靴の進化にスーパールーキー…。
最近の箱根は、まったく読めなくなりました。 さてさて、今年はいったいどんな展開を見せてくれるのか!? 《1区》 いつもより沿道の人垣が少ない、静かな大手町のスタートとなりました。 ただ実況解説もびっくりのスローペース。強力なランナーが多くエントリーされている1区ですが、牽制し合ってしまったのでしょうか。東海大・塩澤選手を先頭に集団走が続きます。 半分を過ぎて、今度は國學院大・藤木選手が前に出て仕掛け、3分の2を過ぎた頃から振り落としが始まりました。 当初からここが分岐点と目されていた六郷橋。上りでさらに人数が絞られ、下ったところでスパート合戦が始まります。残り1キロ、法政大・鎌田選手と塩澤選手のデッドヒートには心熱くなりました。力強いストライドで鎌田選手がトップで襷リレー。法政大1区の区間賞は21年ぶりの快挙となりました。 スローペースが功を奏したか、最下位までのタイム差は近年もっとも少ない2分6秒。今後の順位争いも期待が持てそうです。 《2区》 全日本最終区で優勝争いをくり広げた駒澤大・田澤&東海大・名取両選手の名勝負再現を期待していましたが、駒澤大は1区で後れを取ってしまいました。 とはいえ、あっと驚くごぼう抜きも2区の見どころ。昨年の区間賞、東京国際大・ヴィンセント選手が14位スタートからどんどん順位を上げていき、2位集団を追い抜くと、トップを走る名取選手も抜き去って首位浮上。今年は2区の区間新、さすが格の違いを見せつけました。これは、異次元の毎年区間更新も夢ではないのではないでしょうか。 2位争いは、ヴィンセント選手に途中までついていった創価大・ムルワ選手に日体大・池田選手と名取選手が迫る展開となりました。昨年の相澤&伊藤を想起させる4年生同士の競り合いは、やはり互いに力が出たのでしょうね。日体大の伝統校としての意地も感じました。 そして、いつの間にかそこに喰い込んでいたのが東洋大。1年生の松山選手が区間4位の見事な走りでした。これは後を走る選手も勇気が出るでしょう。やはり東洋大はこうでなければ! 今大会注目のスーパーエース田澤選手は、最後は大八木節に背中を押されて必死の力走。8位に順位を押し上げました。 一方、青学大は順位を落として13位。意外な展開となりました。 《3区》 日が高くなるにつれて沿道の観衆が増えてきました。声援こそいつもよりは少ないものの、やはり家で観るより生観戦したいものなんですかね…。 3区も次々順位変動が起こり目が離せません。半分を過ぎたあたりで東海大・1年生の石原選手が東国大を抜いて奪首、区間賞に輝く素晴らしい走りを見せました。さらには創価大が2位浮上。飛躍いちじるしい新興校が上位に絡む展開はがぜん面白くなりますね。 駒澤大も3位に浮上。4年生の小林選手が5人抜いて最後の仕事を果たし、往路優勝の希望も見えてきました。 3区を知り尽くす帝京大・遠藤選手は8人抜き、早大・中谷選手も着々と順位を上げるなど、注目選手が期待どおりの結果を出す一方、スーパールーキーの中央大・吉居選手は区間15位と、順位を上げることはできませんでした。 《4区》 東海大を追う創価大のランナーは、前回10区区間賞の嶋津選手。トップに迫ると、ためらうことなく先頭に立ちます。お昼ご飯を作っている間にみるみるその距離は開いていき、そして駒澤大と東海大の2位争いも始まっていました。 抜きつ抜かれつ顔をゆがめながら、最後まであきらめず、小田原を目指すランナーたち。テレビ越しからでも、その強い気持ちが伝わってきます。 嶋津選手は期待を裏切らない、後続を引き離す力走でトップで襷をつなぎました。 続いたのは駒澤大。早大、東国大、東洋大、それらに抜かれた東海大もほぼ差がありません。 往路優勝の行方は山上りへ託されました。 《5区》 プロフェッショナルが揃う往路最後の区間。2位でスタートした駒澤大期待の1年生・鈴木選手の後ろから迫るのは、昨年区間賞の東洋大・宮下選手。あっという間に追いつかれますが、くらいついていきます。いつもと違ってコールのない宮ノ下は少し淋しく感じますが、ふたりの熱い並走は寒さを感じさせません。 その先を飄々と行くのは創価大・三上選手。ランニング姿だったので、途中で低体温症になりやしないか(駒澤大・馬場選手の悪夢が)脳裏をよぎりましたが、強風もなんのその、一定のペースを守り続け、なぜかあまり画面に映らないままゴールテープをいちばんに切りました。 創価大はもちろん初めての往路優勝。誰がこの結果を予想できたでしょうか!? 全員が失速することなく落ち着いた走りをできたのは、区間配置が的確だったことと、限られた中でも密度濃い練習を積めてきたということでしょう。いや、素晴らしい! 明日も楽しみです! 2位につけたのは、上りの途中で駒澤大を抜き去った東洋大。宮下選手が前年区間賞の意地を見せました。鈴木選手も追いすがっていったのですが、わずか7秒届きませんでした。3位スタートの明日、「復路の駒澤」の復権なるか。 さらに続くは、細谷選手が4人抜いて見事区間賞獲得の帝京大。5位に落ちた東海大は4区の遅れが響きました。 6位は東国大。さらに順天堂大・神奈川大・拓殖大など予選会組が10位以内に入る健闘を見せています。 一方、青学大の往路12位、明治大14位という結果は大波乱といえるでしょう。留年して箱根に再挑戦することを決意した青学大・竹石選手ですが、2年前と同じように立ち止まって足を伸ばす場面もあり、順位を上げることはできませんでした。原監督がこのまま終わるわけがありません。明日の巻き返しを画策しているはずです。 今年は順位変動の激しい往路となりました。スローペースで始まった時はどうなるかと思いましたが、思えばそれがこの結果を生んだのかもしれません。観ている者にすれば楽しい箱根となりました。明日の復路も最後までハラハラするレースになることを、そしてアクシデントなく無事に終わることを期待します。 PR |
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