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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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自分の中ではフィギュア女子シングルフリーがこのオリンピックのクライマックスだと思っていました。
まだこんな心揺さぶる瞬間が待っていたとは!

準決勝ではメガネ先輩の正確なショットにやられて3位決定戦に回ったカーリング女子チーム。スピードスケートのマススタート決勝と時間がかぶっていたので、スマホ横目にテレビはスケートにあわせました。

大勢で一斉にぐるぐる回るマススタートは、何やら不思議な種目。レース状況への観察力やかけひきをしかける判断力を必要とする、まるで競輪か競馬のようです。
準決勝でもルールを理解する前にはやばやと決勝進出を決めていた高木菜那選手。同国の佐藤選手が転倒し孤独な戦いを強いられたことで不利になるかと思われましたが、決勝でも冷静なレースを展開していました。オランダの選手をしっかりマークしつつ、韓国の選手につかれても位置を譲らず、虎視眈々とスパートのタイミングを狙っていました。ラスト、オランダの選手が外にふくらんだ一瞬の隙をついてインから抜けたさまはまるで武豊のよう。シンボリルドルフ? キタサンブラック? 競馬フリークのツレとその仲間うちではそんな話題で盛り上がったようです。
インタビュー前にカメラで前髪チェックしたり表彰台でぴょんと跳ねたり、レース中の強くて落ち着いた姿とは異なる一面を見せてくれたこともなんだかうれしい金メダルでした。
金銀銅をコンプリートした妹に続き、姉は2つ目の金メダル。高木家はなんとこれで両親どころかお兄さんにもかけてあげられる3つ目の金メダルになりました。国別ランキングでも13位に浮上したとか…?

この結果を知らないであろうカーリング女子ですが、日本チームとしては追い風としてほしい。チャンネルを戻せばエンドも佳境。
序盤は互いに1点ずつ取り合う展開、中盤はイギリスリードでブランクエンドが続き、8エンドにようやく日本は同点に追いつきます。
9エンド、最終投でブランクエンドを狙ったイギリスですがミスショットで日本がナンバーワンを取り、最終エンドへ。リードはしたものの不利な先攻となってしまいました。
3連敗中だった日本チームですが、その原因は10チーム中9位というショットの成功率の悪さでした。準決勝でもわずかなショットのズレが勝敗を分けました。しかしこの試合、スキップの藤沢選手はじめ大きなミスはなかったように見えました。むしろここいちばんの研ぎ澄まされた集中力を、画面越しにも感じました。最後の最後は、イギリスのミスが日本に銅メダルをもたらす結果となりましたが、そこでミスをしてしまうほどイギリスにプレッシャーを与え続けた日本の正確なショットが勝利を呼び寄せたのではないでしょうか。
しかしその寸前、藤沢選手もわずかなミスを犯していました。これでイギリスの勝利は固いと見られ、実況席も半ば諦めムードでした。
そんな絶体絶命の場面で、黄色のストーンが真ん中に滑ってきた真上からの映像、解説者のかすかな悲鳴とアナウンサーの絶叫「ナンバーワンはー! 日本だああー!」。この大会のクライマックスにふさわしい、これから幾度も見返すことになるであろう日本オリンピック史に残る名場面だったと思います。

北海道の小さな町で本橋選手が心血を注ぎ一から作り上げたチームが、羽生選手の金メダルに続く視聴率をたたき出すほど日本じゅうを熱狂させました。
オリンピックのたびに注目されてはいたけれど、選手たちのビジュアル中心の報道ばかりだったため、4年ごとにしか思い出されない感のあったカーリング。しかしこの大会で結果を残したことで、ようやく社会の中にひとつの競技として根づいたのではないでしょうか。予選リーグが大会期間を通じて行われていたこともあって、初の準決勝進出を決めた女子はもちろん、長野以来の出場となった男子も女子とはまるで迫力の異なるカーリングの魅力を教えてくれました。世界を見ても美人さんばかりとかノルウェー男子のおしゃれなパンツとか、競技内容以外でも目を惹いていましたが、試合内容も最初から最後まで見てみると非常に奥が深くて興味深い。文字どおりの布石や氷の状態を読んで変化させるスイープなど、本当に頭も身体も使うハードなスポーツなんだなと。将棋でも藤井六段が活躍する前から将棋メシや甘い間食が取りざたされていましたが、そりゃ栄養補給しないともちませんね。おやつタイムなんてのんきな言い方は失礼かと思いますが。

始まる前はなんやかんやありましたけれど、終わってみれば最初から最後まで興奮の連続でした。時差がなく移動距離が少なかったことも、日本チームの躍進の要因のひとつであったと思います。次の北京大会も近距離ですから、また盛り上がってくれることでしょう。リアルタイムで楽しめますし。
おっと! その前に、東京オリンピックがありました。
これもなんやかんやありましたし、これからもきっとあるのでしょうが、アスリートファーストを忘れず、選手を第一に考えた運営を行ってほしいと思います。まさかまた競技時間をアメリカに合わせて、深夜に決勝なんてやらないよね?






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