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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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たまった有休を消化する、今年の夏休みは二日間。

一日は実家の片づけ、次の週の一日は疲労回復で日帰り温泉に行こうと決めました。
あれこれ調べていると、天川村の天河大弁財天社行きの臨時バスがお盆期間に運行されている情報を入手。
「ご縁がないとたどりつけない」というふしぎな言い伝えもある全国的にも有名なパワースポットで、かねてから行ってみたいと思っていたのですが、バスは一日にわずかな本数しかなく、訪問するにはツレを説得するかペーパードライバーを克服するしかなかったのです。
交通弱者にとって、これは朗報。
しかもすぐ近くには天の川温泉もあります。時刻表とにらめっこして、参拝から温泉という贅沢コースを組みました。
有休届を出して、準備万端。

実家に帰る予定の日の早朝、母からLINEが。
「遠い親戚が亡くなったから、今日はいいわ」
ええー。ということは来週と予定入れ替えか…。
ん?
今日は、まだお盆でないから臨時バス出てないんだよな?
てことは、天河大弁財天社には行けない…。

ガーーーン!

本当にご縁がないと行けないんだー!

ショック冷めやらぬ中、とにかく空いた予定を埋めるために計画練り直し。
考える暇もないので、天河大弁財天社方向にある洞川温泉に向かうことにしました。

近鉄下市口駅からバスで1時間ちょっと。
長距離バスは十津川行きで経験していますが、今回はぐるぐると円を描くように山道を登るので、頭もお尻もきつかったです。
どこかの学校の部活生が同乗していました。旅行者たちに席を譲って立ちんぼで、きっとしんどかったよね。大きな荷物を持って、合宿なのかな。「あと三日、がんばろ!」と声をかけあっている姿に、青春を感じてしみじみしました。私は大学以外、合宿とは無縁でしたが。

温泉街に到着。



猛暑日のお昼時ですが、川音が涼しさを誘います。

まずは腹ごしらえ。



川べりの《味処 きらく九兵衛》に入りました。
風景も落ち着きます。



鮎の塩焼き定食! ぜいたく!

鮎の塩かげんもいいし、煮物も味がしみていておいしい。ボリュームある卵焼きも具がぎっしり。
朝から電車とバスに乗っただけで食べきれるのか…と自分で心配になりましたが、きっちり完食しました。

食べ終わったら、周囲を散策。
川の反対側には鍾乳洞があります。
案内板を見ると、入口までモノレールがあるのだとか。どれどれ。



…。

なんか、思てたんと違う…。

係員は無人で、インターホンで呼べと。ひとりで? オンリーで? むりむりー!

で、モノレールはあきらめて、坂道を上ることに。

急斜面です。ぜいぜい。
上から観光客が何人も降りてきます。みんなモノレールで上がったのかな…うらやましい。



眺めは最高!

大峰山は信仰の地。
この山稜は大峯奥駈道と呼ばれる熊野大社への巡礼の道です。山上ヶ岳はいまだ女人禁制が守られる聖なる霊場。自然を敬い崇拝する山岳信仰は、日本という国の歴史と日本人のアイデンティティを語るうえでも興味深い分野です。

徒歩10分とはいえもはや登山。汗だくになりながら、到着しました。



なんか、怖い。

昭和8年に発見されたこの鍾乳洞は関西最大規模なのだとか。
修験道あり、鍾乳洞あり、歴史好きにはたまらん土地です。

入ると、ひんやり。それもそのはず、気温は8度。
ぽたり、ぽたりとしたたる滴の音も寒気を誘います。

秋芳洞に入った時もそうでしたが、身震いするのは寒気のせいだけではありません。
この岩石群が今のかたちを形成するまでに経た気の遠くなるような年月には、たかだか数十年で消えていく人間がいかにちっぽけなものであるかを思い知らされます。何万年もの時間、閉ざされた暗闇でひっそりと息づいてきた、自然という太刀打ちできないものに対する畏怖を感じます。





美しいライトアップも見ごたえあります。
進んでいくとお社があって、何かと思えば、テン・カワウソ・ニホンザルの白骨が備えられていました。なんと千年以上前の化石! 衝撃ですが、これも貴重な資料です。

時期柄、ファミリーの姿も多かったので、自由研究にはもってこいですね。






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