12/5 vsクロアチア ●
夜中の3時まで見届けました。 結果的に、初のベスト8には進出できませんでした。 それでも、この4試合で得た昂揚感、期待感、興奮、感動、そして一瞬の落胆の直後に湧き上がった惜しみない称賛、すべてが今までにない衝動で、それらがおそらく彼らが与えてくれた新しい景色そのものであったのではないかと感じます。 前回準優勝のクロアチア。日本は板倉の出場停止に久保の体調不良と不安材料は少なくありませんでしたが、この日も強敵に真っ向から立ち向かいました。 相手の攻撃に耐える時間が続くも、懸命に守る日本。試合が動いたのは前半も終わり際。コーナーキックからのチャンスで前田がシュート! いつも最前線で駆け続け体を張って守備をする前田の姿は強く印象に刻まれていましたから、彼が決めたことをとてもうれしく感じました。 そしてこれはこの大会、日本がはじめて奪った先制点。このまま後半を乗り切れば…と言いたいところですが、点が入れば試合が動き出すというのは野球でもよく見る展開です。サッカーも同じだったようです。 後半開始10分。同点ゴールは一瞬のことでした。「あっ」と思ったわずかな隙も見逃してはくれない、これが世界の強敵が集うワールドカップという舞台。 そこから選手を入れ替え勝ち越しを狙うも、日本の攻撃パターンを徹底して研究されてきたのかゴールを割ることができません。しかしこちらも必死の守りで、相手に得点を許さず、戦況は一進一退。やがて後半終了のホイッスルが鳴らされ、延長戦へ。 互いに気力も体力も振り絞った攻防は、決着つかぬままついに120分を刻みました。 運命は、PK戦に託されることとなりました。 2010年南アフリカ大会、PKの末パラグアイに敗退した一戦は、今でもはっきりと憶えています。 今度こそ、あの悔しさを乗り越えて、新しい景色へ到達してほしい。 正座して手を合わせ、画面の向こうへ祈りを捧げました。 しかし今回も、勝利の女神が日本に微笑むことはありませんでした。 PKの結果が運なのか戦略なのか、サッカー素人にはわかりません。 日本にPK職人がいないという指摘もあるようです。順番が指名ではなく立候補制だったことを批判する記事も目にしました。 ただ、相手キーパーの冷静さと優れた観察眼は素人目にも卓越していたように見えましたし、沈黙を破って真っ先に手を挙げた南野の気概は讃えられるべきと思います。「PKをはずすことができるのはPKを蹴る勇気を持った者だけ」という過去の金言もあります。あの場所、あの状況で、一番手を買って出ることのできる人間がいったいどれだけいるというのか。世界中の視線を背中に浴びるプレッシャーがいかほどであったか、想像すらできません。 とはいえ、重圧があったのはクロアチアの選手も同じかと思います。3人目が失敗したものの4人目でしっかり決めきりました。もちろんメンタルだけがすべてではありませんが、次の試合格上と思われていたブラジルをまたもPKで破ることができたのは、クロアチアチーム全体の心の強さも要因なのではないかと感じました。 しかしそのクロアチアもアルゼンチンの前に敗れ、2大会連続の決勝進出はなりませんでした。 ワールドカップは各国のスーパースターが勢揃いする場でもありますが、その多くがベテランの域にさしかかっています。 アルゼンチンの英雄であるメッシもそのひとり。 そして決勝は、メッシと、フランスの若きスター・エムバペの競演となりました。 メッシのPKなどで前半2得点で有利に試合を進めたアルゼンチン。後半も30分を過ぎ、ここからフランスが追いつくなんて思いもしなかったのでしょう。ベンチでは早くも感極まる選手もいたようです。 しかし、スポーツは本当に何が起きるかわからない。 エムバペの同点ゴールは、まるで炎を纏ってゴールネットに突き刺さる、漫画に出てくるような弾丸シュート。火の玉そのものでした。 あと10分で終わるはずの試合が、まさかの延長戦突入。そして延長後半、メッシが勝ち越しゴールを決めれば、終了間際にフランスがPKをもぎとりエムバペがきっちり決める、決勝はまさに世界最高峰を決めるにふさわしい、ドラマのような一戦となりました。 そしてPK戦の末、優勝トロフィーは、失敗することのなかったアルゼンチンの手に渡りました。 日曜日の深夜(しかもMー1の後)で視聴を断念したのがつくづく悔やまれます。もっともリアルタイムで観ていたら、興奮して一睡もできなかったかもしれませんが…。 こんな素晴らしい試合をいつか日本も戦うことができるだろうか。メッシやエムバペ、クリスティアーノ・ロナウド、ネイマール、モドリッチなどなど、世界中から称賛されるスター選手がいつか日本からも生まれるのだろうか。 そんな妄想が尽きません。 サッカー素人のにわかでも心躍らされたひと月でした。 さあ、次は野球の番です。WBCです。 世界を驚かせたジャパンブルーにサムライたちが続けますように。 PR |
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