いつの間にやら始まったパリオリンピック。3年前と異なり有観客とあって、盛り上がっています。時差のせいでなかなか生で観られないのが残念…。
さて、角田選手の金メダルで幕を開けた柔道ですが、アレコレ物議を醸しています。『YAWARA!』で柔道好きになった身としては、今のJUDOスタイルに馴染むことができず、ものさびしい思いがします。それでも懸命に戦う選手たちには国籍関係なく感動しますし、気持ち良い一本が出ると胸が弾みます。 二連覇を目指していた阿部詩選手が2回戦敗退後、コーチの胸で泣き叫んだ姿には心が痛みました。異国の選手にも関わらず立ち上がってコールを送った観客も同様だったと思います。東京からの3年はアスリートにとって決して短いものではなかったでしょう。詩選手がいかに人生のすべてを賭けてこの場に挑んできたのか、その背負うものの大きさが彼女の止まない慟哭だったのだろうと思います。それを批判する気なんて起きないし、ましてや誹謗中傷の言葉なんて浮かんできようがありません。 ちなみに「相手が勝ち進めば敗者復活戦があったはずでは!?」と『YAWARA!』の富士子さんを思い出していたのですが、そのルールはとうに廃止されていたことを知りました。あの原作内ではどちらも白の柔道着でしたし、「有効」も「効果」もありました。今のルールは無制限の延長戦で旗判定よりしっくりくる一方、指導が審判団まかせでわかりにくい部分も多くあります。「え? それが指導?」「え? 今の指導でしょ?」と首を傾げてばかりです。まあ、柔道に限らず野球でも審判の判定に「?」はつきものなのですが。一本にこだわっていた滋悟郎じいちゃんの教えはもうホコリをかぶっている価値観なのでしょうね…。 リアルタイムで観られたのは平野選手や早田選手の卓球、ワタガシペアの銅メダルマッチでした。 平野選手の準々決勝は3-0から3-3に追いつき、最後も一進一退の攻防に。試合終了の瞬間は勝者も敗者も涙にくれる激戦となりました。東京五輪のシングルスの出場権を得られずパリに賭けてきた平野選手がうずくまって泣きじゃくる姿は観ていてもちろんつらいものがありましたが、試合中つねに微笑んでいたシン選手が試合が終わった瞬間泣き顔に変わったことにも胸を突かれました。互いに大きなプレッシャーを抱えて戦ってきたことがわかるシーンでした。 ワタガシペアの試合を観たのは初めてだったのですが、ラリーの間は息をつくことも忘れて見入ってしまいました。縦横無尽にコートを走りまわり、ぎりぎりで飛び込んでラケットを伸ばし、わずか届かずに倒れこんで荒い息をつく互いの選手たち。体力もさりながら精神も極限で戦う姿をそこに見ました。ミックスダブルスの激しさと奥深さに、他の競技と違う魅力を感じました。 最後まであきらめない気持ちの大切さを改めて感じたのは体操ニッポン。朝起きてから金メダル獲得を知り、ニュースをハシゴして堪能しました。予選で不調だった橋本選手の最後の着地には感動しましたし、不利な状況でもずっと声を出しメンバーを鼓舞していた萱選手も印象的でした。大逆転が中国選手のミスによるものであったとしても、最後まであきらめず自分たちの体操を貫いてこその勝利でありました。 団体戦で調子が良さそうに見えた岡選手が個人総合で金メダルを獲得。4年に一度のオリンピック、そのタイミングで自分の最大限のパフォーマンスを発揮することができる、こんなに凄いことはありません。自分自身でコントロールできない要素はあるにせよ、たった一度の本番でそれを成し遂げることのできるアスリートの人びとは本当に素晴らしいなとしみじみ感じます。 まだまだ熱い日々は続きます。うれし涙をたくさん見られますように。 PR
今年も楽しめました。最近のM-1チャンピオンは東京組ばかりなのに、THE SECONDは(今のところ)関西が強いというのも面白い傾向です。
《ハンジロウvs金属バット》 ハンジロウのネタを見たのははじめてでした。ネタ自体はオーソドックスですが元妻カフェという着眼点がユニークだと感じました。金属バットはかるたの「あ」で早くも心をつかまれました。使い古された感のある大阪あるあるも、金属バットの手にかかればこんなに笑いをとれるのだなと驚かされもしました。結果は金属バットの圧勝。 《ラフ次元vsガクテンソク》 ラフ次元は奈良テレビに出ていたので昔から名前と顔は知っていましたが、「たぶん売れないだろう」という印象しかありませんでした。ところが最近、劇場に遊びに行った姪に「誰が面白かった?」と聞いたら「ラフ次元」という答えが返ってきたのです。「売れないだろう」と感じてから本当に売れていない間に劇場に立ち続けて腕を磨いたのでしょう。正統派のしゃべくり漫才にレベルアップしていました。しかし相手が悪かったとしか言えません。学天即時代からしゃべくり漫才で評価されてきたガクテンソクですから。大阪時代はよじょうのスキル不足がもったいない印象でしたが、こちらも劇場で鍛えられたのでしょう、間が良くなっていました。あと話によると、ネタ合わせなしで挑んだのだとか。成長したな、よじょう…。 《ななまがりvsタモンズ》 どんなひみつ道具が飛び出してくるかわからないななまがり。好き嫌いが分かれる芸風ですし、賞レース向きではないのでしょう。個人的には嫌いでないですし、いちばん笑ったかもしれません(でもたぶん3点はつけないと思う…)。一方タモンズはオリの晩酌でおなじみ。もちろん応援していました。が、実はオリックスネタ以外の漫才を見るのははじめてという…。あ、こんな感じなんだぁという感想です。「やめてよー!」はハマりました。結果、1点差という薄氷でタモンズの勝利。ただ採点後のひと笑いはななまがりの圧勝でした。 《タイムマシーン3号vsザ・パンチ》 タイムマシーン3号は小ネタ番組常連ですし、出場随一の売れっ子なのですが、それでも勝負にくるあたり漫才師としての矜持を感じます。昨今は笑いにしづらいデブいじりをうまく時代に合わせていました。オンバト時代に笑わせてもらったタイムマシーン3号は健在でした。そしてザ・パンチもかつてネタ番組で輝いていたコンビ。M-1の惨敗で表舞台から消えてしまいましたが、今回の優勝候補筆頭に挙げられていて驚きました。ネタを見て納得。地道な営業活動が透けて見える、老若男女誰にでもウケるであろうつかみからネタへの流れ。ここはスタジオでなくイオンの一角かと錯覚しました。やっぱり売れっ子よりは苦労人を応援したくなります。ザ・パンチが準決勝進出。 《準決勝:ガクテンソクvs金属バット》 準決勝を見据えてネタを替えたガクテンソクの作戦勝ちといったところでしょうか。金属バットはネタが逆なら勝ち抜けできたような気が…。一般審査員が述べたように、ヒヤヒヤしてしまったところがマイナスだったのかもしれません。そのきわどさが金属バットの持ち味でもあるのですが。ただ個人的には準々決勝のネタが好きでした。ちなみにこの大会、先攻が勝ったのはこの一戦のみ。そのくらい、ガクテンソクの強さが目立ったということでしょう。 《準決勝:タモンズvsザ・パンチ》 東野にいじられたとおり、生放送でこの2組の対決とはレアすぎる…。 どちらもキャラ芸ですが、一本目の印象の強さでザ・パンチに軍配が上がったのかなという感想。1点の多さは意外でした。同じようなネタ運びだったからでしょうか。あと、一般審査員が絶対評価でなく相対評価で採点しているようなコメントをしていたのも気になりました。今回から一本ずつでなく両者ネタ後に採点しているのですが、それが影響しているのかもしれません。確かに昨年間延びした感はあったのですが、1ネタのたびにCM入れるならその間に採点すればいいのでは…と感じました。 《決勝:ザ・パンチvsガクテンソク》 奇しくも昨年と同じ流れになってしまいました。6分に満たず終わったザ・パンチに対し、3本とも上質な漫才を持ってきたガクテンソク。結果は見るまでもなく、ガクテンソクの圧勝でした。1本目で観客を惹き込んだザ・パンチでしたが、決勝ともなると同じ芸風ではなかなか難しかったですね。「砂漠でラクダに逃げられて~」はついに伝家の宝刀を抜いたような空気感でウケていましたが、必殺技一本ではガクテンソクの巧みな言葉選びの連続には叶いませんでした。 今回もベテランの芸を堪能した! という満足感でいっぱいです。ちなみに昨年、「次回は磁石、タイムマシーン3号、プラス・マイナスあたりが勝ち上がってくれたらうれしい」と書きましたが、磁石は敗北、プラス・マイナスは解散と悲しい結果になってしまいました…。来年は磁石が決勝で見られることを期待します。あと金属バットが優勝したらどうなるのかというのも見てみたい…。
野球観戦に福岡へ行きました。
私は人生三度目ですが、ヤスオーは初の九州だそうです。 (関門海峡を歩いて渡ったことをのぞけば) さて、福岡に着いたのは午後3時。 試合開始まではまだ時間があります。 それまでブラブラしようとホテルの前からバスに乗りました。 …が。いきなり乗り間違えるハプニング。 長旅で疲れて頭が働いていなかったとはいえ…。 あわてて降りて別のルートを探し、違う路線のバス停まで歩いて移動するも、道が混んでいるせいか予定どおりにバスは来ず、やっと来てもなかなか進みません。 なんてこった…。 なんとかたどりつきました。 福岡市博物館。 ここでちょうど展覧会が開催されていたのです! 藤城清治展! (ちなみに行き先を間違えたバスは福岡市美術館行) ちょうど100歳のお誕生日を迎えたばかりの藤城清治先生。まだまだ精力的に作品を世に出し続けています。 大きい会場ではありませんが、たくさんの作品が展示されていました。MISHAのライブで使用されたものもありました。 光と影が織りなす優しい世界観は、いつ見ても心があたたかくなります。 命の営みに注ぐ深い愛情を感じる作品ばかりでした。 時間がなくなってじっくり堪能できなかったのが残念…。 野球観戦した翌日は、宗像へ移動。 世界遺産の宗像神社を参拝する予定でした。 当初は辺津宮参拝後、船に乗って中津宮へ渡るつもりでしたが、この日の予報は雨のため、中津宮は断念…。 天気のせいか、人はまばら。 神聖な場所へ向かいます。 雨がパラパラ降ってきました。 祭祀が行われていた場所とあって、空気感も異なる気がしました。 そこだけ光が差しているような…。 宗像大社は辺津宮・中津宮・沖津宮からなり、沖津宮のある沖ノ島は神職しか渡れません。 辺津宮内にある第二宮・第三宮は、それぞれ中津宮・沖津宮の分社であり、ここに詣でれば宗像三社を参拝したことになります。 中津宮も行きたかったなあ…。 お昼は神社近くの《潮の里》。 観光地価格でもなく、お店の雰囲気も良く、海鮮丼はとってもおいしかったです。 小倉へ移動し、雨の中駅前をウロウロして、新幹線に乗る頃には体も冷えて疲労困憊。 (野球の経過を追っていたせいもあるが) 雨さえなければ…と口惜しくなる福岡旅行でした。
《女子》
SPはルナ・ヘンドリクス選手が圧巻の内容で1位発進。2位イザボー・レビト選手、3位イ・ヘイン選手に続いて坂本選手は4位という結果に。ルッツのミスはひさびさな気がします。千葉選手・吉田選手は初のワールドとあってかミスもあり得点を伸ばせなかった中、オリンピック出場枠がかかる来年の枠取りのプレッシャーがあったのでしょうか。 しかしFSはさすが女王の貫録、大逆転のパーフェクト演技で見事3連覇を果たしました。最終G3番目という滑走順も功を奏したのでしょう。後半のコンビネーションを決めるごと会場のボルテージが上がっていくところは観ているこちらも胸が熱くなる光景でした。 レビト選手はまるでしなやかな竹のよう。柔らかく力強く氷上を舞いました。フィギュア王国アメリカの矜持を示したとでもいうべきか。 ヘンドリクス選手のフリーは彼女の雰囲気にぴったりな楽曲。ノーミスで最後のステップを迎えたらどんなに盛り上がっただろうかと惜しまれます。初の戴冠を目前に力むところがあったでしょうか。イ選手も最終滑走のプレッシャーが大きかったのかもしれません。 3位に入ったキム・チェヨン選手のジャンプは力感をまったく感じさせない軽やかさ。完璧でした。 千葉選手は7位、吉田選手8位と健闘しました。 《男子》 宇野選手は時間を忘れるほどの静謐な美に満ちた演技でSP首位と、3連覇へ好スタートを切ります。鍵山選手も完璧な演技でガッツポーズの2位。わずかな差で3位にイリア・マリニン選手がつけます。三浦選手はジャンプで転倒しコンビネーションを入れられなかったのが悔やまれます。欧州チャンピオンのアダム・シャオ・イム・ファ選手はミスが重なり19位スタートと意外な展開に。しかしステップでは迫力ある動きで魅せてくれました。 FSでは第1Gのシャオ・イム・ファ選手は冒頭4Lzを決めると波に乗りました。最後のバックフリップの減点があってもなお高得点を叩き出し大大大逆転で表彰台に。 三浦選手は冒頭ミスがありながら、最後まで戦い抜きました。闘志あふれるスケーティングは日本選手の他の誰にもない魅力だと思います。さらなる成長が楽しみです。 ジェイソン・ブラウン選手の演技を最終Gで観られたのはうれしかったです。滑り出しから会場を自分の世界に染め上げる表現力、滑らかなスケーティングと美しいポジションは健在。彼ならではのスケートの美を堪能しました。まだまだ見ていたい選手です。 宇野選手は冒頭からジャンプのミスがあり、その後も続いて得点を伸ばせず3連覇はなりませんでした。それでも宇野選手ならではの世界を作り上げる域に達したと思います。今後の進退については言及しませんでしたが、気がつけば宇野選手もすっかりベテランと呼べる年齢になっていました。どんな選択を選ぼうとも、宇野選手の宇野昌磨たる演技を今回見られたこと、とてもうれしく思います。 怪我から復活しさらなる進化を遂げる鍵山選手。4Fを鮮やかに決めた時は思わず声が出ました。スケーティングの美しさだけでなくスピードも見違えるように進化していました。後半の盛り上がりにはこちらも昂揚感をかきたてられ、転倒こそあったもののSB更新のハイスコアも納得の内容でした。 しかしなんといってもマリニン選手。圧巻、圧倒。4回転6本すべて成功させる衝撃のプログラムで歴史を塗り替えました。これに追随する選手は果たして現れるのか。そして彼自身このクオリティをいつまで持続させられるのか。 来季の戦力図がますます楽しみになってきました。 |
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