当日のエントリー変更が気になって早起き。
東洋大の覇権奪回か。 東海大の逆転優勝か。 青学大の史上最大のどんでん返しは果たして。 今年もハラハラドキドキの展開を期待します! 《6区》 先頭で出発したのは東洋大・今西選手。追うのは昨年の区間2位の東海大・中島選手。 しかし青学大・小野田選手は山下りのスペシャリストです。青学大の命題は各区で1分短縮、とくに小野田選手には期待しているところが大きいと思いますが、今西選手は逃げる者のプレッシャーを感じさせない走りで、後続との差はなかなか詰まりません。さらにそのタイムを上回るペースで追う中島選手。山を抜け日が差すとともに、戦いも熱くなってきます。 最後苦しみながらも走り切った今西選手。続く中島選手はあわや区間記録更新かというタイムで前との差を縮めました。 3位は逆転で駒澤大、そして健闘している国学院大が続きます。さすがの小野田選手は平地に入ってペースを上げ、エース格の林選手につなぎ、さらに57分台と圧巻の区間新記録を打ち立てました。しかし東洋大・東海大ともに会心の走りで、首位と縮まったタイム差はわずか15秒。 今年の山は上りも下りも見ごたえがありました。 《7区》 上位校は優勝へ向けて勝負の区間。昨年MVPの青学大・林選手は早々に国学院大を抜いて4位浮上、さらに駒大にも迫ります。 しかし東洋・東海はトップしか見すえていません。どんどん差を詰めていく東海大・坂口選手。それを知ったか、中盤で苦しげな顔に変わる東洋大キャプテン・小笹選手。4年生として最後の意地を見せてほしいところですが、坂口選手は前を行く背中をとらえるといちだんとギアが上がったようでした。追う者と追われる者、見える敵と見えない敵、互いのプレッシャーの違いが走りからも感じられます。 平塚ではなんとかトップでつないだ小笹選手。東海大の襷リレーはそのわずか4秒後。 いっぽう林選手は終盤で駒大も突き放し、みずからの持つ区間記録とほぼ変わらないタイムで襷を渡しました。タイム差は3分48秒に短縮。じゅうぶんに仕事を果たしていますが、逆転優勝はさすがにもう厳しいか。 シード権争いは、明治大と中央学院大が抜きつ抜かれつ、10位争いをくり広げます。平塚では明治大が30秒遅れ。12位から15位までも2分以内につけています。こちらのゆくえにもこれから注目。 《8区》 東海大・小松選手はすぐさま4秒の差を詰め、東洋大・鈴木選手に並びます。この重要な場面を託された鈴木選手は1年生。伴走車も並んでいるため、監督からの声かけもかけひきになるという解説者の言葉には思わずウムムと唸ってしまいました。小松選手が実力者なだけに、長距離走以上の疲労が鈴木選手にはのしかかってくるはずです。 そして3位を走る青学大も1年生・飯田選手。今後の青学大を背負っていくべき選手はただ前を向き、ゴールめざして走ります。 両校がかけひきをしてペースが落ちれば、青学大にもいつでも捲れるチャンスが生まれてきそうですが、2校ともに落ちそうにはありません。東洋大・酒井監督は後ろにつかれるや鈴木選手に「前へ出ろ」と声をかけました。引くのではない、先を目指す姿勢を貫く、さすが常勝チームの闘将です。 長い並走が続きましたが、ついに15キロ手前、それまで様子をうかがっていた小松選手が満を持して前へ出ました。鈴木選手に追う力は残っておらず、ぐんぐん差を広げていきます。東海大は戸塚ではじめてのトップ通過。しかも20年以上破られなかった区間記録を更新するという、見事な激走でした。初優勝へ向け、キャプテンにあとを託します。 東洋大は51秒差をつけられてしまいました。 シード権争いは中央学院大が順位をひとつ上げ、明大の目標は拓殖大となりました。その差は1分。 《9区》 東海大・湊谷選手は順調に先頭を走ります。東洋大・中村選手も懸命に前を追いますが、その差は離れていくばかり。走りからも心の余裕が見て取れます。初の栄冠を前にしても動じることなくラップを刻みます。 中村選手は不調なのか、なかなかタイムが上がりません。うしろから迫ってくる青学大・吉田選手。最終的には8秒差までタイムを詰められてしまいました。総合優勝はほぼ不可能な位置からモチベーションを落とすどころか、下馬評以上の走りをする青学大の各区選手もさすがです。 10位を争う明大が拓大との差を30秒弱までに縮めました。早大・中大も1分少しとなっています。シード権争いは最後の走者に託されました。 《10区》 スタートから快調に飛ばす東海大・郡司選手。ライバルは遠のき、あとはゴールテープに向かってひた走るばかり。 いっぽう、青学大が東洋大を抜いて2位浮上。アンカーはエース格の鈴木選手、復路優勝に向けて王者の意地の走りです。 10位で逃げる拓殖大は束になって追いかける後続を突き放し、9位中央学院大に迫り、終盤で抜きました。持ちタイムは決して良くなかった拓大・松岡選手ですが、シードを守って余りある快走を見せます。中大・早大などがあとを追うも、10位以内に入ることはできませんでした。予選会に伝統校が混じることもめずらしくなくなりましたが、今年はそこに早稲田も回ることとなってしまいました。 黄金世代が入学し東海大の時代が来ると思いきや、なかなか結果を出せなかった箱根のレース。3年目にして、ようやくその栄冠を手にすることができました。来年はその世代が最終学年となります。今年走れなかった關選手を含め、黄金世代集大成の走りで初の箱根連覇、初の三冠はなるでしょうか。 区間新・区間賞を連発し復路記録を樹立するも、往路のタイム差を超えられなかった青学大。連覇は途切れましたが、原監督の悔しそうな表情を見てまだまだ青学大の時代は続きそうだと感じました。小野田選手や林選手が抜けても、来年はまたひとまわり強くなって戻ってきそうな気がします。 3位という結果でも選手は涙にくれていた東洋大。復路の失速が響いたとはいえ、ここ10年で4位以下に落ちたことはありません。立派な成績に胸を張って良いと思うのですが、その勝ちに対する貪欲さがチームの強さそのものなのかもしれません。新たな年にもまた、優勝争いに東洋大の名は欠かせないものとなりそうです。 全区間で安定していた駒大が4位。大八木監督の周囲に何やら不穏な報道があり心配でしたが、平成の常勝軍団らしいさすがの安定感でした。来年は優勝候補に名前を載せてほしいものです。 5位は巻き返した帝京大、6位に山登りで一気に順位を上げた法政大が続き、7位国学院大、8位順天堂大、9位拓殖大、10位中央学院大がシードを守りました。 ・・・ 往路・復路・総合と、各優勝校がすべて異なるというめずらしい事態になった今年の箱根駅伝。 青学大5連覇の予想ははずれてしまいましたが、何が起きるかわからないのもまた駅伝。 そしてどの大学も強くなっていることを改めて実感した大会ともなりました。 来年は予選会も含めてどんな大会になるのか…。 予想つかない方が、楽しいことは確かです。 PR |
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