10/1 LvsH
西武が負ければオリックスの優勝がなくなる、ベルーナドームでの一戦。おそらくすべてのオリックスファンがこの夜だけは西武ファンになったであろう…。 しかし西武は消化試合、一方ソフトバンクは中5で千賀を持ってきました。 前日の楽天戦で柳田はフェンスに頭部を強打し、むち打ちと診断されたことが報じられていました。おそらく大事を取って欠場するだろうと思っていたら、いつもどおりに4番ライト。優勝への強い意志を感じました。キャプテンの気迫にチームも一丸になるだろうし、おそらくソフトバンクが勝つだろう。もともと他力本願、それもやむなし。そんな思いで気楽に観ていたのですが…。 今まで相手の胴上げを何度も見せられてきた西武。今年は絶対に見届けない、そんな思いもあったのかどうかはわかりませんが、松本が我が家の西武ファンも驚く快投を見せます。初回から飛ばす千賀は1巡目を完璧に抑えますが、打線が得点を奪えません。 そうこうしているうちに4回裏、西武に初ヒットが生まれると雰囲気は一転。満塁から栗山が鮮やかな先制打を放ちます。しかしそこからはさすがの千賀、追加点は許しませんでした。 千賀はその後、好守にも助けられながら7回を投げ抜きました。勝ちパターンの中継ぎが2連投していて出しづらい中、1点差で長い回を投げ切ったのはさすがエースです。 8回、西武は水上を登板させ、1アウト後に平良に交代。HP上位にいるふたりですから、最優秀中継ぎを同時に獲得させるためでしょう。落とせない楽天戦では9回に平良を登板させた辻監督が、この日は増田を9回に送り出したのも、松井裕と1個差で争っている最多セーブを取らせるためであろうことは容易に想像がつきました。 しかし打順は3番・牧原から。西武ファンは言い切りました。「増田はまったく信用できない」と。 気楽に観ていたはずなのですが…。 ここまできたら、ちょっと期待しちゃいましたよ…。 柳田は、やっぱり千両役者です。 首に痛みを抱えながら、ここでホームランを打てるのはさすがとしか言いようがありません。ベースを回りながらのガッツポーズ、踊り沸き上がるベンチ、優勝チームにふさわしい名場面だ。同点ではありますがすでに白旗を掲げていました。その裏、栗山が内野安打で出塁するも代走・滝澤が牽制で刺され、流れは完全にソフトバンクにありました。 西武もスミスや本田が無失点でしのぐものの、引き分けでもソフトバンクの優勝が決まります。 それが見えてきた11回裏。マウンドにはモイネロ・松本に続いて3連投の藤井。2アウト後、森が難しいフォークをとらえてヒットにします。無類の強さを誇っていた藤井のフォークですが、連投による疲労もあったのでしょうか。山川はわずかに浮いたその必殺球を見逃しませんでした。 打った瞬間、捕手海野はうなだれ、藤井は呆然と打球の行方を追って動けずにいました。山川は打席から変わらず引き締まった表情でベースを一周。ホームベースでチームメイトに囲まれようやく笑顔を見せましたが、お立ち台でも言葉を選んでいた印象です。CSを前に気を緩めないよう自制したのか、涙する海野や藤井を思い遣ったのかはわかりませんが、片方が消化試合とは思えないほど最後まで緊迫感に満ちた一戦でした。 オリックスファンとしては喜ぶべき西武の勝利ですが、サヨナラ打を浴びたバッテリーの止まらない涙には心を打たれました。 優勝争いとは、それほど追い詰められるものなのだと改めて思い知らされました。 あの日もそうでした。 2014年10月2日。 サヨナラ負けを喫した伊藤が、安達が、Tが、涙を流しました。 昼にはソフトバンクの二軍戦が行われていました。退団が決まった松田の、ソフトバンクの最後の試合でした。 セレモニーの中で、いちばん印象に残っている試合としてこの10.2を挙げていました。 オリックスファンも、松田の打球が左中間を割った瞬間のことは忘れられません。 そして、2022年。 くしくも日付は、10月2日。 オリックスとソフトバンクの優勝争いは、最終戦までもつれこむことになりました。 オリックスの優勝は、自軍が勝ちソフトバンクが負けた場合のみしかありません。 わずかな可能性しか残されていません。 相手が勝てば、致し方なし。ずっとそうです。 ですから、ただ悔いのないよう、試合をしてもらうこと。それしか望みません。 春先には、まさか2年連続消化試合なしなんて、思ってもいませんでした。 ここまで楽しませてもらったのです。 最後は笑顔で終わりましょう!! PR |
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