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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『海月姫』
能年玲奈の主演映画が公開された時にはたいして興味を持たなかったのですが、今回のドラマ化で原作が『東京タラレバ娘』の東村アキコであることを知り、気楽な気持ちで視聴してみたら…。
ナニコレ、めっちゃおもしろいー!
思わず原作を3巻まで無料で読んでしまいました。続きをポチりかけたところで全17巻と知り、指が止まりましたが。
際立ったキャラたちがおりなすスピーディーで単純明快なコメディかと思えば、女装兄と童貞弟との三角関係がちゃんと恋愛ドラマしていて、毎回泣きどころもあります。『のだめ』のような、漫画チックだけれど意外にも見ごたえある青春ドラマだと思うのですが、視聴率が思わしくないみたいですね…。キャスティングにこれといった看板俳優がいないからかな。
とはいえ、朝ドラ以降評価の芳しくない芳根京子ちゃんはクラゲオタクの冴えない田舎娘と変身後のあか抜けた姿をきっぱり演じ分けていて、さすが女優さんだなと感服しました。尼~ずたちの木南晴夏&内田理央&松井玲奈(後者ふたりは前髪のせいでどっちがどっちかわからん)も華を消して変人になりきっていますし、なんといっても瀬戸康史の女装が美しすぎる。声が低いからドラマ上は男だとすぐわかるのですが、見てくれは完全に普段バージョンの尼~ずを遥かに凌駕しています。女装男子といえば忘れられないのが池松壮亮(『MOZU』)ですが、今思えばかわいそうだったな…。
メガネ男子の工藤阿須加や振り切った森里香、間合いが絶妙な要潤(原作を読んだらハマり役過ぎて笑えた)など、兄と弟を入れ換えた以外は脇に至るまで漫画に忠実で、購入を断念したラストはいったいどういう展開になるのだろうと今からワクワクします。

『anone』
『Mother』『Woman』とさんざん泣かされてきた日テレの坂本裕二。今度はいったいどのような涙をもたらしてくれるのかと思っていたら…。
初回は坂本脚本のパターンともいえる、視点を眩ませるかみあわない会話の応酬。我慢していれば本題に入るはず…と耐えるにはその「本題」がなかなか見えてこないだけに、少し長く感じる時間でした。坂本脚本には毎回書いているような気がしますが、どうして連ドラでわざわざこういう導入にするのか、まったくもって理解に苦しみます。『カルテット』の高評価で満を持して制作された坂本作品の割には低い視聴率も、それが原因としか思えません。
しかし回を追うごとに深みを増していくのもまた、坂本裕二作品の特徴。ネカフェ暮らしでみずからを「ハズレ」と称する主人公のハリカは、幼少期少し個性の強い子であったため更生施設に預けられ、おぞましい虐待を受けていました。ネット上でしか心を開けなかったハリカでしたが、廃棄されていた偽札をめぐって、義理の娘との確執を抱える亜乃音、人が好すぎる持本や正体不明の女性るい子らと出会ったことで、少しずつ彼女を取り巻く世界が広がっていきます。
『Mother』の虐待、『Woman』のシングルマザーといったテーマが浮かび上がってこないだけに、今後どういった展開が待ち受けるのか予想し難いのですが、これまで別々に生きてきた人間たちの人生が偶然によって交差し、絡み合い、それによりさらにひとりひとりの存在が鮮やかに浮かび上がる、そんなひと時のきらめきを坂本脚本は明確に描き出してくれます。今回もきっと、強く心に刻まれる作品になるであろうと確信しています。

『BG~身辺警護人~』
ひさびさな気がするキムタク作品。いくつになってもキムタクはキムタク。SMAPとか、ジャニーズとか、そんな肩書はもういらない。キムタクというブランドは唯一無二にして永遠なのである。
それはさておき、『アイムホーム』でも父親役を好演していたキムタクですが、今回もちょっと権威のない父を演じています。しかし仕事上では飄々と周囲を煙に巻きながらしっかり役割を果たすところはさすがキムタク。いや、役柄なんだけど。警察が担うSPと異なる、民間警備が担うボディガードは『4号警備』でも描かれていましたが、やはり見どころはなんといっても丸腰ならではの激しいアクション。迫真の演技で魅せてくれます。キャストも江口洋介や石田ゆり子、上川隆也など豪華俳優陣。CGやロケも充実していて見ごたえがあります。
主人公は仕事でも私生活でも何やら過去を抱えている様子。キムタクが演じるのはもうラブロマンスではない、人間ドラマのできるトシになったのだなあと何やら感慨深い思いにもなります。

『女子的生活』(最終回)
人は常にカテゴリーで分別されてきました。
国家レベルなら民族や宗教、学校という小さな単位ですら人はつねに何らかのカテゴリーを設け、それから外れる人間を排除してきました。生き方の多様性が叫ばれるようになった現代でもなお、多数派の中にいることこそが安寧であり、幸せであると定義づけられています。単一民族である日本ではなおのこと、その意識が強くDNAに刻まれているのかもしれません。
それはさておき、このドラマはそういった差別を声高に主張しているものではありません。だからこそ、カテゴリー外であることを自覚しながらアイデンティティをしっかりと保つみきの生き方は強く印象づけられます。
集団の中で生きていくうえで、人は何かしら生きにくさを感じながら日々を過ごしていかなければなりません。
子どものうちは、友達がいない。勉強ができない。運動ができない。なるべく目をつけられないように、いじめられないように、空気を読んで笑顔を作って教室での時間をやりすごす。
大人になれば、そんな我慢はしなくてすむと思ったら、大間違い。
結婚していない。
子どもがいない。
子どもが男あるいは女しかいない。
専業主婦、兼業主婦。年収の多寡。モデルファミリー、男やもめ、シングルマザー。
さまざまな人生をカテゴリーに当てはめて、カテゴリー外の人間を疑問視する人はどこにでもいるもの。
そういった周囲の声に時には傷つきながらも、一夜の涙とため息で日々を過ごすみき。LGBTだとか差別だとか関係ない。好きなものがあって、ともに笑う仲間がいて、気楽に付き合える友達もいる。時には失恋し、悲しいこともあるけれど、それでも明日に向かって闊歩する。自分らしく生きていくために。
カテゴリーに入れずに苦しんだことがある人ならば、みきの生き方に共感しないはずはない。みきは差別されてかわいそうな人ではない。頑張らなければいけない人ではない。珍獣ではない。このカテゴリーだらけの世界で一喜一憂しながら生きている、もうひとりの自分だ。だから自分も生きていこうと思う。みきのように、時にはくじけそうになっても、前を向いて歩いていこうと思う。



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プロ野球&連ドラ視聴の日々さまざま。
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