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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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さあ、いよいよです。

直前でチームの要・嶋を欠くことになった侍ジャパン。台湾相手の壮行試合、阪神・オリックス相手の強化試合でも芳しい結果を出せなかったことで、覇権奪回に赤信号が点滅しています。
それでも、きっと侍たちはやってくれるはず。
開幕までの間、四年に一度の祭典を思いっきり楽しみましょう。

3/7 vsキューバ ○
大事な大事な初戦を任されたのは石川。本来ならば初戦大谷、菅野は二戦目で調整していたので動かせなかったのでしょう。しかしここに強心臓の石川を持ってきたのは小久保監督の慧眼であると思います。台湾戦も失点はしたものの、石川らしさを随所に見せていました。
しかし2勝3敗で本番を迎えた侍ジャパンのリズムは、まだ完全に整っていませんでした。先頭に内野安打を許し、続く打者のところで松田がエラー。破壊力ある打線を掲げるキューバ相手に、にわかに空気が重くなります。
そんな雰囲気をぶち破ったのがセカンド菊池。侍ジャパンの初アウトは、名手のグラブから生まれました。菊池・坂本という日本の誇る鉄壁二遊間の華麗な併殺で、暗雲は去りました。石川をはじめ、選手たちの表情も心なしか少しあかるくなったような気がします。
無失点で切り抜けたその裏、アメリカから合流したものの今ひとつ振るわなかった青木が日本の初ヒット、しかも長打を放ち、筒香のタイムリーで東京ドームがますます熱狂します。次の回の小林の初ヒットにはベンチも大盛り上がり。
その後同点にされたり、山田のホームランと思しき打球を観客が捕球して二塁打になったり、いろいろありましたが、開幕まで調子の上がらなかった攻撃陣が水を得た魚のように生き生きと躍動している姿に、ようやくWBCが始まったのだ、と実感しました。
楽勝ムードだった終盤。3イニング目の則本がにわかにつかまります。よみがえるプレミア12の記憶。やはり則本に回またぎの中継ぎ登板は鬼門であったか…。とはいえ実力からして第二先発を担ってもらわないと困る投手なのですが。
乱打戦の様相を呈してきた頃合いで、我がチーム唯一の侍・平野が登場。制球が乱れランナーを溜めてしまいます。バッテリーを組む小林はフォークの捕球体勢に難があるので、得点圏にランナーを置いた時の配球が気がかりでしたが、2アウト目を取ったその一球までフォークゼロとは…。落ちる変化球に不向きと言われていたWBC球ですが、強化試合の時にはじゅうぶん使えるくらいに投げられていたように見えたのですが…。
しかしあとひとつまでこぎつけて、「うん、いつもの平野やね」と安堵したところで、まさか(!)の投手交代。また(!)を付ける日がやってきた。
しかも秋吉。え? 秋吉は抑えにすると言っていたのでは…? これにはテレビ解説の原元代表監督も思わず苦言。「ベンチの意図がわからない」とは、原さんも正直やなあ。
憮然とした表情でマウンドを降りる平野にハラハラ。そして嫌な予感は的中、秋吉は平野のランナーを見事に一掃。うーん、実況も解説もテレビの前のファンも言葉が見つからない。その後日本が得点したから良かったようなものの…。
さすがに秋吉回またぎはなく、9回に登板したのは牧田。「困った時の牧田」ではなかったのか…? 5点差をつけているとは思えない焦燥感の中、グダグダのうちに試合終了。
試合に勝っても苦言の続く原さん。モヤモヤの残るオリックス&西武ファン。
ともあれ、初戦を飾った侍ジャパン。継投には不安が大いに残りますが、野手起用は大当たり。打線はこの勢いを持続させましょう。

3/8 vsオーストラリア ○
菅野は本当に頼りになる巨人のエース。
…のはずなのに、直前に放送されていた中居くんの番組で、レジェンドたちの評価が思わしくないことには驚きました。コレ! という持ち味がないことが理由のひとつだそうですが…。たとえば大谷の豪速球、田中のスライダー、ダルビッシュのピンチ時のギア加速などに較べれば、確かに表現のしづらい投手ではありますが、「すべてが90点」の投手がいったいどれくらいいるというのか。
さて、パワプロのステイタスにも「負け運」がついているらしい菅野投手。直球も変化球もコントロール抜群で、見ているとまるで打てそうにもないのに、なにゆえたった一球の失投を仕留められてしまうのか。そして同点のまま降板してしまうのか。これは本当に実力でもなんでもない、「勝ち運」に恵まれない星のもとに生まれのだろうな、と人生の機微について考えさせられてしまいます。
それはさておき、球数ぎりぎりまで粘るもランナーを残した菅野のあと登板したのは、連投の岡田。昨日も同じような場面で打者ひとりから三振を奪いましたが、この日は制球が定まりません。このようなピンチならブルペン映像に映っていた宮西では…?
顔面蒼白の岡田は暴投に四球で一死満塁。コーチが出て間を取るも、まったくストライクが入りません。静寂の球場でこだまする「がんばれー!」の声とかわるがわるマウンドへ駆け寄る内野手。
「まずいなあ、小林はこういう時に投手を立て直すことのできない選手だしなあ」とつぶやいたその瞬間、小林が立ち上がってマウンドへ。「おっ、阿部とのキャンプで成長したのかな」と見直すやいなや、岡田がようやく投げたストライクは、打ち損じで併殺コースへ。大歓声の球場、魂の抜けたままの岡田、大喜びの小林。この一幕は今回のWBCの中でも印象的な場面として心に残るに違いありません。
そして次の回、千賀が圧巻の投球を披露。その直後、攻守交替のインターバルで流されたニュースから球場に画面が変わった直後、スタンドに入る打球…うん? 何かのリプレイ? あれ、LIVE? 中田? えええー!?
生中継をうたっておきながら、これはいかんよ…。
代わり端の初球ホームランは中田の得意技といえ、WBC初ヒットが貴重な勝ち越し弾とは、いかにも中田らしい。さらに次の回、筒香も滞空時間の長いホームランを放ちました。日本の大砲がアベックホームラン、楽しませてくれます。
「どうだ、これが千賀だぞ! こちとらいっこも打ててないんだぞ!(涙)」と声を大にして叫びたくなるくらい千賀が完璧に抑えこみ、宮西も見事に相手を手玉に取って、最後は牧田。今日は最初から抑えと言われていたのか、牧田らしいタイミングを外す投球で、スッキリ連勝!
これで2勝0敗。日本の一次リーグ突破はもう間違いないでしょう。

3/10 vs中国 ○
前日、中国がオーストラリアに敗れたことで勝ち抜けが確定した侍ジャパン。WBC初の三連勝で一次リーグ〆といきたいところです。
今日は武田→藤浪の結果を出せていない投手リレーと、田中・平田が初スタメン。二次に向けての調整と主力のお休みの日でもあります。
田中と平田がそれぞれ攻守でアピール成功する一方、武田と藤浪はやはり今ひとつ。随所で良いボールはあるものの、今後も起用判断が難しいですね。
この三戦で評価がうなぎ上り、いや宇宙に向かって火を噴き飛び出すスペースシャトルのごとく急上昇している小林。まさか、小林が日本の正捕手と呼ばれる日が来ようとは…。てっきり大野がつとめるとばかり…。
しかし平野や増井の相手は大野の方が良いような。藤浪も大野に代わってからは完璧でしたし、相性のようなものがあるのでしょうか。今日の平野のフォークはキレキレでした。松井も完璧でしたし、これで全投手が登板。野手でも秋山がヒットを放ち、炭谷以外全員が出場を果たしました。
それにしても、試合後のインタビューをはじめてまともに見ましたが、小久保監督のやつれっぷりには思わず同情してしまいました。ゼリーしか喉を通っていないとか…代表監督に誰もなりたがらない理由がよくわかります。しかもこれから、ますます状況が厳しくなる二次ラウンド。相手はオランダに始まり、キューバ、イスラエルと続きます。あたりまえですが、どれをとってもたやすい敵ではありません。しかも初戦のオランダの先発はおそらくソフトバンクのバンデンハーク。球数制限が80球になることもあり、粘りの攻撃で早めに降板させたいところですが、そう簡単に攻略できないことはよーーーーく知っています。
侍ジャパンのさらなる奮起を期待します。








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