『コンフィデンスマンJP』
最終回まで騙されっぱなしでした! ダー子たちの過去は、今までのパターンからしてまず嘘なのだろうなとは思いましたが、まさか最終回が第0話だったとは! 真剣に見ずとも楽しめると軽く扱ったら大間違い、毎週のように最後でどんでん返しされて、もう騙されないぞと構えていてもやっぱり毎回「なんだよもー!」と膝を打ってしまう。映画になるようですが、今度はさらに大がかりな仕掛けを用意してくれそうです。 ダー子・ボクちゃん・リチャードの詐欺師トリオのバランスも絶妙。色気をまったく垣間見せずにあらゆる変顔バージョンで女優魂を見せてくれた長澤まさみ、最後はあの棒読みもクセになりそうだった東出昌大、中の人からして安定の演技派・小日向文世と、一見アンバランスのようで均整の取れたメインキャストと毎回豪華なゲスト陣(ウッチャンは事前の宣伝ぶりからするとちょっと肩透かしだったかな)。ダー子の描いた絵が別の回でゲストの部屋に飾られていたりと小ネタもちょいちょいさしはさまれているようでした(あとからネットの話題で知った)し、隅々まで楽しめる娯楽作品でした。 しかし毎度のように長丁場の対決でしたが、いったい劇中では何年経過しているのでしょうかね。ダー子はホントその執念をまともな仕事に費やしていたら…なんて野暮なことは言いませんよ。 『シグナル 長期未解決事件捜査班』 過去と通信し続けたことで、最終的に未来が変わってしまいましたが、健人の兄は帰ってこなかったのですね…。 最終回が駆け足気味で、過去の改変と現在がどうつながったのか、「今の未来」が結局どういう世界なのかはっきりと説明されなかったため、今ひとつ頭が追いつかず想像で埋めるしかないのが少し残念です。目が覚めると「記憶が変わっている…」。まるで『ときめきトゥナイト』の過去の扉みたいですね。行方不明になっている大山がどこにいてどういう状態なのかはっきりと描かれなかったことは、それはそれで余韻を残す良い演出ではありましたが。 大山&三枝コンビが時空を超えて事件を解決していく図式は斬新だと思ったのですが、後半扱う事件が重すぎて、ファンタジー×サスペンスはやはり連ドラでは難しかったのかもしれません。 それでもスピード感が最後まで失われなかったこと、俳優陣の緊張感あふれる演技が作品を見ごたえあるものにしていました。 中でも甲本雅裕演じる岩田係長の存在感は素晴らしかったです。板ばさみになる中間管理職の悲哀が全身から滲み出ていて、究極の選択を迫られる場面には胸が痛くなりました。渡部篤郎演じる中本の憎々しさが倍増されました。最終的に中本に制裁が下っていたことは救いです。それにしても渡部篤郎@警視庁エリート=ロクデナシという図式が完成されてしまいました。 これはこれで完結していますからおそらく続編はないでしょう。それより『CRISIS』の続編が見てみたい。 『未解決の女 警視庁文書捜査官』 こちらは続編に困らなさそうな刑事ドラマ。演技派俳優に囲まれて、波瑠ががんばっていました。事件自体よりも、個性的なキャラたちのやりとりを楽しんでいたように思います。 第6係の面々のバランスが絶妙でした。遠藤憲一が少しキャラが薄くてもったいなかったような気もしますが、高田純次がちょいちょい朝ドラネタをブッ込んでいたのはアドリブなのでしょうか。沢村一樹に「記憶喪失なんて朝ドラの見過ぎでしょー」と振っていたところは笑ってしまいました。 最終回の事件は実質未解決となりましたが、谷村美月は波瑠と対峙する絵面を考慮して同世代の女性を持ってきたのでしょうか。ただ個人的に谷村美月の演技力にはハテナがあって、ラスボスに配置するには技量不足の感がありました。このキャストで次作にひっぱるのは少し無理があるかな…。 ただ一話完結のドラマは安心感をもって見られるので、続編があったらまた見てみようと思います。 『あなたには帰る家がある』 カピバラ英明に笑わされ、真弓に感情移入し、綾子に恐怖し、太郎に不覚ながらも可愛さを感じてしまう…。 メインキャスト4人がハマり役すぎて、ひさびさに毎週楽しみでたまらなくなった連ドラでした。ツイッターでもしていたら、リアルタイムでつぶやきまくったに違いありません。一括で感想を書くには思うところが多すぎる。 欠点だらけの二組の夫婦のラストは、英明と真弓は再婚することなく適度な距離感で友好関係を保ち、綾子は太郎の愛にほだされ復縁。結局落ち着くところに落ち着いた、という感じです。 それにしても綾子の行動はすべてにおいてホラーでした。あの可憐な服装も、それで台所に立ち肉屋レベルのメンチカツを作り上げてしまうところも、男の落ちどころを熟知した上目遣いも、木村多江があえて真弓含め視聴者を不愉快にさせるよう演じているように映りました。そして何やら魔女を演じることを楽しんでいるようにすら見えました。終盤、ヒッチハイクをスルーされたり心の声で真弓と張り合ったり、綾子のボロが出てくるところは痛快でしたが、視聴者にそう思わせているあたり、木村多江の演技力は圧倒的だったということですね。 それは中谷美紀&玉木宏も同じで、綾子の挑戦状を真っ向から受けて立つ真弓の負けん気も、英明のダメダメっぷりもやや大げさすぎにも感じましたが、それが逆に視聴者の共感を得たり、物語に入りこませたりしてくれたように思います。ユースケ・サンタマリアも同様、綾子を一途に思う不器用な男への変貌には、真弓ならずとも少しふらっとよろめいてしまいそうになりました。登場時の感情の欠け具合から、終盤の人間味を感じさせる表情の変化も絶妙でした。 しかし、同じ不倫の加害者でありながら、英明は許されず綾子は許されるという理不尽な結末に。それでも不快さがないのは、綾子と太郎は欠陥人間同士、似たもの夫婦だから憎しみもわかないのでしょう。 太郎は終盤綾子への愛を吐露し、株を上げましたが、最初のセクハラや傍若無人ぶりを思えば、ナス坊もやっぱり最低な男に変わりありません。綾子も実際に存在する人のものにしか興味を持てない女の敵の女。さんざん虐げられてきた姑に強く出るところは痛快でしたが、こんな機能不全の家にいて、信吾くん大丈夫? と言いたくなります。 タイトルの『あなた』は英明のことか、と解釈していましたが、綾子のことだったのですね。このあたりのひっかけも最高でした。 しかし玉木宏の結婚発表はこのドラマの放送後にしてほしかったな…と思います。木南晴夏がお相手とは、とても良いカップルだなと感じる一方、このドラマの玉木宏を見ていたら「大丈夫?」ってなっちゃいますし。「玉木ロス」なんてならないし…。 PR |
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