3/12 vsオランダ ○
二次リーグ初戦の相手は強打のオランダ。昨年秋の強化試合では乱打戦の末2戦2勝していますが、この日の先発はバンデンハーク。オリックスファンとしては苦い思い出しか見いだせない相手です。日本側は一番に田中、八番に秋山とオーダーを変えてきました。 そのバンデン対策が実り、秋山の犠牲フライで日本が先制。すぐさま同点にされますが、中田の3ランと秋山のタイムリーでふたたびリード。ちょっと楽観ムードが流れますが、おそるべしオランダの破壊力。火炎放射器のような攻撃を浴びてまたもや同点に。キューバ戦で好投しWBCのスタートを飾った石川でも通用しませんでした。 オランダに傾きかけた流れを堰き止めたのが、二番手で登板した平野でした。4回裏、はじめてオランダを三者凡退に抑えると、その次の回、打席でもすっかり頼もしくなった小林が勝ち越しタイムリーを放ちます。 三番手は千賀。いきなりランナー二・三塁のピンチに陥るも、気迫の連続三振で乗り切ります。後逸をおそれずフォークを要求した小林の勇気にもあっぱれ。捕球にも自信がみなぎっています。 逃げ切りをはかる日本は続いて松井が登板。バレンティンに打席が回ったところでチームメートの秋吉へスイッチ。互いに知りつくした相手を確実な配球で三振に。最後のチェンジアップは首を振っての一球でした。 8回も、宮西がピンチに陥ります。さすがオランダ、簡単には逃げ切らせてくれません。強打ながら、球をしっかり見極める冷静さが光ります。一死満塁で増井が登板。気迫のストレートと強気の攻めで、見事に抑えます。 追加点を取れないまま、1点差で9回裏へ。クローザーとしてマウンドに上がったのは牧田ではなく、則本でした。アリだな、と思いました。平野や千賀、増井のような力のあるストレートに振り負けていたように感じたからです。先頭は見事な三振。気合のほどが見て取れます。しかし次の打者には力みが出たのか、四球。続くはバレンティン。先ほどの秋吉と同じように攻めようとしますが、さすがオランダの四番を張るだけあります、バレンティンはわずかなコントロールのずれをしっかり見極め、ヒットでつなぎました。 こうなると止められなくなるのがオランダ打線。あとアウトひとつまでこぎつけながら、しぶといタイムリーで同点にされてしまいました。ただサヨナラを許さない則本の気迫でした。 延長へ。こうなると、あとは気力と気力のぶつかり合いです。 10回表、日本は一死満塁と攻めますが、前進守備からの4-6-3はメジャーの守備力の高さを見せつけられました。 その裏は牧田が難なく片づけます。こうなるとなぜ9回は牧田でなかったのか、という意見が噴出するのですが…。 11回からはタイブレーク。無死一・二塁からのスタート、日本は手堅くバントを選び、鈴木がきっちりと決めました。こういう仕事ができる選手がいるのは大きいですね。そして、「あっさり」という言葉しか見つからない、中田のタイムリー。あまりにあっさりすぎて、「タイブレークつまらん」とまで感じるほどだったのですが、これは裏の攻撃もその危険性を孕んでいるということ…。 しかし、牧田はこれまた「あっさり」オランダ打線を手玉に取って、三凡で締めました。 19時に始まった試合が終わったのは、日付も変わろうかという時間。日曜にこれはキツイ。しかし、いちばんキツかったのはもちろん選手たち…以上に、小久保監督だったようです。 ベンチから出てきた時、心なしか目元が潤んでいたように見えました。お立ち台での声も掠れて、疲労困憊ぶりが伝わってきました。 まさに、死闘でした。 こういう試合を獲ったことで、侍ジャパンはますます強くなっていくはずです。 3/14 vsキューバ ○ 死闘をともに戦ったオランダは、その翌日、連戦にもかかわらず一次ラウンド無敗のイスラエルをコールドで下しました。日本も負けていられません。 山田の先制ホームランで幸先良く始まったはずの試合ですが、菅野の持ち味であるコントロールが今ひとつ決まりません。あっさりと逆転ホームランを許し、同点にするもまたもや勝ち越されてしまいます。 頼みのエースが打ち込まれ、なんとなく不安の漂う東京ドーム。 しかし! そんな試合の雰囲気を変えたのが! 我がオリックス代表! 平野佳寿ー! 塁に出すとややこしい俊足の一番打者を一球で仕留め後続もぴしゃりと抑えると、その裏、今大会のラッキーボーイ・小林の出塁からチャンスを広げ、日本は見事同点に追いつきました。 なんか…なんかな…。 平野が投げると、点が入る? …さてこのまま粘っていきたい日本ですが、次の回、増井が不運な長打から勝ち越されてしまいます。しかしすかさず小林のタイムリーで同点に。互いに一歩も譲りません。 松井、秋吉とつないで、8回裏。延長も見え始めたこの回ですが、一死から相手のエラーで松田が出塁。秋山がつないで、ふたたび小林。今大会、いちばん持っている男に回りました。期待度も満タンに膨らんだその時、小久保監督がベンチを出ます。代打!? 5割バッターに代打! これには驚きました。 内川の打球はライト線へ。狙ったかの如く、ファールゾーンへはみ出たギリギリでライトが捕球しました。松田がホームインするにはじゅうぶんな飛距離でした。熱狂冷めやらぬ東京ドームのスタンドへ山田がたたきこみ、ダメ押し完了。最後はきれいに牧田が〆て、二次ラウンドも負けなしの日本はこれで5連勝。 しかしこれだけ勝ち続けても、まだ勝ち抜け決定ではないのがツライところ。日本開催の試合もあとひとつ。勝ち星で飾り、スッキリとアメリカ行きを決めてほしいものです。 3/15 vsイスラエル ○ 昼間の試合でオランダがキューバに勝ったことで、万が一日本がこの試合を落とせば、2勝1敗で3チームが並ぶことになります。失点率によってはプレーオフに回ることになり、連戦になってしまう侍ジャパン。もちろん勝つことしか考えていない小久保監督が選んだ先発は、めざましい活躍を見せている千賀でした。 オランダ戦で2イニングを投げている千賀ですが、一次ラウンド無敗で勝ち上がってきたイスラエル相手に一歩も引きません。要所での威力ある直球、カウントを取るスライダーで相手を翻弄します。躊躇なくサインを出す小林も、フォークを後逸していた昨年の面影はまるでありません。 しかし中田がスタメンを外れ、活躍していた秋山を鈴木に戻したオーダーの打線は、なかなか糸口を見いだせず、千賀の好投に応えることができません。 千賀は5回無失点。これ以上ないほどに役割を果たします。 そして! ついにスポーツ新聞でも書かれ始めた! この男が投げると流れが変わる! ヨシヒサ・ヒラノー! 菊池のスーパープレーもあり、当然のごとく三凡に抑えた直後。 出ました! 筒香のホームランがー! ついに破れた均衡、日本打線も箍が外れたかのように打ち始め、あっという間に5点差に。 ホントに、平野が投げれば試合が動く…? ただ今日に至っては、菊池の守備に助けられましたし、あれだけ間隔が空いての回またぎは避けてほしかったですが。 ともかく終盤からは圧倒的日本ペース。8点差のついた9回はクローザー牧田。うーむ、この点差ですから藤浪や武田でも良いのでは? しかもキャッチャーは小林のままですし。前日、炭谷との完璧な間合いを見ているだけに、もったいない気がしていたのですが。 不安的中。なにやら牧田らしさがありません。左の多い打順だったこともあり、イスラエルも最後の最後で意地を見せました。これまで無失点だったクローザーが3失点。牧田にとっては少し辛い登板となりましたが、なんにせよこれで文句なし、二次ラウンドも一位通過が決定しました。無事にアメリカ上陸です!(そして脳内にはアメリカ横断ウルトラクイズのメロディーが) ロサンゼルスで戦うは、ドミニカか、プエルトリコか、アメリカか、ベネズエラか…いずれにせよメジャーリーガーがずらりと並ぶ強敵です。それ以外にも、ドームから屋外になる球場、ホームからアウェー、時差ボケ、乾燥、侍たちには多くの壁が立ちはだかっています。しかしこれまでの試合でも数々の逆境をはね返し、ここまで来ました。侍たちなら、やってくれるはず! 今から22日が待ち遠しい! …が、平日だから見られなぁいぃー! PR |
* カレンダー *
* 最新記事 *
* ブログ内検索 *
|