『今日から俺は!!』
高校生の時、友達間で流行っていたこの原作。ヤンキー漫画と敬遠していたものの、友人の爆笑ぶりについ一冊借りて読んでみたら、見事にハマってしまいました。 しかし卒業するまでには読みきれず(完結もしていなかった)自分で集めようかと思っていた矢先、大学入学後に彼氏の下宿で再会しました。しかも全巻揃っている! それからは毎週のように行っては読み行っては読み、もはや漫画を読むために彼氏の家に行っていたようなもの。すなわち『今日から俺は!!』がふたりの関係を結びつけたと言っても過言ではない! …かもしれない(今のツレである)。 さて、そんな20年前の漫画がなにゆえ今頃連ドラなのか、という疑問はあるにせよ、『左江内氏』を作ったスタッフなので、またあの原作をいい意味でガン無視したコメディドラマになるのだろうとは思っていました。原作は連載当時の90年代が舞台ですが、80年代に変更されています。いわゆるヤンキーがひとつのアイデンティティーとして生まれた時代ですし、理子の聖子ちゃんカットや京子のスケバンスタイルも私が現役高校生の頃の大阪ではもう時代遅れなものでしたから、三橋と伊藤が今日からヤンキーになる過程をわかりやすい設定にしているのかもしれません。 三橋役の賀来賢人はさすがのなりきりぶり。変顔おちゃらけとシリアスをうまく使い分けて、男女関係なく読者を惹きつけた三橋の魅力が充分伝わってきます。 そんな三橋に必死についていく若君様(伊藤健太郎)。だんだんはじけてバカっぽくなってきました(←褒めてます)。京子とのバカップルぶりは今後ますますおかしくなっていくはず。 理子演じる清野菜名は聖子ちゃんカットに違和感がまるでありません。さすがアクションもさまになっています。父(佐藤二朗)のアドリブに笑いを必死にこらえる姿は大変そう。まだ優等生風ですが、いつかあの腹黒っぽさを出してくれるのでしょうか。 橋本環奈はさすが福田組、美少女アイドルとは思えない変顔をさらしています。原作の京子とはまるで別物になっていますが、あの低身長でいくら女子高とはいえ番を張るのは無理だと思うのですがね。明美(これまたアイドル)のほうがいかにも昭和のそれっぽい。 そして、三橋以上に難解な役柄だと思っていた今井を、太賀が好演しています。身長の低さと詰め物感満載の上半身がちょっと違和感ですが、心底バカな今井をあれだけ愛嬌たっぷりに演じられる俳優は他にいないのではないかと思わせるほど。冷静なツッコミの間が光る矢本悠馬(谷川)ともいいコンビ感を出しています。 「ヒデ! 悪い子になって!」と言いたくなる相良(磯村勇斗)はラスボス感たっぷり。智司はこれから見せ場があるのでしょうか。佐藤二朗とムロツヨシの長尺アドリブはちょっと蛇足感がありますが…録画は必ず月曜に消化するほどハマってしまいました。 もう半分ほどが過ぎてしまいましたが、あの長い原作をどう消化していくのか気になります。廃墟に閉じ込められて無機物(コンクリ片)を食する今井、枯れ井戸に落ちてひとり取り残される今井のエピソードは是非実写で! 『まんぷく』(承前) 早くも感想その2。 萬平さんにすっかりノックアウトされております。 恋する福子の前で緊張する萬平さん、憲兵に捕まって傷だらけの萬平さん、結婚したらいつの間にか「福子」呼びの萬平さん、お風呂に入る萬平さん、妻の布団にもぐりこんで腕枕ポンポンの萬平さん。・・・ しかしなんといっても、「おいで」の破壊力よ! あのひとことで鼻血ブー(古)の主婦がどれだけ量産されたことか! もちろん安藤サクラの繊細な演技もドラマの質を高めています。が、もはやヒロインはハセヒロと言っても過言ではない。 いや、もうひとりいました。鈴さんです。 何かといえば「武士の娘」を連呼し、毎日のように「孫はまだか」攻撃、娘だけでなく婿に対しても文句タラタラ、今だったら「毒親」と呼ばれる部類かもしれません。しかしそれを不快感なく演じられるのは、この日本で松坂慶子しかいないのではないかと思われます。コロコロした体型で塩軍団の世話にバタバタ走りまわる姿はまるで母犬のよう(『動物のお医者さん』でチョビの世話をさせられたリリーちゃんのような)。悪態ついていてもおいしい食事の前ではコロッと態度を変えてしまうところも憎めません。 今のところ、本来のヒロインがこのふたりに喰われてしまっていてあまり魅力を感じられないのが残念です。金策に走り回ったり、塩軍団の気持ちをまとめたり、おかみさんとして手腕を発揮し始めましたが、萬平さんや鈴さんが割とアップテンポなのに較べて福ちゃんひとりがゆっくりめ、それなのにいきなり高い声を張り上げたりするので、目立つべき場面なのにかみ合わなさを先に感じてしまいます。『マッサン』のエリーのような存在感を発揮するような演出をしてほしいですね。 ちなみに、横で見ていたツレの感想は「泉大津の海があんなキレイなわけあらへん」でした。 そりゃ、今はそうでしょうよ(by紅しょうがのネタ「二色の浜はヘドロみたいなとこ」)。 PR |
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