忍者ブログ

いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
<<  < 10610510410399* 102* 101100989697 >  >>
先行逃げ切りをはかる東洋大対、復路にも実力者を残す青学大。
シード争いも先が読めない94回目の箱根路。
大手町ではどんな結末が待っているでしょうか。

《6区》
青学大は山下りのスペシャリスト・小野田選手で逆転を狙う作戦。山が下りに入ってから36秒の差をじりじり詰めていきます。15キロ付近で並び、徐々に離していきました。おそらくすべて計算どおりなのでしょう。はじめて前を追うことになった小野田選手ですが、伴走車が不在でも冷静なペース配分です。小田原で逆に30秒差にしたいとレース前に話していた原監督ですが、目論見以上の52秒差をつけることができました。
昨年区間3位の実力者・法政大の佐藤選手も拓殖大を突き放し、単独4位に浮上します。ほとんど映像に映らなかった3位の早大に1分差まで迫る好走でした。
山下りは順位変動が多く見られる区間でもあります。9位で出発した東海大・中島選手は風を切るような快走、拓大を抑えて5位浮上。帝京大も12位から5人抜き、7位で襷リレー。小田原時点で7位から12位までの差はおよそ1分半、シード争いもこれからが本番です。

《7区》
青学大・林選手は区間記録を上回るペースで先頭を行き、後続をつき放します。
わずかの差でひしめいていた10位付近の各校が集団走となり、ますます順位の行方がわからなくなってきました。いっぽう4位の法大・岡原選手は、3位早大・永山選手をとらえますが、永山選手も必死に先を行きます。復路のエースが集う7区は、それぞれの意地のぶつかり合いです。
18位と上位進出は厳しくなった東京国際大ですが、7区を走るのはオールドルーキー・渡邊選手。世界陸上の出場経験もあるトラック選手が東国大の予選会突破に貢献し、30歳での箱根デビューとなりました。どんな走りを見せてくれるか、注目されます。
シード圏へ2分差でスタートした13位の駒大・7区は、出場も危ぶまれていた実力者の工藤選手。最後の箱根は、やはり強行出場だったのでしょうか。大八木監督も不安げに見つめますが、フラフラと苦しげなフォームで、それでもなんとか走り続けます。
そんな後続はどこ吹く風、林選手は下田選手が待つ平塚へ区間記録を17秒も上回るタイムで飛び込んでいきました。「9区、10区はピクニックラン」と嘯いていた原監督のハーモニー大作戦、完遂がいよいよかたちを帯びてきました。
シード争いは、終わってみれば順大が脱落。平塚中継所では10位・中央学院大から2分半の差がついてしまいました。
工藤選手は大八木監督の声に背中を押されるように、足をたたき歯をくいしばりながら、なんとか襷をつなぎました。指導者ならば、工藤選手を走らせるべきではなかったのかもしれない。それでも大八木監督は、工藤選手に最後の箱根を走ってほしかったのかもしれない。間違った選択なのかもしれないけれど、そんな大八木監督を、駒大を私はこれからも応援し続けたいと思います。

《8区》
2年連続区間賞のエース下田選手をここに配置し、青学大の態勢は万全。それより青学大にはいったい何人エース格がいるのか!?
青学大は毎年このあたりで独走が続いていたせいか、中継で下田選手をほとんど見ていないような気がするのですが、今年は最後の箱根で区間記録更新を狙えるペースのおかげか、各ポイントで抜かれるようになりました。
いっぽう、初の箱根の東洋大・浅井選手は苦しい走り。その差は遊行寺坂で5分半にまで広がります。
その遊行寺坂で法政大をかわしていた東海大・舘澤選手が、早大・大木選手を抜いてついに3位浮上。さすが東海大の黄金世代の一員、区間2位と本領発揮です。大木選手は法大にも抜かれて5位転落してしまいました。
落ち着いたかに見えたシード争いですが、順大が1分21秒差まで詰めてきました。もしかしたら、もしかするかもしれません。
区間記録更新はなりませんでしたが、3年連続区間賞の下田選手は4年間で箱根の負けを知りません。それもすごいことですが、3年連続優勝に貢献する区間賞もものすごいことです。しかし下田選手がここまでの走りをしてもなお破ることのできない、20年前にたたき出された区間記録のすごさもあらためて身にしみます。

《9区》
青学大は4年生ランナーが続きます。しかし近藤選手は初の箱根どころか大学駅伝出場も初めてながら、復路のエース区間を務めます。若い世代で往路を奪った東洋大も、9区は唯一の4年生・小早川選手です。
こちらも4年生の4位法大・磯田選手に、早大・日体大が追いついて集団になり、さらには3位東海大との差も縮まりました。実力者の湊谷選手ですが、少しタイムが伸びません。ここへ来ての順位争いに、見ている側も力が入ります。
4年目にしてようやくスポットライトを浴びた近藤選手は笑顔でアンカーに襷を渡しました。小早川選手もタイム差を詰めて走り切りました。各大学上級生が多い後半区間は、それぞれが集大成の走りとなります。
工藤選手が精神力で運んだ襷をつなぐ駒大・堀合選手、シードは厳しくなったものの区間2位のタイムで前との差を詰めてきました。優勝やシードといった結果だけではない、少しでもタイムを上げて来年へ襷をつなぐという使命が、箱根を走る者にはあります。
ただ実際に襷をつなげられない繰り上げスタートも、箱根駅伝には避けられない風景となっています。あとわずか届かなかった国学院大に、鶴見中継所前の数十メートルはあまりにも長い直線となってしまいました。

《10区》
新春のビル街を吹きめぐる強風にあおられながらも、各校アンカーはゴールを目指します。
東海大の後ろを走る早大に、鶴見で1分差だった日体大・中川選手が秒差まで詰めてきました。しかし早大・谷口選手は4年生の意地、追いつかれることなく距離を広げていきます。
7区で落ちた順大ですが、ここへ来て10位・中央学院大まで1分以内に迫ってきました。4年生にして初の箱根を走る花澤選手に、シード奪回は託されます。
観衆すずなりの大手町を目指し淡々と駆けた青学大・橋間選手は、ゴールテープの向こう、笑顔の仲間に向かって元気よく飛び込んでいきました。青学大の4連覇達成は、総合11時間切りの大会新記録。何やら万感の思いに浸るような表情の原監督は、4回宙を舞いました。
青学大のゴールから4分53秒後、ひるまず前を向き走り抜いた東洋大・小笹選手が1秒をけずり出す区間賞でフィニッシュ。柏原選手を擁して優勝してから10年、そこから3位以内の座を譲らず上位を守ってきました。ただ、東洋大が狙うは優勝のみ。そこに笑顔はなく、酒井監督の挑戦はまたいちから始まります。
3位は残り1キロで東海大を逆転した早稲田大。谷口選手が伝統校の誇りを胸に、涙の逆転劇を演出しました。
4位は日体大。アンカー中川選手の強風に負けない体幹の強さが光りました。
5位に落ちてしまった東海大。4年生アンカーの川端選手は最後に失速してしまいました。それでも黄金世代が得た経験は、来年以降生きてくるはずです。
法政大が6位、以下城西大、拓殖大、帝京大と続きました。この3校は予選会組。そして最後のシードは中央学院大が守り切りました。最後は15秒差まで詰めた順天堂大ですがわずか及ばず、来年は予選会へと回ります。
9年ぶりにシードを失った12位の駒澤大。近年苦戦が続く大八木監督ですが、なんとか挽回を期待します。
5区の失速が響いた神奈川大が13位。中央大もシード奪回はなりませんでした。

《結果》
終わってみれば、青学大の層の厚さが他校を圧倒するかたちとなりました。6区には絶対的自信を持っていたと思いますが、7・8区も完璧なレース運びで勝利を確実なものにしました。個の力ではなく、選手たちの和を結集したチーム力で4連覇を狙った「ハーモニー大作戦」は大成功。
当日の天候も体調も、箱根は何が起きるかわからないとはいいますが、青学大にはまるで無縁のように感じます。地道な練習で積み重ねた自信の表れでしょう。それを的確に区間配置した原監督の戦略もぴったりハマり、まさにすべてが調和のとれたハーモニーとして結実した総合優勝でした。
ただ他校もこのままやすやすと5連覇を許すわけにはいきません。下級生の多かった東洋大はもちろん、箱根でも走れることを証明した東海大、下馬評を覆した早稲田大などが来年は有力な対抗馬となるでしょう。「打倒・青学大」戦国駅伝への期待とともに、逆境をはねのける原監督と青学大も見てみたい気もします。
95回目の箱根が、今から待ち遠しいお正月の終わりです。





PR
* SNOW FLAKES *
STOP  *  START
* カレンダー *
12 2025/01 02
S M T W T F S
5 6 7 8 9 10
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
* プロフィール *
HN:
さや
性別:
女性
自己紹介:
プロ野球&連ドラ視聴の日々さまざま。
* ブログ内検索 *
<<  <  *  NEW *  BLOG TOP *  OLD *    >  >>
Copyright©  さや
Designed & Material by ぱる
忍者ブログ ・ [PR]