忍者ブログ

いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
<<  < 119116115113112* 111* 110109114108107 >  >>
1000mで金メダルを逃し、連勝中の500mに優勝の期待が寄せられた小平選手。
このオリンピック最後のレースは、スタートで少しタイミングがずれたようにも見えましたが、最初のラップはここまでの最速タイムでした。そこからまったくスピードが落ちないどころか、最後はいっそうゴールを狙う目つき鋭く、さらに勢いが増したようにも見えました。オリンピックレコードのタイムでゴール、あとを待ちます。
どよめく会場に登場したのは世界記録保持者のイ・サンファ選手。小平選手の最大のライバルは500m一本にしぼって勝負を賭けてきましたが、地元開催による観衆の大きな期待と直前で小平選手の出したタイムに、相当なプレッシャーがのしかかっていたのかもしれません。ややミスが目立ち、小平選手を上回ることはできませんでした。
そして最終組のレースが終わった瞬間、小平選手の金メダルが確定しました。
喜びを爆発させる観客席に手を振りながら、小平選手が向かったのは、泣き崩れるイ選手のもとでした。
何度も試合をともに戦ってきたライバルであっても、レースが終わればスケート仲間。お互いを讃えあう姿は誰しもに美しいものとして映ったに違いありません。日本と韓国、政治的な表でもネット社会の裏でも何かと反目してばかりですが、このふたりの姿を見て互いを貶める言葉を吐く者はいないでしょう。国の名前を冠していてもアスリート精神に国境はありません。誰もが常にこうありたいものです。
表彰台ではようやく小平選手の満開の笑顔が見られました。滑っている時の黒ヒョウのようなクールな姿も、かわいらしい笑顔も、どちらもやっぱり素敵すぎます。あとスタート時の構える指先が妙に色っぽい(笑)

そして、開催前から金メダル候補だった団体パシュート。
もともとパシュートは日本人に向いた競技だと思っていましたが、個人で結果を残せなくてもバンクーバーでは銀メダル、ソチでも4位と好成績をおさめてきました。今回は一年のほとんどをともに過ごす合宿生活において個人競技だけでなくパシュートにも科学的分析を取り入れるなどさらに力を入れたようです。
3人の一糸乱れぬ正確な隊列、スムーズな先頭交代の流れはまるで芸術作品のよう。陸上のリレーのバトンパスのように、どの国にも負けない練習量に裏打ちされた技術が肉体的アドバンテージを逆転する瞬間は最高の気分です。
今回、日本チームは世界記録を何度も更新し、絶対的金メダル候補として挑みました。しかし確実にオリンピックに合わせてくるのがオランダチーム。全員がメダリストという超強力な布陣で、予選はオリンピックレコードのタイムでオランダが1位通過しました。日本はスタートに失敗した佐藤選手の声で高木美帆選手が一瞬立ち止まり、ヒヤリとしましたが、オランダに次ぐ2位のタイムで準決勝での直接対決を回避しました。しかし日本は序盤にミスがあっても中盤に余裕を持って流しても3位を突き放すタイムでしたから、パシュートはもはやオランダと日本のためのレースといっても過言ではありません。現に準決勝でアメリカはオランダ相手に最初から完全に流しており、対日本のカナダも途中から銅メダル戦に切り替えたようで、両チームとも決勝に先んじて行われた3位決定戦の迫力とはまるで異なっていました。
決勝。予選で失敗したスタートはきれいに成功。2周目まで日本がリード、拳に力が入ります。3周目でオランダが逆転し、テレビ前の視聴者は熱くなりましたが、選手たちは冷静にラップを刻んでいました。残り2周できちっと再逆転、終わってみれば1.58秒差をつけてのゴールでした。オランダが予選で出したタイムを塗り替える見事なオリンピックレコード。美しい走り、美しい姿勢、美しい4人の笑顔でした。
高木美帆選手はこれで金銀銅のコンプリート。姉の高木菜那選手も2本続けての決勝を走り抜きました。同じ世界で戦う中で時にはお互い素直になれないこともあったであろう姉妹の金メダリスト、両親それぞれに金メダルをかけたいという願いが実りました。予選の失敗から不安でいっぱいだったはずの佐藤選手もしっかりと中盤をひっぱり、準決勝で走った菊池選手もダブルヘッダーの選手の疲労を最低限に抑えました。しかし全員が口にしたのはチームジャパンへの感謝、コーチやスタッフ含めたチーム全員で勝ち取ったメダルだということ。選手だけでなく、裏方も含めて4年間いかに努力と研鑽の日々を積み重ねてきたかを感じ取れる言葉の重みでした。

しかしその努力が結果としてかたちに残らないこともある。
ノルディック複合ノーマルヒルの悔しさをぶつけるはずのラージヒルでしたが、渡部暁斗選手は「黒い三連星」の前に力尽きました。ガンダム見ていないからよくわからないんだけど…。
ジャンプは見事トップを飾るも、本人はインタビューではっきり「厳しい」と口にしていました。それは24秒後から3人続いてスタートしたドイツ勢。パシュートのように交代で先頭を滑り、体力を温存していました。対して渡部選手は孤独な戦い。スキー板も滑っていないようで下りで突き放すことができず、早仕掛けも通用しませんでした。
ドイツ勢、強し。メダルの色を争うラストスパートには3人ともまだこれだけの体力があったのかと驚かされました。
団体でもドイツが序盤からほとんど一人旅。3位スタートの日本はノルウェーとオーストリアのヨーロッパ勢の走力の前に屈し、アンカーの渡部暁斗選手の見せ場はありませんでした。
ノーマルヒルで銀メダル、ラージヒルで5位入賞、団体も4位。これだけのすばらしい成績なのに、「4年間で何も変わらなかった」と語る本人の心中を思うと胸が痛くなります。
クロスカントリーではヨーロッパに太刀打ちできない現実。
スケートのように、選手頼みではなくスキー競技もチームとして底上げをはかれないものかと歯がゆく思います。

メダルを獲得すると注目を浴びますが、結果には結びつかなくても心に残る競技はあるもので。
全員が入賞という結果を残した女子スノーボードビッグエア。若い選手が経験を積む一方、他種目から転向したベテランも攻めた演技を見せました。またウィンタースポーツの華でありながら世界と勝負できていないアルペンスキーでも怪我をおして出場したベテラン選手がいます。メダルばかり注目されがちなオリンピックですが、とくに競技を続行することに苦労がつきまとうウィンタースポーツで地道に努力を重ねている、こうした選手たちにももっとスポットが当たればいいのになと思います。



PR
* SNOW FLAKES *
STOP  *  START
* カレンダー *
12 2025/01 02
S M T W T F S
5 6 7 8 9 10
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
* プロフィール *
HN:
さや
性別:
女性
自己紹介:
プロ野球&連ドラ視聴の日々さまざま。
* ブログ内検索 *
<<  <  *  NEW *  BLOG TOP *  OLD *    >  >>
Copyright©  さや
Designed & Material by ぱる
忍者ブログ ・ [PR]