『コタキ兄弟と四苦八苦』
深夜ドラマらしいゆる~い雰囲気で、時々「フフフ」と笑いつつだらだら観ていたら、終盤にまさかの展開が待っていました。 確執のあった父親との再会、さっちゃんまさかの妹、さっちゃんの恋、とまどいつつも受け入れる兄弟、そしてさっちゃんとのお別れ…。 30分という短い尺で、レンタル親父を通じて描かれる人間ドラマは見ごたえがありました。野木亜紀子の脚本と山下敦弘の演出がこれほどハマるとは思いませんでした。狭い世界観を渋い出演者たちが大きく広げてくれました。 そして古舘寛治と滝藤賢一の芸達者なふたりの絶妙な間合いが示す距離感は本当の兄弟に見えましたし、芳根京子のあざとくない可愛らしさと泣き演技の美しさはさすが朝ドラヒロイン。ベストなキャスティングだったと思います。 ラストには、まさか三と四も…? というオチが。ちょっと続編期待しちゃいます。 『剣客商売 婚礼の夜』 もともと原作愛読者で、藤田まこと版の途中までは連ドラも視聴していました。藤田まこと&渡部篤郎&大路恵美のキャスティングがイメージどおりだったので、大治郎と三冬の演者が代わってからは観るのをやめてしまったのですが、今回のキャスティングが最初の雰囲気に近い気がしたのでひさしぶりに観てみました。 なかなか良かったです。この作品の出来は三冬のキャラにかかっていると思うのですが、瀧本美織の男装姿は凛々しく、ツンデレぶりも愛らしかったですし、大治郎とのツーショットもさまになっていました。小兵衛と大治郎はやや軽かったですが、殺陣はさすがでした。大治郎は浪人姿の方がカッコよかったな…。 ひさしぶりに原作を読みたくなってきました。 原作といえば、1巻の時点で三冬は小兵衛に恋をする女武芸者で、大治郎との絡みもほとんどありませんでした。ですので、三冬と大治郎が結ばれるとは露も思っていなかったのですが…なんとその巻末の解説で、三冬が大治郎の妻になるとあっさりネタばらしされていたのです(ちなみに他にも小兵衛が90歳まで生きるとかネタバレ放題であった)。そりゃ原作の初版はずっと前ですでにドラマ化もされていましたから、ネタバレも何もあったものではなかったのかもしれませんが…ネットもスマホもない時代、真っ白の状態で手に取った高校生の私。部屋でひとり「ないわーーーーー!!!」と頭を抱えて叫んだのでありました。 『麒麟がくる』(承前) 信長・家康が登場して、がぜん盛り上がってきました。 信長と光秀の初対面のシーンでは、「このふたりがやがて…? どうしてそうなる? どうなっていくの?」とワクワクしました。 おそらく、この大河のラストは本能寺の変でしょう。とはいえ、本能寺は今までの大河で描きつくされた素材。まだ新たな解釈の余地があるのか? それとも諸説ある中のひとつをドラマチックに魅せてくれるのか? まだまだ先の最終回が今から楽しみです。 そうさせてくれるのも、今回の信長が魅力的であるからに他なりません。今までの信長のイメージといえば、冷酷非道なカリスマで長身細目(イケメン)。小柄な丸顔で大きな目で笑う表情が印象的な染谷将太とはまるで異なります。 が、「今までとは違う信長像」を謳っていただけあります。今回の信長は両親に愛されたいと願うピュアな少年。ところが父に褒められたいからとアッサリ人殺ししちゃうサイコパス的な一面も持っています。まだまだ幼い信長ですが、この動乱の中で武将としてどのように成長していくのかが非常に楽しみです。 そんな信長の妻としてしっかり存在感を放っているのが帰蝶。川口春奈が実に良いです。代役であることも撮り直しであることも、マイナス部分を微塵も感じさせません。染谷将太とのツーショットが実に自然で、ふたりして光秀を表情で脅迫する場面は、ふたりの顔つきが似ていることもあって、見せ場として効果的でした。 さて主人公といったら、鉄砲を会得し嫁をもらったくらいで、道山と高政の板ばさみで苦しんでいるばかり。歴史の中心にやってくるのはまだまだ先のためこれといった劇的なエピソードがなく、なかなかその魅力を感じられません。「早う入れ」砲くらいでしょうか…。 そのお相手であった駒ちゃんも同じく。メインキャラの割には存在意義を感じられず、門脇麦の演技もイマイチで好感が持てません。東庵や太夫の立ち位置を考えれば、駒が本当に歴史の駒となるにはもう少し成長を待たなければいけないのかもしれませんが…今後菊丸との絡みがあれば面白いような気もします。 PR |
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