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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『麒麟がくる』
王道への回帰路線で視聴率も上々のスタート。制作側もほっとしていることでしょう。
驚いたのはオープニングクレジットの昭和風味な明朝体の大きさだけでなく、衣装の色合いの鮮やかさ。確かに目立ってナンボの戦国時代とはいえ、当時の染料で庶民に至るまであれほど派手な着物を纏うことができていたのか、自分の乏しい知識では何とも判断しかねますが、王道と言いながらこちらの先入観を裏切ってくるところは、これからの展開を含め非常に興味をそそられます。
時に悪役、時に悲劇の主人公と、物語によってさまざまに印象を変える明智光秀。
その人生はさまざまな英雄に振り回されて、本人が時代の先頭に立ったのはわずか三日間。
だからこそ、光秀自身だけでなく、そのまわりの英雄たちがどれほど魅力的に描かれるかも重要になってきます(そのあたりは『真田丸』も同じで、こちらは大成功でした)。
今のところ、齋藤道三(モックン)も、織田信秀(高橋克典)も貫禄たっぷり。チョイ見せされた松永久秀(吉田鋼太郎)も実にうさんくさくて魅力的です。これから登場する信長(染谷将太)や藤吉郎(佐々木蔵之介)らが、光秀にどう影響を与えていくかも実に楽しみ。
『太平記』でも市井の人びとを歴史の渦へ巧みに絡ませていた池端俊作ですが、今回も町医者の望月東庵やその助手である駒、農民の菊丸などが初回から登場しました。とくに菊丸は…最後の最後まで光秀の傍らに付き添いそうな気がするのは…。
そして、開始前からアレコレ話題になってしまった帰蝶ですが、織田家へ嫁ぐ前に結婚歴があったとは知りませんでした。信長の強い個性に負けそうにない勝気な姫の雰囲気ですが、その凛とした立ち居振る舞いの裏にはやはり戦に翻弄された悲しき女性としての一面があったことを一瞬で感じさせた川口春奈には、ステレオタイプにとどまらない新しい帰蝶像を確立させてくれることを期待します。
これから何が起きるのか、おおまかな流れをわかったうえで物語を楽しむ、この一種の安心感が大河なのだなあ…としみじみします。

『テセウスの船』
主人公がタイムスリップして家族の犯罪を未然に防ごうとする――ドラマで描くと荒唐無稽になってしまいそうな題材ですが、竹内涼真&鈴木亮平のふたりの演技が情感あふれており、不覚にも泣かされてしまいました。
平成元年でもまだまだ昭和の色を濃く残した東北の片田舎。一面の雪景色に鎖された村で起きる不穏な事件の数々。父は本当に毒殺事件を起こしたのか。真犯人は誰なのか。
初回から疾走感と緊迫感に満ちていました。質の高いミステリーです。
榮倉奈々の老けメイクはさすがにやりすぎ感がありましたが、30年前に戻った時の肝っ玉母ちゃんぶりとのギャップが大きかっただけに、はじめて母の笑顔を見た主人公の幸福感がいっそう心に響きました。それもあって、自然と主人公を応援する気持ちになってしまうのです。
アクセントになっているユースケ・サンタマリアや麻生祐未など、脇を固める村人たちも怪しい雰囲気がぷんぷんしていて、どんなラストが待っているのか想像もつきません。
ただ、せいやが真犯人…はナイ、はず。

『スカーレット』
あれほど胸キュンで満たされていた八郎沼が、一気に干上がってしまう展開に…。
いや、クズハチにならなくて良かったとは思うのです。
三津の引き際は見事なものでした。夫婦の絆に陰を落とすことになった三津ですが、不思議とそのキャラに不快感はなかったのです。
三津が八郎に惹かれるのは自然なことだと思うし、しかしそれと同じくらい喜美子にも尊敬の念を抱いていることは伝わってきました。百合子との間に芽生えた友情も彼女にとっては大切なものであったはずですし、川原家を壊してはいけないという自制の念が八郎への思慕を上回った結果でしょう。ちょうど同時期に報道されていた棒…じゃない、某朝ドラ俳優のクズとは大違いです。
一歩間違えばウザったくてイヤミなキャラになりそうな三津でしたが、『スカーレット』と『アシガール』は同じスタッフらしいですから、黒島結菜の魅力の引き出し方を熟知していたのでしょう。
穴窯の魅力に取り憑かれてしまった芸術家気質の喜美子と、どこか自分に対して冷めていて既存の枠からはみ出し切れない八郎の間の亀裂は、決定的なようです。
ふたりの人生観の違いは、恋人になる前から明確に描かれていました。しかし結婚とは、異なる環境で育ち異なる価値観を持ったふたりが、ひとつ屋根の下それらを擦り合わせて、また新しい環境と価値観を育てていくという作業のくり返しでもあります。そして、そこにお金という現実的な問題が横たわってしまうと、その工程は途絶えてしまいがちです。
ですが、冷静に思い返してみれば、穴窯に対して消極的だった喜美子の背中を押したのは八郎だよな…? 莫大な資金が必要なことをわかっていながら、たった一度で成功できるとでも思っていたのだろうか…?
八郎の説得は至極もっともだけれど、いざシビアな現実をつきつけられて、怯んでしまったように映るのです。しかも喜美子が穴窯に執着するようになったのは、炎の前でキャッキャしたり寄り添って眠ったりする八郎と三津の姿を見てしまった反動も原因のひとつであります。稲垣吾郎の出演が発表された時、「喜美子を支える存在」という意味深な紹介がされていたので、「まさかやっぱりクズハチに!?」と血の気が引いてしまったのですが、これはこれで、違う意味での八郎株の大暴落でした。
しかし八郎には八郎の信念があり、喜美子とは異なる陶芸家としての生き方があります。それもまた、喜美子のために犠牲にしてはならない尊いものです。
ふたりのこれまでの道を丁寧に描いてきたからこそ、これからのふたりを祝福できるような、前向きなお別れになってほしいものです。

『コタキ兄弟と四苦八苦』
野木亜紀子&山下敦弘とあっては興味を惹かれずにはいられない…。
古舘寛治と滝藤賢一というおやじくさいキャスティングがくり広げるのは、そのまんま、レンタルおやじの物語。30分枠という短時間で、さまざまな事情を抱える依頼人に振り回される兄弟の四苦八苦が描かれます。
野木亜紀子の歯切れ良い脚本と山下敦弘の人間味ある映像に加えて、芸達者な演者たち。実に贅沢な時間です。マドンナ的存在? の芳根京子もアクセントになっています。
東京より二週遅れての放送のため、ネットニュースでのネタバレをかわさなければいけないのがつらいところ。




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