『ブランケット・キャッツ』
西島秀俊+猫…狙いすぎちゃいますか。 猫がかわいすぎて展開が頭に入ってこないのが玉に瑕ですが、重松清原作とあって、心にじんと染みてくる、毛布のようにあたたかい短編集です。 テーブルの上で邪魔してくる。取り替えたばかりのトイレに入っていく…そんな猫あるあるに困り顔の西島秀俊を見ているのも楽しい。 偏屈な性格の職人で商売はマイペースそうだし、家具にも毛がいっぱいつきそうだし、獣医師が知人とはいえ何かとお金がかかるし、出演している猫はみんなプロでおとなしいしお利口だけれど現実はきっとてんやわんや。それでも猫に囲まれて暮らすのは猫好きにとっては夢のような生活です。 まあ、7匹はちょっと多いですが。おトイレの世話だけで大変でしょうね。2匹でも大変だったのに。 『ひよっこ』(承前) 舞台は向島電機からすずふり亭へ。「こんなイイ人ばっかなわけあらへん」と思いつつ、朝ドラはこれくらい穏やかなほうが良い。 それに、長女らしい不器用なみね子と、それを受け入れ導いてくれる周囲の人びととの絡みが実に自然です。ヒロインが「どうしよう、どうしよう~」と言っていたら周りが勝手に助けてくれる、という朝ドラにありがちな展開にしない、強弱と緩急のついた脚本と、その「間」を吞み込んだ演出のなせるわざでしょう。 お話は半分を過ぎましたが、今後の展開が読めません。この雰囲気だと、悲しいことは起こらなさそうですし、最後にはきっとお父さんも帰ってくるでしょう。みんなですずふり亭のビーフシチューを食べるのかな? あと、みね子のお相手も気になるところ。慶応ボーイにラブの予感ですが、個人的には職場の頼れる先輩であるヒデを押したい。しっかりしていて働き者だし、いつもみね子のことを気にかけてくれるし、優しいし。しかし淡い初恋相手の綿引さんも捨てがたい。故郷に帰ってまでお父さんのことを探し続けてくれるなんて、あんないい人いないわー。最近姿を見ない三男は、米屋の娘さんのところに落ち着くだろう。 『ちゅらさん』は結婚後話が落ち着いてしまったので、この作品は最後までひっぱってほしいですね。『ひまわり』は世相の関係でつまずいただけだったのでしょう。 『おんな城主 直虎』(承前) 井伊が歴史の荒波にもまれつつあります。 大国のはざまで必死に生きようともがく小国の悲哀を明確に描く脚本には、『真田丸』と同じ歴史観を感じます。桶狭間以降の今川家は今まで描かれることはほとんどありませんでしたし、家康と築山殿も個性的で面白い。戦国時代に視点を移し、時間軸の上を一点で移動するその描き方のおかげで、恋だの愛だのさしはさんでいても、いわゆる「スイーツ大河」とは一線を画しています。脚本家の力量あってこそでしょう。 しかし、ドラマ自体はワーワーキーキー騒がしいヒロインと、振り回される御供たち、ツンデレ幼なじみ…大河ドラマというよりも、朝ドラのノリ? 歴史の年表への適度な肉づけと愛すべきキャラクターたちのおかげで、まだ「見られる」大河になっていますが、一歩踏みはずすと悲惨なことになりそうで毎週ハラハラします。 年齢的にもとうが立っている直虎にはそろそろ城主らしい落ち着きがほしいところですが、直政の成長待ちですかね。子どもの頃からの三角関係だのワルに心惹かれるだの、主人公のまわりがいつまでも少女漫画のノリをひきずられるのはちょっと辛いです。 PR |
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