10/18 パ☆H-E☆ セ☆☆C-DB
はからずも毎日野球がある喜びを感じることになった今年のクライマックスシリーズ。finalの大事な大事な初戦はセ・パで明暗別れました。 パ・リーグは雨の心配がいらないドーム球場。待ち受けるは最多勝の東浜でしたが、またも茂木が先制パンチ。さらにこの日から昇格したアマダー、ノリノリウィーラーにスタンドインされてしまいました。とはいえ被安打はこの3被弾のみ。たった3球の失投でした。もったいないとはいえ、相手の勢いを考えれば最低限かなと思います。 ソフトバンクといえば、少し前までポストシーズンにきわめて弱く、秋の風物詩などと形容されたこともありましたが、その一因はプレッシャーや緊張から来る野手の固さにありました。この日も先制された重圧からかペナントレース中の破壊力が見られません。塩見がこれまたペナントレース中には見られなかった超絶コントロールでスパスパ三振を奪って、ペースをつかめなかったでしょうか。デスパイネがイライラからか枡田にいちゃもんをふっかけて両軍集まってくる始末。王者の試合運びにやや乱れが見えます。 いっぽうセ・リーグは、チャンネルを合わせる前に試合が終わってしまいました。広島も屋外球場のため、秋雨前線にDeNAは泣かされっぱなしです。移動日なしで相手先発が薮田ですから、苦戦は予想していましたが。今後も雨が続きます。甲子園で前例を作ってしまったものだから、遺恨を残すことにならなければいいのですが。 10/19 パ☆H-E☆☆ セ☆☆C-DB☆ いったいどうした、王者ソフトバンク。 次なる先発は最多勝率のタイトルを誇る千賀。相手は辛島。まさかこの予告先発で連敗をくらうとは。 殊勲者は嶋。勝ち越しタイムリーは解説も絶賛の読み打ちでした。一球前のインコースを見逃したことで相手の目をくらませ、次のインコース直球を振り抜きました。まだ若く経験も浅い甲斐を手玉に取る、短期決戦ならではの見ごたえある対決、価千金の一打でした。 とはいえ千賀が打たれたのは実質これだけ。黒星翌日の先発として、十二分に役割は果たしました。 問題はやはり打線。この日も内川のソロホームランだけ。ここもまた嶋がうまいこと打者を欺き、次々裏をかかれて倒れていきました。 なにやら雰囲気が重い。これが追われる者のプレッシャーなのでしょうか。なにかひとつ、きっかけをつかむことでこのヤフオクドームを覆う暗雲を払うことができるはずです。 と、今回もまったく中継を見られなかったセ・リーグ。DeNAが中盤で点差をつけての逃げきりでした。上位からクリーンアップの威圧感は広島に見劣りしません。ルーキーながら二桁勝利をあげた濱口がここでも良い仕事をしました。やはり上位チームは先発が揃っている印象です。今日を落とすと崖っぷちだっただけに、踏みとどまりました。 10/20 パ☆☆H-E☆☆ セ☆☆C-DB☆☆ 両リーグそろって五分の星となったfinalステージ。いよいよ盛り上がってまいりました。 1stのリベンジをかけてマウンドに上がった則本ですが、あえなく撃沈。シーズン中はあれだけ圧倒的な投球をしていたのに、WBCを含め、なぜかここぞで勝てないイメージがありますね。ソフトバンクを手玉に取っていた感のある嶋をはずしたことも、凶と出たでしょうか。それでも和田も勢いのある楽天打線を相手にピリッとせず、均衡した試合展開に。 結局、中村が福山から決勝2ランを放ち、サファテが三凡で〆ました。打つ方では上林に代わってスタメンに入った城所が起爆剤となり、当たりのなかったデスパイネ・松田・中村に打点がついて、息を吹き返した感があります。エース則本と勝ちパターンの福山で試合を落とした楽天は、逆に追い詰められつつあります。明日からの戦いぶりが見ものです。 対称的に投手戦となったセ・リーグ。メッセンジャー相手にもひけを取らなかった井納がfinalでも結果を出しました。計算できる先発が一枚加わったのは大きいですね。積極的な継投も印象的でした。明日以降台風で中止が見込まれますから、何としても勝ちを取りたかったのでしょう。広島は終始後手に回っていた感があります。 DeNAは1stで過酷な戦いをしたにもかかわらず、王者広島に一歩もひけをとらない試合ぶり。どちらも見ごたえのあるCSです。 10/21 パ☆☆☆H-E☆☆ セ(雨) 王者の目覚め。ソフトバンクが一発攻勢で相手を崖っぷちに追い込みました。 このシリーズ、はじめて先制したソフトバンク。その一打が当たりのなかった長谷川から生まれたことは、試合の趨勢を決める点で大きかったでしょう。これで主力すべての両目が開いたと言っても過言ではありません。そして完全に起床したデスパイネのホームランで追加点。これで勝負あったかと思いましたが、そこは楽天、さすが1stを打ち勝ってきただけあります。回を重ねるごとに調子を落としていくバンデンハーク(by我が家の解説者)を攻め、中盤ついに逆転。ここは継投の遅れが仇となりました。そうか、バンデンはこうして攻略すれば良いのか。いっつも全員サッサと凡退しているから100球肩なんて知らなかったし…マレーロのホームランくらいしか弱点が見当たらなかったよ…。 それはさておき、100球投げても平気な岸を降板させたのは中5だったからでしょうか。ちょっともったいなくないかなあ、と思う間もなく、このfinal、シリーズ男と化している宋家豪が、これまたfinal大当たりの内川に同点弾をくらってしまいました。気落ちしたのか次の中村にも前日のリプレイのような逆転弾。福山、宋と、続けて必勝パターンを崩され星を落とした楽天。手放した勢いを取り戻し、逆王手をかけられるでしょうか。 10/22 パ☆☆☆☆H-E☆☆ セ(雨) 一度失った流れをふたたび取り戻すのは至難の業。しかもビジター。初回から先頭ランナーを出すも無得点の楽天と、3点先取のソフトバンク。おまけに初得点はこの日から復帰した柳田と、もうラストスパートは誰にも止められないほどのスピードでした。こういうところで気を吐く島内ひとりでは到底太刀打ちできません。チャンスでも淡々と投げる武田の姿はシーズン中のそれではなく、1・2戦で楽天の先発が見せたような落ち着きぶりでした。たったひと試合で中身が入れ替わったかのような勢いの違い、これも短期決戦ならではのおそろしさです。そして最後は岩嵜、森とつないで〆はやっぱりサファテ。final2連敗からの逆転劇は、CSが始まって以来初の偉業。1st3試合からのfinal勝ち抜けという初の快挙を狙った楽天でしたが、はじめて対決はあえなく敗退となりました。 もっとも、15.5G差もあるんだから、こうならなきゃおかしいんだよなあ…。他ファンは「下剋上!」なんて楽しんでしまうけれど、当事者にとったらこんなに差をつけて日本シリーズに行けないなんてことになったら大問題ですからね(ロッテの下剋上の時はもっと差がつまっていたし)。 10/23 セ☆☆C-DB☆☆☆ ようやく雨の上がったマツダスタジアム。連勝の流れに水を差されたかたちのDeNAでしたが、この日も光ったラミレス采配。1点差の緊迫したゲームをもぎ取り、福岡行きに王手をかけました。 薮田とウィーランド、投手戦が見込まれましたが帰宅前に広島が先制パンチ。DeNAはその後のチャンスを次々併殺で潰し、こりゃ決まりかなと思いかけた中盤、筒香の一発が飛び出すと反撃開始。打席でも決して野手に見劣りしないウィーランドの出塁から雰囲気が変わりました。広島は投手交代が裏目に出て逆転を許してしまいます。 それでも打線の威圧感は健在。疲れの見え始めたウィーランドを攻めて満塁とします。広島の代打攻勢vsDeNAのマシンガン継投対決は、DeNAの勝ち。完全に我を失っている様相の広島ですが、ラミレス監督は容赦しません。ここでつぎ込んだのは今永。ええ? 明日の先発じゃないの? 「CSに明日はない」、見事な有言実行でした。短期決戦は次のことを考えていては終わりです。 さあ追い込まれた王者広島。優勝の原動力ともなった逆転劇を見られるでしょうか? 10/24 セ☆☆C-DB☆☆☆☆ セ界最大の下剋上、成る。 終始ラミレス監督の采配が冴えたfinalでした。 今日も広島に先制されるや、先発の石田をさっさと降ろし2回から三嶋へ継投。緒方監督も中4で野村を立てましたがやはり窮地のプレッシャーからか、ピリッとしません。逆転されるや大瀬良に交代するも、2アウトから3連打を浴びて追加点を許す始末。代打が乙坂ではなく細川だったのは、ここはまだ勝負どころではないと判断したのかもしれませんが、見事な内角打ちでした。えっ! 高卒ルーキーなの? なんでこんなふうに育つの!? そして投手は濱口へ。ええ? 明日の先発じゃないの? やはり「CSに明日はない」、名言いただきました。 8番で打線の切れた広島は欲をかいて大瀬良続投。うーん、こういうことすると裏目に出るんだよな…という不安に限って的中。 新井のホームランで一時は沸き上がるも、すぐさま筒香がおかわり。静まり返るマツダスタジアムはもはやDeNAの独壇場。点差の離れたところでのジャクソン・中崎も集中力を欠き、動揺を隠せない野手陣もわけのわからぬまま凡退し、現実を受けとめきれないまま、試合終了。 福岡行きの切符は、DeNAの手に渡ることとなりました。 試合勘が戻らなかった、雨天コールドが相手に火をつけた、敗退の原因を類推することは容易です。また14.5G差をつけながら日本シリーズに行けないことについては、CS制度の問題点と騒がれるでしょうし、ルール変更が取りざたされるかもしれません。それはまた先の話。今は、1stを3試合戦ってさらに連戦で敵地へ乗り込み、圧倒的不利の条件で星を落としながら、それでも逆境をはね返して4つ勝ちをもぎ取ったDeNAを称賛すべきでしょう。あわや4位だったチームとは思えない、短期決戦のお手本のような戦いぶりでした。 さあ、これにて日本シリーズのカードは決まりました。 ソフトバンクvsDeNA。王者の貫禄対下剋上集団。球界最高年俸対最低年俸。工藤とラミレス、両監督のマジックの仕掛けどころも見ものです。 福岡と横浜、いずれが歓喜に沸くか秋の夜。今年最後のプロ野球、願わくば長く楽しみたいもの。もつれにもつれ、手に汗握る最終戦を堪能できますよう、両軍の健闘を祈ります。 PR |
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