3/16 vsイタリア ○
ついに準々決勝、一発勝負の負けられない戦いが始まりました。 前日にはキューバ-オーストラリアが行われました。オーストラリアが先制すればキューバが逆転。その直後オーストラリアが1点差に追い上げる2ランを放つなど、熱い一戦となりました。 キューバにはデスパイネやモイネロ、マルティネスなどNPBで活躍する選手が多いので観客はキューバ寄りかと思いきや、オーストラリアにも多くの声援が送られていました。理由のひとつにはかわいらしい応援団長の存在もあったかもしれません。日本戦でオーストラリアの攻撃中、静かな球場に響き渡った「レッツゴージョージ!」。その声に応えるかのように粘るジョージの打席中、その応援はずっと聞こえていました。カメラはすぐその少女を捉えましたが、彼女は観ている者の心も捉えました。 そしてキューバ戦。1点差で迎えた9回裏2アウト、打席はジョージ。球場は「レッツゴージョージ」の声で一体となりました。あえなく三振で試合は終了してしまいましたが、その後球場全体から沸き起こった大きな拍手は勝者にも敗者にもひとしく送られた称賛でした。どんなスポーツも、国境や言語の違いを超え人びとの心をひとつにさせる力があります。今まで日本戦以外であれほど盛り上がった東京ドームは見たことがありません。サッカーのように誰もが容易に観られる視聴環境であってほしかったと思います。 さて、日本-イタリア戦。先発の大谷は初回から160キロストレートとスライダーで三者凡退。相手の攻撃時は静かな球場で、一球ごとに大谷の声が響いていました。これほど気合いの入った大谷を観るのははじめてのような気がします。CSでも日本シリーズでもお目にかかれなかった、本気の大谷でした。 1回裏、先頭ヌートバーがヒット、近藤が四球と、この大会の得点パターンで大谷を迎えるも、大胆な右寄りシフトに阻まれました。そして4番に入った吉田も逆方向を意識するあまり邪飛に終わり、5番村上もフルカウントまで粘るも微妙なコースで見逃し三振と無得点。 大谷はひとりのランナーも出さない気迫の好投を続けます。打線が応えたのは3回裏。代わった投手から近藤が四球で出塁すると、次の大谷はシフトの逆をつくセーフティバント! これが相手のエラーを誘って一・三塁の大チャンス! そして打席は吉田正尚! ショートゴロの間に近藤が還って日本先制(シフトがなければセンター前でしたが…)! 続く村上は四球を選び、なおもチャンスが続きます。そして6番岡本、泳ぎながらも放った打球はレフトスタンド! 見事なスリーラン!! 試合の流れは一気に日本へ傾きました! …と、思っていたのですが、大谷は初回から飛ばした疲れが出てきたのか、いきなりヒットを浴びると四球も出して二死一・二塁。相手打者の打球はレフトフェンス際へ! フェン直長打かと思われたその打球を、フェンスに激突しながらキャッチし落とさなかったのは吉田正尚! 実況も一瞬何が起きたのかわからないくらいの超ファインプレーでした(吉田比)!! もう交代かと思われた次の回もマウンドに立った大谷。おそらくこのWBC最後の登板でしょうから、ギリギリまで行きたいという本人の意志もあったのかもしれません。しかしやはり序盤の大谷ではなくなっていました。2死球とヒットでツーアウトランナー満塁。そして次のフレッチャー弟にライトへ弾き返され、2点を失ってしまいます。 71球投じていた大谷はここで降板。こんな悔しそうな大谷を観るのもはじめてでした。 なおも一・三塁のピンチで、「宇田川が出てくるのでは…」とドキドキしていましたが、コールされたのは伊藤。ここでも追いロジンは忘れない強心臓はやはり頼もしかった! 追い込んでからストライクくさいコースをボール判定されても乱されることなく、しっかり内野フライに打ち取りました! ここで追加点を取られていれば、流れは完全にイタリアへ行っていたかもしれません。正直、この試合のMVPはこのアウトを取った伊藤だと思っています。あまりクローズアップされないのが不思議…。 ピンチのあとにはチャンスあり。直後、先頭の大谷がストレートの四球を選ぶと、吉田は死球(やーめーてーもう何個目よ?)。そして交代した投手の初球を、村上が弾き返しました! 4番を降りて気が楽になったのか、村上らしい大きな飛球はセンターオーバー! そして岡本も続き3点を追加します! 5点差になった日本、マウンドに上がったのは今永。今日ももったいないくらいの好投でした。 そして7回表、ダルビッシュがベンチを出ると大きな歓声が。日本で投げるダルを観られるのはおそらくこれが最後です。栗山監督は、おそらくどんな点差であってもダルビッシュをマウンドに上げ、観客にその雄姿を目に焼きつけてもらいたかったのでしょう。 最後といえば、日本で打席に立つ吉田正尚を観られるのもこの試合が最後です。 昨年、オリックス本拠地最終打席で放ったのは観客を総立ちにさせたホームランでした。 そして、日本の本拠地最終打席も、打った瞬間それとわかる大きなホームランでした!! 涙が出てきます。あと2試合で吉田とはサヨナラなのだと…。 日本打線はとどまるところを知らず、村上が二塁打を放つと、源田のタイムリーで追加点。骨折した小指に痛々しいテーピングを施しながら、この試合源田はスタメンに復帰していました。そして打球を処理するたび大きな拍手を浴びていましたが、平均視聴率48%を獲得したこの試合、瞬間最高を記録したのはこの源田のタイムリーの場面でした。誰もが心を揺さぶられずにはいられない瞬間だったでしょう。 ダルビッシュは8回にソロホームランを浴びるものの、日本での最終登板の2回を投げ終えました。パドレスは当初の予定を覆しアメリカでのダルビッシュの登板を許可したようですが、ダルは、そして栗山監督はどういう選択をするでしょう。 9回は大勢。今までと異なる緊張感があったのか、いきなりランナーをふたり出すものの、最後は最高のストレートで見逃し三振を奪い準決勝進出を決めました! 新聞一面は全紙大谷のバントでしたが、全員がそれぞれ見どころを作ったチーム一丸で獲得した勝利だったと思います!! まさに全員が主役の全員野球! 「全員で勝つ!」チームは強い! さあ、いよいよ舞台はアメリカに移ります。 プールCはメキシコ・アメリカが勝ち抜け。激戦区のプールDはベネズエラが全勝で1位、そしてプエルトリコが続き、優勝候補ドミニカが敗退となりました。 21日に迎える準決勝の相手は、メキシコ-プエルトリコの勝者。ここまで来ると、どちらが来ても強者に違いはありません。 いざ出陣! 勇敢な侍たちはやってくれると信じています! そして有休を取った22日を歓喜の一日にさせてー! PR |
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