『アシガールSP』
待ちに待った続編でしたが、刊行されている単行本の進行と同じあたりでのハッピーエンドでした。 若君さまは今や大人気ですし、唯もどんどん大人の女優になりますし、尊役の子は引退していたにもかかわらず特別に撮影に参加したと目にしましたし、おまけに原作自体まだ連載中ですし、これ以上のドラマ化は難しいでしょうか。 90分に詰め込むには展開が早すぎでしたが、直前に放送されていた総集編を見ていたらうまくつながっていたのかな? それでもちゃんと現代版若君の壁ドンや、月光の舞が見られたので、よしとしましょう。 それにしても、原作はいったいどのような終わらせ方をするのでしょうか。唯と若君が離れ離れは悲しいですし、とはいえ娘が戦国に行ったまま帰ってこなくなるのは両親としては辛いでしょうし(『犬夜叉』みたいに行ったり来たりできるならまだしも)、尊が自由に行き来できるタイムマシンをすぐに開発するとは思えないし…。そもそも唯は少し大人になったとはいえ、ちゃんと若君の花嫁になれるかどうかも怪しい…。 『イノセンス 冤罪弁護士』 今季数ある弁護士ドラマの中で選んでみた逆転冤罪モノ。キャラ設定がベタベタで設定も使い古しの感が甚だしいですが、一話完結でテンポが良く、最後には主人公が逆転することがわかっているので気楽に見られます。 そういえばこのところ「5月には10連休か…どこか行きたいな…。そうだ、温泉! 温泉に行きたい!」と、思い立ち、やたら旅行サイトを検索するようになったのは、このドラマのせいであることに気がつきました。別府だの湯布院だの和倉だの秋保だの…お湯お湯しいんだよ! 『後妻業』 大竹しのぶ主演の映画の評判が高かったことは知っていましたが、それを木村佳乃でリメイクするとはなかなか思い切ったものです。『僕のヤバい妻』の怪演は記憶に新しいところですが、あの作品とはずいぶん趣向の異なる悪女ですから。しかも大阪弁…大丈夫なのか。 心配は的中して、出演者のセリフ回しの不自然さに、開始5分持たず録画再生を止めてしまおうかと思いましたが、我慢して見ていたらそれなりに慣れました。 W木村の丁々発止、木村佳乃の変顔炸裂はなかなか痛快です。 『いだてん』 これが大河ドラマなのか…いや、クドカン脚本なのだからこんなものか。 ドラマとしては予算をかけているだけあってスケールが大きく、テンポも良くて45分があっという間に感じるくらい面白い作品です。戦国・幕末ものでなく著名な人物ものでもない挑戦的で、かつ来たる東京オリンピックに向けた啓発的な作品ですが、さすがクドカン&井上剛&大友良英、観る者を飽きさせない疾走感あふれる作りにしています。既存の大河視聴者に受けるかどうかは知りませんが…。 ただ放送後に批評家が論じたとおり、初回の明治と昭和を行ったり来たりする構成は非常にわかりにくかったです。2話からは金栗四三パートにシフトしたためやや落ち着きましたが、それでも時折差しはさまれる現代版志ん生パートの蛇足感は否めません。たけしの落語も聞き取りにくいし。 その点、明治版志ん生の森山未來の語りは明確で、ドラマの雰囲気にもよく合っています。もはやたけしは不要なんじゃ…? それにしても、本当にこのペースで一年持つのでしょうか。金栗も田畑もその人生をよく知らないので何とも言えないのですが、オリンピックはさすがに何回も持たせられないでしょうし。箱根駅伝も出てくるのかな? 中村勘九郎は主役を張るには少し実力不足の感もありますが、そこは役所広司はじめ脇役たちにフォローしてもらいましょう。伴侶役である綾瀬はるかは魅力たっぷり、機関車と並走の自転車爆走にはビックリ。 ユイちゃん(橋本愛)や前髪クネオ(勝地涼)も出ていることだし、本当に巷で要望があるようにアキちゃん(のん)出てくれないかね…「前畑がんばれ!」の前畑秀子役なんかどうでしょう。 『まんぷく』 いよいよ、チキンラーメン作りが始まりました。完成品に近づいてくるスープ、麺の色といい、「0秒チキンラーメン」のCMといい、誘惑はんぱない。 それにしても、やっぱりこの作品における福ちゃんの描写にはハテナがつきまといます。実際の安藤百福は萬平さんの百倍、いや千倍変わり者だったでしょうし、そんな人のそばにいる仁子さんも何があっても揺るがない図太い根性の持ち主でないとあの成功はなかっただろうと思いますので、安藤サクラには、今までの夫を支える献身的な妻という概念を打ち破って、なりふりかまわず夫とともに戦う妻という新たな内助の功を見せてくれることを期待していました。 が、やっぱりそれを朝ドラで描くのは難しいようです。『マッサン』のエリーも今回と同じように創業者を支える妻でしたが、ウイスキー作りと並行してエリーの成長譚が進んでいたので見せ場がありました。が、福ちゃんには当初からこれといった個性が見えてきません。知性のある常識人なのか、萬平を盲信して周囲も巻き込む変わり者なのか、平凡な福子というキャラを安藤サクラの演技力で味つけしてほしいというような制作側の丸投げ感もうっすら感じる福子像のアンバランスさです。オープニングも音楽に合わせて好きに歩くだけだったというし…。疎開先の山と泉大津の海が背景だから年が明けたら変わるのかと思いきやそのままだったし…他の朝ドラと較べてやっつけ感がひどくてかわいそうな気も。 前半は鈴さんや塩軍団という個性的なキャラクターがいたからまだいいものの、後半は萬平の孤独な戦いが続いてせっかくのチキンラーメン編なのに少しトーンダウンしています。克子姉ちゃん家のドタバタでムードを和らげようとしているのでしょうが、モデル問題は二度目なので新鮮味もありませんし…。いつの間にか白薔薇や麺作りを手伝わされる鈴さんは相変わらずで安心しますが。 すべてにおいて「惜しい!」ばかりの朝ドラです。それでもうんざりするほどではないのは、キャストの演技力と演出の上手さなのかな。 PR |
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