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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『舞いあがれ!』
リーマンショックが一段落し、舞が《こんねくと》を設立したあたりから(自分の中で)少し失速してしまいました。残り回数からして、パイロットには戻らないんだ…とわかってしまったので。
もともと航空学校をフェイルされる設定で、「飛行機のパイロットにはならない」は既定路線だったようです。
飛行機好きの少女が大学で人力飛行機に出会い、パイロットという夢を抱き、そこへ向かって仲間とともに努力するという中盤までの青春群像劇が非常に素晴らしかったので、その道をはずれざるを得なかったのは悲しかったです。いずれにしろリーマンショックは避けられない運命でしたし、イワクラの新人営業マンになった舞は、「お嬢さん」にちょっと意地悪だった事務員山田も心を動かされざるを得ないほど今までと変わらずひたむきだったので、感情移入して物語に入り込むことができました。
東大阪の町工場を回るうち斜陽の町になりつつある地元を憂い、そのために何かできることを模索し始めるという展開は、決して不自然ではありません。しかし元町工場の営業と新聞記者がゼロの状態から始めた《こんねくと》が軌道に乗る過程の描写はやや性急で強引だったように感じました(東大阪の町工場の技術のすばらしさを全国の視聴者に伝える、という意図があったのかもしれないが)。
最後の空飛ぶクルマの開発も、コロナや貴司くんの短歌を書けない苦悩と同時並行なのもあって駆け足で、最終回で未来に飛びいきなり空を飛んでいる展開は肩透かし感がありました。もちろん、学生が作るスワン号と、お金や人員を費やしさまざまな制度のハードルを超えなければならないかささぎとは製造過程がまるで違いますし、そこを丁寧に描いても面白くならないだろうなとは思いますが。
それでも、最後に五島の空を飛んでいるのが舞とばんば…というラストシーンは、半年前のふたりを思い出し感慨深いものがありました。ばんばの存在感は最後まで圧倒的でした。

『大病院占拠』
めめおらんのかい!
…という不満は置いておいて。
まあ、そこそこ楽しめました。ところどころ笑いながら。
なんだかんだ最後まで目が離せませんでしたし、緊迫感ある演出はさすがでした。最終回の青鬼が三郎を敵視していた理由はさすがに強引すぎたように思いますが。
ラストの「嘘だろ」も…。別に無理して押し込まなくても…。

『インフォーマ』
桐谷健太×森田剛という魅力的なキャストに惹かれて観始めましたが、期待どおりスリルとサスペンス満載のハードな作品でした。『ヒメアノ~ル』で恐ろしい殺人鬼を演じた森田剛ですが、ここでも前半ほとんどセリフのない殺人グループのトップを演じています。淡々と火だるま殺人を実行していく姿には背筋が寒くなるほどでした。
桐谷健太は無茶ぶりで主人公を振り回すが実は悲しい過去を持っている情報屋、という、桐谷健太という俳優以外には想像できないほどマッチした設定でした。ふたりに較べ佐野玲於が少し技量不足な感はあったものの、最後に記者魂を燃やしてパソコンに向かう表情は良かったです。でも最後、あんなゴツイ車にぶつかってこられたら普通死ぬよね…不死身になったか三島…。
木原と冴木の関係性がなかなか見えてこず、もどかしい部分はありましたが、すべてがあきらかになった最終回、そして余韻を残すラストシーンは印象に残りました。
最近活躍いちじるしい北香那も好演でしたし、横浜流星のサプライズ的出演には驚きました。その他、冴木や木原の周囲を演じたアウトローたちも皆ハマっていたと思います。
これほど暴力的で激しいドラマを地上波で放送できるなんて…ローカル以外では無理でしょう。関西に住んでいてよかった…。

『罠の戦争』
展開がスピーディで飽きさせませんでした。最初は「正義」だった鷲津が権力の渦に取り込まれ孤独な「悪」になり、最後は周囲への信頼と「正義」を取り戻す。オーソドックスといえばそうなのですが、そのシンプルさが逆に新鮮でした。かつて『お金がない!』で織田裕二が似たような変遷をたどっていましたが、今回の草彅くんもヒールに堕ちた時の目はなかなか腐っていました。もちろん褒めています。そこから息子の姿を見て覚醒する瞬間の変貌が素晴らしいのです。
可南子と離婚することがのちの秘書就任につながるというラストは爽快でした。しかしまだまだ巨悪の暗躍は続く様子。しかし続編はないでしょうね。現実の政界はきっとドラマを超える罠だらけでしょうから。
脇を固める女性たちが皆ブレない芯の強さを持っているところも印象的でした。初の女性総理を期待される大臣も、奥ゆかしい妻も、セクハラに耐える秘書も、スクープをもみ消された過去のある記者も、皆それぞれスポットが当てられてかつ全員魅力的でした。そして女性の活躍が押しつけがましくなく描かれているところも良かったです。





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