最近、甲子園よりも奈良大会の方に興味が向いている気がする…。
というのも、以前よりも各校の実力が拮抗していて、どこが勝ち上がってくるか読めないところが非常に面白いのです。 ベスト4こそ、順当にシード校が残りましたが、それまでにも多くのドラマがありました。 中でも、今年の「台風の目」と呼んでも良いでしょう、ベスト8の高円高校。試合前の整列の人数ですでに負けているような、部員数が20人に満たない高校なのですが、初戦の2回戦ではベスト8の経験もある強豪の奈良朱雀を相手に9得点の猛攻を見せ、何年ぶりかに初戦を突破しました。勝利後、涙を流しながら校歌を歌う姿に、スタンドで聴きながら目元をタオルでぬぐう保護者の気持ちになってもらい泣き。高円は次の試合も勝ちぬいて、ベスト8に進出しました。実は、監督の大会後の勇退が決まっており、「先生と一日でも長く野球を」の思いで一丸となって挑んだ最後の夏だったのでした。3年が抜けると9人以下になってしまうという高円野球部ですが、この躍進が新入部員の獲得につながることと思います。 準決勝1カード目は天理-智弁の因縁の対決。ルーズベルトゲームの末、今年は天理に軍配が上がりました。県内無敗の智弁でしたが、天理の執念が勝りましたかね。 続く高田商-奈良大附では雨による中断がありました。奈良大附が同点に追いつき、なおも攻撃中で突然の大雨。コールドにしてしまうとその回が無効となり高田商の勝利となります。運営側も苦悩したことと思いますが、結局はコンディション不良のまま再開。そして集中力を切らさなかった奈良大附が再開直後に逆転打を放ち、決勝にコマを進めました。 そして、決勝。緊迫感ある投手戦となりましたが、天理の堅い守備の前に奈良大附は攻撃の芽を摘み取られ、2-1という僅差で、天理が2年ぶりに甲子園への出場権を手にしました。 またも決勝の壁に阻まれた奈良大附。しかしその実力は天理に今シーズン2勝1敗の成績が示すとおり、決して見劣りするものではありません。今までは並んでみると天理・智弁と較べて体格の差が圧倒的でしたが、それも拮抗するほどのものになっています。守備も打撃も、数年前とは見違えるほど強化されていました。夏の甲子園への道のりは、本当にあとわずかです。 もはや、奈良は天理・智弁の2強時代ではありません。奈良大附だけでなく、公立勢も確実に力をつけてきています。戦国奈良大会と呼ばれる日も、遠くないような気がします。 それでも、伝統校ならではの「ここぞで勝ち切る力」を見せた天理。経験豊富な中村監督の下で育った選手だからこそ、その天理イズムは深く根づいているのでしょう。甲子園でも十二分にその力を発揮して、昨春の智弁に続く、奈良代表の優勝を狙ってもらいたいと思います。 PR |
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