間もなく始まった大学編。今度はなにわバードマンの面々が物語を楽しませてくれています。人力飛行機に青春をかける学生たちひとりひとりのキャラクターがいきいきしていて、この部分だけで物語がひとつできそうな気もします。失敗、挫折、分裂、復活…展開はスピーディですが、部員たちのスワン号にかける思いがそれぞれきちんと描かれているので、感情移入できますし、素直に応援したくなります。鳥人間コンテストは観たことないのですが、ああいうことに夢中になれるのは学生時代だけ。やっぱり青春っていいな、と口に出すと恥ずかしくなりそうな感想が素直に生まれてきます。なにわバードマンもロスになりそう…。 「舞の恋人は誰になるのか?」という話題も放送開始前から取りざたされていましたが、名前の挙がっていた刈谷先輩ではないような気がします。なにわバードマンは女性に興味なさげな飛行機バカばかりだし…。やはり航空学校で出会う目黒蓮なのだろうか。幼なじみの貴司は、ぐっさんとくわばたりえの息子とは思えないほどイケメンに成長したのに、今のところあまり存在感がありません。これから舞の将来にどんなかたちでかかわってくるのでしょう。 個人的には、五島の一太がメッチャいい男に成長して現れることをひそかに期待している…。 『silent』 放送前は『パーフェクトワールド』みたいな話かなと思って録画しなかったのですが、周囲の人皆口をそろえて「良かった!」と言っていたのと、ネットでも大絶賛されているのを目にして、見逃し配信を視聴してみました。 …泣いた…。 まったく知らない脚本家だったのですが、それもそのはず、大抜擢の新人だそうです。驚きでした。独特なセリフ回し、過去と現在が交錯する展開、すべてが切なさを倍増させています。 虚構となっていた思い出が現実となった時。人はそれを受け入れるのか、受け流すのか。紬と湊斗はそれぞれに心を揺らします。 紬は想に振られた過去を取り戻そうとはしません。時は経ち、紬の居場所は湊斗のところにありました。あくまで昔の友達として想に向き合うため、前向きに手話を学ぶ紬に対し、湊斗の心は一瞬にして過去に立ち返ります。紬に手話を勧めておきながら、みずからは声をかけても振り向かない想のことを受け止められません。紬と話す想、紬としか話すことのできない想を見ているうち、いつの間にか湊斗は、かつて遠くからふたりを見つめていた頃と同じ気持ちになってしまったのかもしれません。 誰しも、傷つくのはつらい。いつも優しく、包容力のあった湊斗ですが、それは紬を傷つけたくないからではなく、誰かを傷つけることで自分が傷つきたくなかったのだろうなと思います。想と話す紬を見ているのが苦しいという本音にかぶせた「想といる時の紬がいちばんかわいい」という言葉は、彼の身勝手さを表しています。湊斗が現実に、自分の心に真正面から向き合える日は来るのでしょうか。 それぞれの織りなす心模様は、触れれば壊れる繊細な細工のように絡み合っています。いまだ明かされない想の思い、紬との未来はどのように展開するのか、今後も見守っていきたいと思います。 PR |
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